ダイエットのやる気を出すために”痩せた自分を想像する”がダメなワケ

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女性

ダイエットのやる気が出ないから、痩せたらどんなに素敵かを想像してやる気を出そう!

ようじゅ

その方法、実はやる気は出るけど結果には繋がらない可能性が高いです

ダイエットをしていると、どうしてもやる気が出ないときというのは存在する。

そんなときに無理にやる気を出そうとして、痩せた未来を想像していたりしないだろうか。

今回の記事は「ダイエットのやる気を出すために痩せた自分を想像する」は効果がないという話。

この記事のポイント
  • ダイエットでやる気を上げても、計画量は増えるが行動量は増えない
  • ダイエットのやる気がないときは、ひとまず”やる気がない”という事実を受け入れる
  • 「やる気がない」という感情は操作できないが、「ダイエットを続ける」という行動は選び取れる
ようじゅ

ダイエットでやる気を出しても、実はただの口だけ野郎になる可能性が高いです

目次

やる気のある人よりも過程を楽しんでいる人のほうが行動量が多かった

やる気を出したグループは”口だけの人”になった

女性

痩せた自分を想像してダイエットのやる気を出しています!

ようじゅ

その方法だとやる気は出ても結果につながりません

「ダイエットのやる気がある=成功する」と思っている人もいるかもしれないが、それは間違い。

ダイエットでは”やる気”があっても行動に結びつかないことがわかっているからだ。

2012年の研究(R)

「やる気を出すことは結果への行動につながるのか」を調べた研究。ジムでこれからトレッドミルを始めようとしている男女113人を2つのグループに分けた。

  1. 運動で得られる結果に注目したグループ
    • 「私はダイエットのために運動する」などを紙に書いてもらい、運動をダイエット達成の手段として意識させた
  2. 運動という経験そのものに集中したグループ
    • 自分のワークアウト経験について考えてもらい、運動中もその経験に集中し続けるように意識させた
  3. 何も指示しない
ようじゅ

一方のグループは”痩せた自分”などの結果に注目してもらい、もう一方のグループには”運動”という経験そのものを楽しんでもらいました

この2グループの計画量と実行量を実際に測定したところ、結果は以下のようになった。

各グループの計画量と実行量
各グループの計画量と実行量

結果に注目したグループは、やる気が出てたくさんやりたい気持ちになり計画量は多かった。

しかし、実際の行動量を見てみると計画したほどには行動できていないことがわかる。

ようじゅ

やる気を使ったグループは、計画量こそ多かったですが実行量はそこまで多くありません

一方で経験集中グループでは、当初の計画量こそ結果注目グループより少ないが、実際には”やる気”を使ったグループよりもたくさん行動していた。

つまり”得られる結果(こんな体型になれる!)”に注目して意図的にやる気を出そうとすると、計画量が増えダイエットが成功に近づいた気はする。

しかし、実際の行動量となると話は別。

計画量だけ多くて実行には移さない”口だけの人”になってしまう可能性が高いのだ。

ようじゅ

実際に行動して結果を出すのは、やる気がある人ではなく過程を楽しめる人です

2つのモチベーション

ようじゅ

この研究ではモチベーションは2つあるとされています

この研究はやる気(モチベーション)を「インテンション(intension)」と「パース(pursuit)」の2つに分類している。

インテンションは日本語で言うと”行動意図”になる。

「ダイエットをするために食事制限をしよう!」といった類のやる気のことで、インテンションが高まると目標を達成するために何かを計画したりする。

ようじゅ

世間一般で言うところのいわゆる”やる気”はこっちです

一方でパースは日本語で言えば”追求”。

これは「実際にどれだけ行動しているか?労力をかけているか?」で測るモチベーションのこと。

ある活動にめっちゃコミットしていれば、本人がどう思っていようとモチベーションが高いと言える。

ようじゅ

ダイエット成功につながるのはpersuitですが、やる気コンテンツで上がるのはintensionのほうです

「ダイエットを頑張れば理想の体型が得られる」

そう考えれば、やる気が出るだろう。

実際に計画量が増え、ダイエットが成功に近づいた気がしてくる。

ようじゅ

しかし実際に行動する段階になると...計画倒れになる可能性が高いです

実際に行動に移すとなると、経験そのものを楽しんでいる人のほうが圧倒的に強い。

無理にやる気を出したところで、計画こそすれど実際の行動には繋がらないだろう。

やる気がないことも”受け入れる”のがダイエット成功のコツ

ようじゅ

やる気がない...そんなときはその気持ちをありのまま受け入れるのがダイエット成功のコツです

ダイエットに重要なのはやる気を操作することではなく、”感情をありのままを受け入れる”こと。

直感に反するかもしれないが、やる気がないという状態もありのままに受け入れることでダイエットが成功するのだ。

このことを示したのが2016年の研究。

2016年の研究(R)

ドレクセル大学が行った「受容こそがダイエット成功の秘訣なのでは?」を調べた研究。190人の肥満男女を集め、2つのグループに分けた。

  1. 受容マインド育成を含んだダイエット治療(ABT)
  2. 標準的なダイエット治療(SBT)
ようじゅ

いわゆる”認知行動療法”をダイエットに取り入れた
研究です

どちらのグループも摂取カロリーは1200kcal~1800kcalに設定し、週あたり250分の有酸素運動をするように指示された。

ABTグループは認知行動療法を取り入れたマインド育成も行われており、両グループにカロリー制限を1年間に実施してもらったところ以下のような結果に。

受容マインドを含んだダイエット(黒)と標準的なダイエット(薄黒)の体重変化
受容マインドを含んだダイエット(黒)と標準的なダイエット(薄黒)の体重変化

受容マインドを育てたABTのほうが体重が落ちているだけでなく、ABTのほうが1年間経ってもリバウンドもしていないことがわかる。

ようじゅ

感情を操作しようとするのではなく、受容することがダイエットに効果的なことが判明しました

このときABTグループが教育された受容マインドは、3つの原則がベースになっている。

  1. 価値観の明確化
  2. 不快感と快楽減少の受容
  3. マインドフルな意思決定

受容マインド①価値観の明確化

ようじゅ

まず最初に、被験者は人生の価値観を明確化するように求められました

研究者は被験者に自分にとって大事な人生における価値観を決めてもらい、その価値観をもとに目標を設定してもらった。

価値観の例
  • 健康で長生きしたい
  • 今この瞬間を目一杯行きたい
  • 活動的な、皆に愛される祖母でいたい
ようじゅ

自分にとってなぜダイエットが必要なのかを、人生という広い視点で考えてもらいました

ちなみにダイエットする理由は人それぞれで、正解はない。

自分自身の人生にとって、ダイエットがどんな価値観に基づいているのかを考えることが重要なのだ。

受容マインド②不快感/快楽減少の受容

ようじゅ

ダイエットをするうえでは、不快感も伴うし快楽を我慢しなければいけないときがあることを被験者に受け入れてもらいました

2つ目は「不快感と快楽減少の受け入れ」である。

わかりやすく言えば「食べ物が溢れている現代の環境では、体重をコントロールすることは容易ではない。辛いこともある」と受け入れてもらった。

ダイエットをするうえで”ドカ食い欲求・空腹感・疲労感”などの不快感は避けられない。

さらにはアイスクリームの代わりにりんごを選ばなければいけないときもあるし、テレビを見る代わりに散歩をしなければならないときもある。

ようじゅ

このようにダイエットには不快感がつきものだし、快楽を得るのを我慢しなければならないものだと受け入れてもらいました

受容マインド③マインドフルな意思決定

3つ目は「マインドフルな意思決定」である。

簡単に言うと、自分がしている意思決定に自覚的になることである。

女性

大好物のケーキを見たときは、どんな感情が浮かんでくるかな?

女性

ケーキを見ると「ドカ食いしたい!」という気持ちが浮かんできてて、その結果食べ過ぎちゃうときが多いな...

ようじゅ

このように自分が”無意識に”行っている意思決定にマインドフルになってもらいました

自分の感情や行動を一歩引いて、まずは自覚することが「受容」の第一歩。

ダイエットする人が普段無意識に行っている”ドカ食い”や”運動をサボる”などの行動に自覚的になってもらったのだ。

変えられないことは受け入れ、できることをコントロールする

ようじゅ

受容マインドとは、要するに「自分ではどうしようもないことは受け入れて、できる努力をする」ということです。

ダイエットをするとき、まずは「コントロールできる/できない」を分類しよう。

✖️コントロールできないもの=思考
  • 空腹感(お腹すいた)
  • 思考(疲れた・やる気が出ない)
  • 欲望(ドカ食いしたい・ラーメンを食べたい)
○コントロールできる=行動・環境
  • お腹が空いたときに実際に食べるかどうか
  • 疲れたときに実際にジムに行くかどうか
  • 家にカップラーメンを置くかどうか

例えば、”ラーメンを食べたい”という思考自体はコントロールできない。

その思考をまずは自覚して、「ラーメンなんか食べちゃダメだ!」と考えを拒絶するのではなく一旦受け入れる。

しかし、別に実際に行動に移す必要はない。

ラーメンを食べたい気持ちを受け入れつつも、代わりにヘルシーな料理を食べるという行動は選び取れるのだ。

ようじゅ

自分の頭の中に浮かんでくる感情は操作できませんが、どの行動を選ぶかは自分次第です

論文には体重計測を避けていた被験者の例も書かれている。

その被験者は体重計に乗ったときに「もう自分なんかが体重を落とすなんて無理なんだ」という恥の感情を感じていたが、そのようなネガティブな感情も積極的に受け入れるように指示されている。

ようじゅ

ダイエットをしていればネガティブな感情が浮かんでくるのは当たり前。そのことを受け入れることがダイエット成功の鍵です

ダイエット成功のマインド

ダイエット成功に必要なのは「やる気」ではない。

ダイエットではやる気が出ないときもある。ダイエットをするうえで多少の苦痛は伴うし、たまには我慢しなければならないときもある。

ようじゅ

これらの感情を受け入れたうえで、自分の価値観に合った行動を選び取ることがダイエット成功の鍵です

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