「今日はストレス溜まってるし、たまには息抜きで好き放題食べよ!」
ダイエットをしたことがある人なら、こんなシチュエーションは一度は体験したことがあるだろう。
しかし、ドカ食いは本当にストレス発散になっているのだろうか?
今回は、ストレス発散の手段としてのドカ食いについての話。
ストレス発散としてドカ食いしてしまいがちだが、実はストレス発散にドカ食いをしてもむしろストレスが溜まるだけと言うことが判明している。
ドカ食いはストレスを減らすどころか高める
ストレスを感じたときにドカ食いをしても、ストレス発散になるどころかむしろストレスが高まる。
というのも、確かに一時的には食事でストレスを忘れることができるが、その後強い罪悪感に襲われるのが理由。
実際に、ドカ食いをしたときのことを思い出してみてほしい。
いくら”ストレス解消”と自分に言い聞かせても、ドカ食い後には「絶対に太った。」「なんて自分はダメなんだ。」と罪悪感に苛まれているのではないか?
実は、本来はそれ自体が楽しい活動でも、その後に罪悪感を感じるようなシチュエーションではむしろ逆効果になることが判明している。
実際に、2000年に行われたノースダコタ大学の研究では、ドカ食いをストレス解消の手段に使った学生は、むしろ他の日よりもストレスが高まったことが報告されている。(R)
他にも、2014年に行われたヨハネスゲーテンベルグ大学の研究でも、同様にストレスが高まるという結果に。(R)
この研究では、普段はテレビがストレス解消に役立っている人でも、”やるべきことを後回しにしている”場合には、むしろストレスになることがわかったのである。
これらに共通しているのは、行為自体は楽しくても、その後に罪悪感を感じてしまうこと。
試験前のテレビも、見終わった後に襲ってくるのは「また勉強できなかった」と言う罪悪感である。
やる前は”それ自体の楽しさ”ばかりに注目してしまい、ストレス解消になるように思えるが、実際は問題解決にならないばかりか、その後に罪悪感に苛まれるハメになる。
一番のストレス解消はストレス源に対処すること
では、ストレスが溜まっているときにはどうしたら良いのか?実は、ストレス解消に一番良いのは、ストレスの元と向き合うことである。
- 期限が迫っている仕事に、10分でいいから手を付ける
- 体型に悩んでいるなら、毎日100kcalでもいいから食べる量を減らす
これらの行為は全く楽しくないので、やる前には面倒臭いしストレス解消になるようには到底思えないかもしれない。
しかし、一度でいいから実際にこの方法を試してみてほしい。意外なことに、ストレスと向き合った後は達成感に包まれ、気分がスッキリしていることに気づくはずである。
とはいえ、口で言うほど実行するのは簡単ではないし、職場の人間関係などすぐにはストレス源に対処できない場合も当然ある。
そんなときは、せめて行為自体も楽しめるし、その後に罪悪感も感じないストレス解消法を試すのがおすすめ。
例えば、アメリカ心理学会がオススメする”ストレスを溜めないストレス発散法”は以下の通り。(R)
- 親しい友人に連絡を取る
- いつもより早めに寝る
- ヨガをする
- お気に入りの音楽を聴く
これらの活動は、集中することでストレスを一時的に忘れることが出来る上、その後に罪悪感というさらなるストレスを生む心配もない。
ストレス源にすぐに対処できない場合には、これらの方法で気分転換を図ってみるのがいいいだろう。
まとめ
ストレスが溜まっているとき、その解消法として「行動自体がいかに楽しいか?」で選びがち。
しかし、行為自体が楽しい行動でも、その後に罪悪感を高める場合はむしろ”罪悪感”というストレスを上塗りするハメになる。
次にストレスが溜まったときは、一度騙されたと思ってストレス源に向き合ってみてほしい。
罪悪感という無駄なストレスを産まず、むしろストレスが減っていることに気づくはずである。