筋トレのとき、主な栄養として使われるのは糖質である。そんな糖質は筋肉ではグリコーゲンとして蓄えられているのだが、それでは筋トレで使われたグリコーゲンはどんな食事をとれば回復するのだろうか?
今回は、論文から『筋トレ後のグリコーゲンを回復させる食事』をご紹介。
筋トレ後に"3.2g/体重”の糖質をとれば、筋肉のグリコーゲンは完全に回復することが判明したのである。
”体重×3.2g”以上の糖質を摂っても無駄
今回紹介するのはカナダのマックマスター大学による研究。(R)
この研究では、6人の被験者を次のように2つのグループに分けた。
- 1日あたり糖質を252g摂取するグループ(およそ体重×3.2g)
- 1日あたり糖質を617g摂取するグループ(およそ体重×7.1g)
加えて、被験者にはフィットネスバイクを”1分間全力で漕ぐ⇄3分間休む”というHIITトレーニングを続けられなくなるまで行ってもらった。
厳密にはHIITと筋トレは違うが、高強度で糖質を主なエネルギー源として使うことは一緒。
このような高強度運動から回復するにはどれくらいの糖質が必要かを調べることが目的なのだが、実際にグリコーゲンを測定したところ以下のような結果に。
- どちらのグループも運動後はグリコーゲンが28%まで低下していた!
- グリコーゲンは糖質摂取後5時間ほどで急激に回復し、24時間後には運動前の状態まで完全回復していた
- どちらのグループもグリコーゲンの回復には差がなかった
運動によってグリコーゲンはほとんど枯渇したが、3.2g/体重の糖質を摂取することで次の日にはグリコーゲンは完全回復していたのである。
むしろ、7.1g/体重という大量の糖質を摂取しても、グリコーゲンの回復にとっては無駄だったらしい。
1回の筋トレから回復するための摂取量としては、ひとまず"3.2g/体重”は摂取しておけば問題ないと言えそうである。
まとめ
研究者は以下のように言っている。
高強度の運動で使われるグリコーゲンは24時間以内に完全に回復することがわかった。この期間に糖質を多く摂ったとしても、筋肉のグリコーゲン回復が促進されることはない。
つまるところ、糖質を3.2g/体重を摂取すればグリコーゲンは完全回復し、それ以上の量を摂取しても効果が増大するわけではないんだぞ、と言いたいらしい。
1日に最低限摂るべき糖質の量としては”体重×3.2g”がひとつの目安になるだろう。ぜひお試しあれ!