「1日で燃焼できる脂肪の量はどれくらい?」
この疑問はダイエットしたことがある人ならず誰もが一度は考えたことがあるはず。
今回は、ニューメキシコ大学の研究から「1日でどれだけ脂肪は減らせるのか?」をご紹介。
「1日で減らせる脂肪量」が計算できるツールも作ったので、あなたの体重と体脂肪率を入力するだけで簡単に1日で落とせる脂肪量がわかる。
1日で落とせる脂肪量以上のカロリー制限をしても筋肉が分解されるだけなので、ぜひ一度計算してみるのがオススメ。
脂肪をエネルギーに変換する酵素の働きには限界がある
「1日に落とせる脂肪はどれくらいなのだろうか?」と考えたとき、1日の消費カロリーから計算するのは間違い。
というのも、実は1日で脂肪から引き出せるエネルギーには限界がある。
例えば1日の消費カロリーが2400kcalの人が、その日全く食事をしなかったからといって、2400kcalすべてが脂肪から賄われるわけではない。
脂肪から引き出せる限界のエネルギー以上にカロリーが不足してしまうと、筋肉を分解してエネルギーにしてしまうのだ。
なぜこのようなことが起こるかというと、脂肪をエネルギーに変換する仕事を酵素が行っていることがキーポイント。
摂取カロリーが少ないと、脂肪をエネルギーに変換する酵素の動きが活発になり脂肪が燃やされる。
しかし、実はこの酵素の働きにも限度がある。
酵素が脂肪を燃焼できるキャパをオーバーしてしまうと、体は仕方なく筋肉を分解してエネルギーを調達する。
1日に燃焼できる脂肪量以上にカロリー制限をしても、筋肉が分解されるだけでダイエットにとっては逆効果になってしまうのだ。
1日に落とせる脂肪量は、体脂肪1kgあたり69kcal
それでは、実際に酵素はどれくらいの脂肪量ならエネルギーに変換することができるのだろうか。
実際に、この問題について詳しく調べたのが2005年のニューメキシコ大学の研究。(R)
この研究は「1日に燃焼できる脂肪量に限界はあることがわかっているが、その値は実際にどれくらいなのか?」を調べた研究。
これまでに行われたダイエット研究をもとに「1日でどれだけ脂肪は減らせるのか?」を計算したところ、1日の脂肪燃焼量の限界値は以下のような結論になった。
1日の脂肪燃焼量の限界は”体脂肪1kgあたり9.5g”
ヒトが燃焼できる脂肪は体脂肪1kgあたり9.5g。
これはカロリーに計算すると69kcalで、体脂肪1kgあたり69kcal以上のカロリー計算をしても筋肉が分解されてしまうとも言える。
酵素の能力的に、このラインが1日の脂肪燃焼量の限界なのだ。
実際にどれだけ脂肪が燃やせるか計算してみよう
それでは、実際にどれだけの脂肪が燃やせるのかを試しに計算してみよう。
あなたが「1日の脂肪燃焼量の限界はどれくらいなのか?」は、以下のツールに体重と体脂肪率を入れれば簡単に計算できる。
計算方法を知りたい人のために、計算例も紹介しておこう。
例えば、体重70kgで体脂肪率20%の男性だった場合、この男性の体脂肪量は
70kg × 20% ÷ 100 = 14kg
となる。
なので、先程の研究結果から1日で脂肪から引きだせるエネルギー量は
69[kcal/kg] × 14[kg] = 966kcal
となる。
ここで、体脂肪量1kgあたりを燃やすために7200kcalのエネルギーが必要だとすると、1日の脂肪燃焼量は
966kcal / 7200kcal = 0.134kg
となる。
よって、結論は以下のようになる。
この男性は、1日あたり”966kcal”のマイナスカロリーで”134g”の脂肪を燃やすのが限界!
この男性は最大でも1日に966kcalのマイナスカロリーで抑えるべき。
仮にそれ以上にマイナスカロリーを作り出しても、筋肉が分解されるだけで何のメリットもないと言える。
カロリー制限はやりすぎ禁物
巷では「食べる量が少なすぎてもよくない!」と言われるが、これは本当の話。
いくら急いでカロリー制限をしまくっても、減っていくのは脂肪ではなく筋肉なのだ。
カロリーはここで計算した値以上に減らさないほうがいい。
とはいえ、ダイエットをしていると体重や体脂肪率は刻一刻と変化するので、そのときに最適な摂取カロリーというのはコロコロ変わる。
それに加えて今回紹介した数値は限界のカロリー制限量であって、最適なカロリー制限量ではない。
「最適なカロリー制限量を知りたい!」という人は、以下の記事で最適なカロリー制限量を自動で計算してくれるツールも紹介している。
カロリー制限は試したことがあるけど痩せた試しがない...という人は一度読んでみるのがオススメ。よろしければこちらもどうぞ。
