ボディメイク

科学的に正しいダイエット完全ガイド③『糖質と脂質、どっちを摂るべき?』

ダイエットをするとき必ずと言っていいほど悩む項目、それが糖質と脂質のどっちを摂るのかという問題。

今回は、論文から『ダイエットにおける糖質と脂質の役割』をご紹介。

実は糖質と脂質のどちらを減らしてもダイエット効果は変わらない。しかし、もしあなたが筋トレをしているなら、糖質を多めに摂るほうがいいかもしれない。

糖質と脂質、どちらを減らしてもダイエット効果は同じ

まず大前提として、糖質制限をしようが脂肪を控えようがダイエット効果は変わらない。

ダイエットは『食事から賄えない分のカロリーが体の脂肪から補われる』というのが大原則であり、脂質を減らそうと糖質を減らそうとカロリー不足なら同じように痩せるのである。

このことは、以前の記事でも紹介したが多くの研究で示されている。

  • 2018年に609人に及ぶ大規模な実験が行われたが、糖質を減らそうが脂質を減らそうがダイエット効果は同じだった(R
  • 2006年に”糖質4%以下の極端な糖質制限”と”バランス食”、”低脂質食”を比較したところ、体重減少に差は見られなかった。(R

重要なのは総カロリーとタンパク質であり、糖質を減らすか脂質を減らすかはダイエットにさほど影響しないのである。

それではどちらを減らせばいいのか?結論としては、どちらもほどほどに減らせばいいのである。

というのも、糖質も脂質も極端に減らしすぎることは、体に害を及ぼす可能性が高いからである。

脂質を減らしすぎると、ホルモンバランスが乱れる

脂質を減らすことによるデメリットとして、体のホルモンの減少がある。

というのも、テストステロンなどのホルモンは脂質を材料にして作られる。原料が足りなければその精製物であるホルモンも当然減ってしまう。

例えば、いくつかの研究によって食事からの脂質量が減ると、筋肉同化ホルモンであるテストステロンが減少することがわかっている。

  • 1996年の研究では、脂質を41%から19%まで減らしたところテストステロン値が13%低下した(R
  • 1997年の研究では、脂質を減らすほどテストステロンが減少した(R
  • 2004年の研究では、脂質を減らすほど筋トレによるテストステロンの分泌が減少した(R

このように、脂質を減らすとその分テストステロンも減少してしまうのである。

ダイエットをする以上、ある程度は脂質を減らす必要があるし、それに伴うホルモンの減少は避けらない。

しかし、ローファットダイエットなどで脂質を減らしすぎることは、ホルモンバランスを必要以上に乱してしまう可能性がある。最低限の脂質は摂る必要がある。

それでは具体的にどれくらいの脂質を摂ればいいのか?この問題を調べた2つの論文では以下のような目安が提示されている。

  • 2010年のパワーリフター向けレビュー:"総カロリーの20-30%"(R
  • 2014年のボディビルダー向けレビュー:”総カロリーの15-30%"(R

実は明確な最低限摂るべき脂質の量というのは、ハッキリとはわかっていない。ただし、先程言ったような理由から15~20%ほどは摂取した方がいいと言えるだろう。

逆に脂質を摂りすぎても”タンパク質”や”糖質”が減ってしまうことを加味すると、脂質の量は『総カロリーの20%』が一つの目安となる。

糖質を減らしすぎると、筋トレのパフォーマンスが下がる

それでは次に、糖質を減らすことにはどんなデメリットがあるかいうと、それはトレーニングのパフォーマンス低下である。

というのも、筋トレのような高強度運動で使われるのは”解糖系”と呼ばれる糖質を燃料とするエネルギー回路。

糖質を減らすことは筋トレのパフォーマンス低下を引き起こし、ひいては筋肉量の減少につながるのである。

それでは、具体的にトレーニングに必要な糖質とはどれくらいなのだろうか?

2011年と2004年のアスリート・ボディビルダーといったトレーニングをする人々を対象にした研究では、トレーニングのパフォーマンスを低下させないために以下のような糖質量が推奨されている。

  • 2011年のアスリート向け論文:”体重×4-7g"(R
  • 2004年のボディビルダー向け論文:"体重×5-6g"(R

どちらの論文でも概ね”体重×5g”程度は摂取した方がいいことになる。

ただ一つ注意しなければいけないことがあり、それはこの推奨量が減量中の推奨量ではないということ。

ダイエット中はカロリー不足を作るために食事の摂取量が下がるので、上限である”体重×7g”の糖質を摂取することは難しい。

また、糖質も増やしすぎると他の栄養素が減りすぎてしまう。ダイエット中であることや他の栄養素を摂ることを考えると、”体重×5g"の糖質量が一つの目安になる。

ここで『糖質を摂らなくても、ケトジェニックダイエットでケトーシスに入れば体が脂質をエネルギーとして使うようになる。そうすれば、糖質を摂らなくても問題ないのでは?』と思った人がいるかもしれない。

しかし、現代科学では「ケトジェニックは筋トレに有害である可能性が高い」という結論になっている。(R, R)

仮に糖質を極端に減らしてケトーシスという状態を達成しても、運動のパフォーマンスが上がることはない。

さらにはダイエット効果も変わらないので、糖質を極端に減らしてケトジェニックダイエットにしても、筋トレのパフォーマンスを下げるだけでさほどメリットはないのである。

まとめ

今回は『ダイエット中の糖質と脂質の量』についてまとめた。最後にもう一度内容を確認しておこう。

  1. 糖質を減らそうが脂質を減らそうがダイエット効果は同じ
  2. 糖質の摂取量の一つの目安は”体重×5g"
  3. 脂質の摂取量の一つの目安は”総カロリーの20%"

この計算式を実際に計算するツールが以下の記事にあるので、計算が面倒な人はぜひ活用してほしい。

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他にもダイエット中の糖質と脂質の量に関しては以下の記事に詳しくまとめた。興味のある方はこちらもどうぞ。