せっかくダイエットを成功しても、リバウンドしてしまっては意味がない。
もちろん夏の時期は特に痩せていたいと思う人が多いかもしれないが、叶うことなら年中痩せた体型を維持したいはず。
今回は論文から、リバウンド防止法として『カロリーシフティング』をご紹介。
11日間のダイエットと3日間の維持カロリーを繰り返すカロリーシフティングが、リバウンド防止に役立つことが判明したのである。
基礎代謝が1度低下すると、2ヶ月以上戻らない
そもそもリバウンドしないためにはどんなことが重要なのだろうか?
それはダイエット中でも極力基礎代謝を下げないことである。
というのも、基礎代謝は1度低下してしまうと2ヶ月以上は戻らない。なので、ダイエット中に基礎代謝が低下するのは極力避けなければいけないのである。
- 1989年の研究:7人の肥満女性に2ヶ月間のダイエットをしてもらったところ、基礎代謝が22%も減少したがダイエット終了後8週間経っても基礎代謝は元に戻らなかった(R)
- 2016年の研究:フィットネス競技者の女性50人を調べたところ、大会後3,4ヶ月経っても代謝に関係する甲状腺ホルモンやテストステロンが低下したままだった(R)
ダイエット後も代謝の低下を引きずっていると、ダイエット終了後に普段と同じ量を食べているはずなのにリバウンドした、という事態になりかねない。
リバウンドを防ぎたければ、ダイエット中も極力基礎代謝が下がらないようにする必要があるのである。
リバウンドを防ぐ方法は『11日ごとに3日間休むこと』
そして、ダイエット中に基礎代謝を下げないために効果的なのが”カロリーシフティング”である。
カロリーシフティングとは、ダイエット中でも一定期間ごとに維持カロリーに戻すというもの。
こうすることで、体に慢性的な飢餓状態になることを防ぎ、ダイエットによるホルモンや代謝の乱れを防ぐことができるのである。
このカロリーシフティングのダイエット効果を示した研究に2014年のものがある。(R)
研究者たちは74人の女性被験者は2つのグループに分け、6週間のダイエットを行わせました。
- ”11日間のダイエット⇄3日間適度に食べる”を3回繰り返す
- 6週間ぶっ続けでダイエット
片方のグループにはずっと毎日カロリー制限をしてもらった一方で、もう片方のグループには約2週間ごとに3日のリフィードをしてもらった。
その後ダイエット終了1ヶ月後までをフォローアップ調査したところ、結果は以下のようになった。
- 6週間後にはどちらも同じくらい脂肪が減った( -12.99% vs - 10.63%)
- しかし、1ヶ月後のフォローアップ調査では、カロリーシフティングのほうがリバウンドしていなかった( -12.69% vs -5.18%)
まず、カロリーシフティングかどうかに関わらず、どちらのグループも同じくらい脂肪が減っている。
しかし、6週間ぶっ続けでダイエットしたグループは、約1ヶ月後にはせっかく減らした脂肪の半分近くが戻ってしまったのだ。
なぜダイエット終了後、ぶっ続けでカロリー制限をしたグループのほうがリバウンドしてしたのか?それはおそらく代謝の低下が原因だろう。
というのも、この研究では実際に代謝の変化が測定されており、その結果は以下のようになっている。

カロリー制限をぶっ続けで行ったグループは6週間にわたってどんどん代謝が下がっている。その一方で、カロリーシフティングは代謝は若干さがっているものの、その値は概ねベースラインをキープしている。
さらには、カロリー制限をぶっ続けで行ったグループはダイエット終了後4週間にわたって代謝が低下したまま。
ちなみに、この研究ではダイエット中もダイエット終了後もカロリーシフティングのほうが多くカロリーを摂取している。
適度に休んだグループ | ぶっ続けグループ | |
---|---|---|
ダイエット期 | 1365kcal (リフィード日:1971kcal) | 1186kcal |
メンテナンス期 | 1611kcal | 1562kcal |
つまるところ、カロリーシフティングのほうが食べているのに痩せたのである。
ずっとカロリー制限してもただ辛いだけで対して痩せないのである。実際に、ぶっ続けでダイエットしたほうが研究が辛かったらしくで、リタイア率はカロリーシフティングの2倍に及んでいる。(36.8% vs 15.7%)
カロリーシフティングで定期的に維持カロリーまで食べることは、ダイエットを継続しやすくする上にリバウンドも防止する優秀な戦略なのである。
ストイックすぎるダイエットは辛いだけ
ダイエットはただ闇雲に頑張っても、精神的な負担が大きいうえに、大して痩せるわけでもない。
ダイエットをしている人は、定期的に維持カロリーにすることをオススメする。参考までにどうぞ!