「ダイエットを頑張っているつもりなのに、なかなか体重が落ちない。」
こんな風に、ダイエットを始めたばかりのときというのは、なかなか体重が減らずイライラしてしまうこともあるだろう。
今回は、論文から「ダイエットで痩せない原因」をご紹介。
実は、ダイエットで痩せない原因は「食べていない」つもりが実は食べていたり、「運動している」つもりが実はあまり運動をしていないことが原因かも知れない。
ダイエットで痩せないなら、まずは摂取カロリーを見直すべき
ダイエットで痩せないというなら、まず第一に疑うのは摂取カロリーである。
というのも、食事を控えているつもりが実は自分が思ったよりも食べていた、というのはよくある話。
このことを示したのが1992年の研究。(R)
被験者となったのは肥満の成人224人で、彼らに対して「どのくらいのカロリーを摂取しているか」の自己申告をしてもらい、それと同時に実際にどれだけのカロリーを摂取しているかを計測した。
そして、消費カロリーに関しても自己申告をしてもらい、それと同時に実際の消費カロリーも計測。
このようにして「自分が考えている消費カロリーや摂取カロリーと実際の消費カロリーや摂取カロリーはどれほど違うのか?」を調べた。
その結果、実際の摂取カロリーは自己申告よりも47%も多く、消費カロリーに関しては自己申告では51%も多く見積もっていたのである。
要するに、被験者は誰もが「自分が思っている以上に食べているし、自分が思っている以上に運動していない」ことが判明したのである。
「ダイエットで食事を控えているのに痩せない。」
「運動を結構しているはずなのに痩せない。」
もしそういう風に考えているなら、実は自分が思っている以上に食べすぎていることが原因の可能性が高いのである。
それでも停滞期が続くなら、1日だけ維持カロリーに戻す
とはいえ、自分はあすけんなどのアプリでちゃんとカロリーを計算しているにも関わらず痩せない、と悩んでいる人もいるだろう。
そんなとき、痩せないのは代謝の低下が原因かも知れない。
というのも、ダイエットを長く続けていると代謝が落ちてしまうからである。
そんなときは、3日間にわたって糖質メインでややカロリー過剰になるように食事を摂るのがおすすめ。
そうすることで、ダイエットで狂ってしまったホルモンバランスが回復し、代謝も回復することがわかっている。
このことを示したのが2000年のパドヴァ大学による研究。(R)
被験者となったのは男性10人で、3日間のダイエット後に以下の条件でをリフィードをしてもらった。
- 糖質で3日間のカロリー過剰(維持カロリー+40%)
- 脂質で3日間のカロリー過剰(維持カロリー+40%)
糖質でカロリー過剰にしたときの栄養バランスは「糖質:脂質:タンパク質=64:25:11」であり、脂質でカロリー過剰にしたときの栄養バランスは「糖質:脂質:タンパク質=35:55:11」に設定。
この条件でダイエット終了後に、代謝に影響するホルモンであるレプチンの値と、実際の代謝を計測したところ、糖質でカロリー過剰にした場合はレプチンレベルが28%向上し、基礎代謝は7%上昇したことが報告されている。
一方で、脂質を食べすぎたときは何の効果も見られなかった。
ダイエットによる代謝低下で痩せない、そんなときは糖質で数日間オーバーカロリーにすることが有効なのである。
まとめ
ダイエットが停滞しているとき、まずはダイエットをしているつもりになっていないかの見直しが必要。
きちんとカロリー計算していて痩せないなら、それは代謝の低下が起きている可能性があるので、糖質で数日間カロリー過剰にするのがいいだろう。参考までにどうぞ。