ボディメイク

筋トレで使い切ったグリコーゲンを回復させる食事、それは糖質”3.2g/体重”

筋トレのとき、主な栄養として使われるのは糖質。

この糖質は筋肉ではグリコーゲンとして蓄えられているのだが、それでは筋トレで使われたグリコーゲンはどんな食事で回復するのだろうか?

今回は、論文から『筋トレ後のグリコーゲンを回復させる食事』をご紹介。

筋トレ後に"3.2g/体重”の糖質をとれば、筋肉のグリコーゲンは完全に回復することが判明したのである。

グリコーゲンと推奨糖質量

知っている人も多いかもしれないが、「そもそもグリコーゲンとはなんなのか」という話を先にしておこう。

グリコーゲンというのは糖分であるグルコースが鎖状に繋がったもので、主に骨格筋や肝臓などに蓄えられている。(R

グリコーゲン

グリコーゲンは、ミトコンドリアの近くに大部分の75%が、筋繊維の間や細胞膜の下に残りが貯蔵されている。

運動時にはこのグリコーゲンが分解され、筋肉にエネルギー(糖分)が補給される。

こうして消費されるグリコーゲンだが、グリコーゲンの枯渇スピードは、運動の種類によって変わる。(R

具体的には、高強度の運動で激しく枯渇する傾向がある。

何時間もトレーニングを行うような持久系運動よりも、短時間でもスプリントなどの高強度運動のほうが、グリコーゲンは急激に枯渇するのだ。

ちなみに、この急激な枯渇の後に大量の糖質を摂ると、グリコーゲンは超回復する。

いわゆるカーボローディングである。

なので、運動量が多ければ多いほど、必要なグリコーゲンの量は多くなる。

そしてそれは、グリコーゲンの回復に必要な糖質の量も変わることを意味するのだ。

運動量による糖質の摂取目安とは

グリコーゲンは糖質が塊になったものなので、回復にはは食事からの糖質が必須。

運動量が多ければ多いほど補給すべき糖質の量は多くなり、例えば座りっぱなしで運動しない人の糖質摂取量の目安は130gとされている。(R

一方で、運動量が極めて多いアスリートでは、1日あたり体重の8~12gもの糖質が必要になる。

このように運動習慣によって、必要な糖質の量は異なる。

ということで、2018年の論文から、運動量別に必要な糖質量を紹介しよう。(R

身体活動量:低

まず、身体活動量が「低い」にあたる人たち。

ヨガやウォーキングなどをしている人が当てはまり、運動強度は”容易に歌が歌える程度”になる。

この人が食事から摂るべき糖質量は、体重あたり3-5g/kgになる。

この人たちは、特に意識せず普通の食事を摂るだけで、十分にグリコーゲンが回復する。

身体活動量:中

そして次は、運動強度が「中程度」の人たち。

1時間ほどのウォーキングやジョギングなどを行う人たちで、運動の強度は”会話は可能だが歌うことは不可能程度”になる。

これらの人々の糖質推奨量は、体重あたり”5-7g/kg”。

1日の総カロリーのおよそ50%を糖質から摂取するなど、先ほどと違い意識して糖質を多めに摂取する必要がある。

身体活動量:高

3番目は、身体活動量が「高い」に位置する人たち。

インターバルトレーニングやランニングなどの高強度運動を行う人たちで、運動強度は”簡単な会話ならかろうじて出来るくらいの程度”になる。

この人たちの糖質摂取量は、体重あたり6-10g/kgが推奨されている。

運動直後に高糖質の食事をすることで、24-36時間ほどするとグリコーゲンが回復するとされている。

身体活動量:超高

そして最後が、運動強度が「とても高い」に分類される人たち。

インターバルトレーニングやランニング、サッカーやバスケットボールなどのスポーツを最低1時間以上は行っている人たちで、運動の強度は”会話すらできない程度”のもの。

これらの人たちに推奨されている糖質量は、体重あたり8-12g/kg。

こちらも運動直後に糖質を摂り、24-36時間もするとグリコーゲンが回復する。

<糖質量>

ちなみに、運動量が多い人の推奨値とされている1日あたり10gの糖質ともなると、カロリーにして2800kcalもの量を糖質から摂取しなければいけないことになる。

とはいえ、通常レベルのトレーニングをするなら1日あたり5~6gの糖質量でも十分する主張もある。

そんなはっきりしない糖質摂取目安量だが、今回ついに1セッションあたりの筋トレなどから回復するために必要な糖質量のよいガイドラインとなる研究が出てきた。

”体重×3.2g”以上の糖質を摂っても無駄

「エクササイズ1セッションから回復するのに必要な糖質量はどれくらいなのか?」

この問題に切り込んだのがカナダのマクマスター大学による研究。(R)

この研究では、6人の被験者を次のように2つのグループに分けた。

  • 1日あたり糖質を252g摂取するグループ(およそ体重×3.2g)
  • 1日あたり糖質を617g摂取するグループ(およそ体重×7.1g)

加えて、被験者にはフィットネスバイクを”1分間全力で漕ぐ⇄3分間休む”というHIITトレーニングを続けられなくなるまで行ってもらった。

厳密にはHIITと筋トレは違うが、高強度で糖質を主なエネルギー源として使うことは一緒。

このような高強度運動から回復するにはどれくらいの糖質が必要かを調べることが目的なのだが、実際にグリコーゲンを測定したところ以下のような結果に。

  • どちらのグループも運動後はグリコーゲンが28%まで低下していた!
  • グリコーゲンは糖質摂取後5時間ほどで急激に回復し、24時間後には運動前の状態まで完全回復していた
  • どちらのグループもグリコーゲンの回復には差がなかった

運動によってグリコーゲンはほとんど枯渇したが、3.2g/体重の糖質を摂取することで次の日にはグリコーゲンは完全回復していたのである。

むしろ、7.1g/体重という大量の糖質を摂取しても、グリコーゲンの回復にとっては無駄だったらしい。

1回の筋トレから回復するための摂取量としては、ひとまず"3.2g/体重”は摂取しておけば問題ないと言えそうである。

まとめ

研究者は以下のように言っている。

高強度の運動で使われるグリコーゲンは24時間以内に完全に回復することがわかった。この期間に糖質を多く摂ったとしても、筋肉のグリコーゲン回復が促進されることはない。

つまるところ、糖質を3.2g/体重を摂取すればグリコーゲンは完全回復し、それ以上の量を摂取しても効果が増大するわけではないんだぞ、と言いたいらしい。

1日に最低限摂るべき糖質の量としては”体重×3.2g”がひとつの目安になるだろう。ぜひお試しあれ!