「土日の休みくらいダイエットせずに食事を楽しみたい!」
休みの日に友達と食事するのが楽しみという人も多いだろう。
しかし、ダイエットをしているからと土日の外食を我慢している人も多いかもしれない。
今回は、論文から『土日はダイエットを休んでもいいワケ』をご紹介。
実は、土日はダイエットをしないことが代謝を下げず、かえってダイエットが成功するのである。
ぶっ続けダイエット vs 休日は維持カロリー
ダイエットで一ヶ月で3kg落としたい!
そう思ったとき、脂肪1kgを落とすのに9098kcal必要だとすると、1週間あたりおよそ750kcal削減する必要がある。
そして、この1週間あたりのカロリー削減の仕方によって、2パターンに分類することができる。
方法1:毎日100kcalのカロリー制限をする
ダイエットと言えば、平日も休日もぶっ続けで行うという人が多いだろう。
1日あたり100kcal減らそうと思ったら、毎日100kcalだけ食べる量を減らす。
実はこの方法には”日常的カロリー制限(daily energy restriction)”と呼ばれる名前がついている。(R)
現代のダイエットでは、かなり一般的な方法だろう。
この日常的カロリー制限には、メリットが2つある。
1つ目は、1日あたりのカロリー制限量が少なく、食べれる量が多いこと。
例えば、先ほどの一ヶ月で3kg落とす、すなわち1週間あたり750kcal削減する場合を考えてみよう。
毎日同じだけカロリーを削減するので、1日あたりの削減カロリーは
750kcal / 7日間 ≒ 100kcal
となる。
1日100kcalあたりであれば、ご飯をいつもより少なくしたり、間食を少し抑えるだけでラクに達成できる。
そこまでダイエットしているという感覚はないだろう。
そして、2つ目のメリットが”習慣化”しやすいこと。
毎日同じだけのカロリーを食べるというのは、食べる量の感覚が掴みやすく実践しやすい。
毎日カロリー制限をするほうが習慣化しやすい人もいるかもしれない。
方法2:休日は維持カロリーに戻す
一方で、休日はダイエットを休むという方法もあることはご存じだろうか?
これは”間欠的カロリー制限(Intermittent energy restriction)”と呼ばれるもので、ダイエットする日と維持カロリーを食べる日を交互に繰り返す方法。
研究でもよく用いられるのは、平日だけカロリー制限をして、休日は維持カロリーに戻すもの。
例として、先ほどと同じ一ヶ月で3kg落とす場合を考えてみよう。
1週間あたりに減らさなければいけないカロリーは
750kcal / 5日間 ≒ 150kcal
である。
先ほどの例より1日あたりのカロリー削減量は高く、ややダイエットしている感が出てしまうのがデメリット。
しかし、この休日ダイエットにはメリットもある。
まず一つ目が、休日を息抜きにすることでダイエットのモチベーションが保ちやすいこと。
これはチートデイと同じ考え方で、実際に2016年の研究では週1回の計画的な”失敗日”を作ることで、長期的なモチベーションが続きやすいことが報告されている。(R)
実際に、週末は友達や恋人、家族と食事をしたいという人も多いだろう。
そんな中、休日もダイエットをするとなると思う存分食事を楽しむことはできない。
しかし、休日は維持カロリーにすることができれば、会食を十分に楽しむことができる。
この週末を楽しみにすれば、平日のダイエットも頑張れるというもの。
そして休日に維持カロリーに戻すことは、身体面でもメリットがある。。
ダイエットを続けていくと代謝が落ちるのだが、休日に維持カロリーに戻すとこの代謝の低下が防げるのである。
週2回、カロリー制限をやめたほうが痩せた!
ということで紹介するのは南フロリダ大学が行った研究。(R)
被験者となったのは男女27人で、2つのグループに分かれてもらい7週間25%のカロリー制限をしてもらった。
- 毎日カロリー制限をするグループ
- 土日は(糖質で)維持カロリーにしたグループ
片方のグループには毎日カロリー制限をしてもらったのだが、これは一般的に行われているダイエットだろう。
そして、もう一方のグループには土日はダイエットをせずに維持カロリーにしてもらった。
この際、土日の休息日には特に糖質を多めに摂取してもらっている。
というのも糖質は特に体の代謝を上げる効果があることが知られているから。
このような背景もあって、研究者は『土日は維持カロリーに戻したほうが痩せるのではないか?』という仮説を立てたのだが、実際の結果は以下のようになった。
- 土日はダイエットを休んだグループのほうが脂肪が多く減った!( -2.8kg vs -2.3kg)
- 土日はダイエットを休んだグループのほうが筋肉の減少が抑えられた!( -0.4kg vs -1.3kg)
なんと、ダイエットを休んだグループのほうが7週間後には脂肪が減っていたのである。
この研究では、実際に土日はダイエットを休んだグループのほうが代謝が減っていなかったことが報告されている。
さらには、筋肉の減少率も土日にダイエットを休んでいたグループの圧勝。
実はこれは原因不明の現象なのだが、トレーニーでも土日の維持カロリーで70%も筋肉の分解が防止できることが報告されている。
土日はダイエットを休むことは、脂肪が落ちるし筋肉も分解されない優秀な戦略なのである。
ダイエット中の休日の過ごし方
ダイエット中における休日の過ごし方、そのおすすめの方法を紹介しよう。
食事は維持カロリーにする
まず食事面だが、維持カロリーに戻すほうが、代謝面でも精神面でもダイエットに効果的なのでおすすめ。
そして維持カロリーに戻すときは、なるべく糖質を多めに摂るように心がけるほうがいい。
しかし、この点は神経質になりすぎる必要はない。
特に友人や恋人、家族と外食をするとなると、PFCバランスは考えるのは難しいだろうし、ストレスフル。
そのような場合は、心理的メリットを最優先して、心置きなく食事の時間を楽しむのがいいだろう。
ただし、ここで一つ注意点もある。
心置きなくとはいっても、それは”チートデイ”と称してドカ食いしていいということではない。
例えば外食をするにしても、ビュッフェ形式の食事などは避けるのがベター。
あくまで休日は”維持カロリー”に戻すだけにする。
というのも、数日間維持カロリーに戻すリフィードはメリットがあっても、1日のドカ食いでは代謝は戻らない。
休日にカロリー制限をする必要は全くないが、かといっていくらでも好き放題食べていいわけではないことには注意しよう。
運動は土日をメインに行う
そして運動面だが、筋トレをする場合は土日に行うのがいいだろう。
筋トレをするとき、エネルギーとして主に使われるのは糖質。
仮に休日に糖質を多めに摂取していないにしても、普段より多くの糖質を摂っていることは間違いないだろう。
筋トレのパフォーマンス向上は、ひいては筋肥大につながるので、筋トレは休日にするのがおすすめ。(どうしても予定が組めない場合は別。)
ちなみに、2016年のメタ分析から「筋肥大をしたければ筋トレは週2回以上は行うべき」というのが現時点での結論になっているので、もちろん平日にも筋トレは入ってくるだろう。(R)
ただ、筋トレのスケジュールを組むなら土日をメインにしたほうがいい。
例えば週4日であれば”火・木・土日”であったり、週2日であれば”水・土”にする。
運動をするときはエネルギーが必要になる、普段よりカロリー摂取量の多い休日に行うことがおすすめ。
ダイエットには息抜きも重要
言うまでもなく土日はダイエットを休む方が精神的にもだいぶラクである。
どちらかといえばダイエットは頑張り過ぎている人が多い。もちろん土日には”好きなだけ”食べていいとは言わない。
しかし、ダイエットを毎日毎日頑張る必要もない。それは単に代謝を下げて筋肉を分解させるだけである。
土日に並の量の食事を楽しむくらいなら何も問題ない。参考までにどうぞ。