「ベータアラニンのサプリは筋トレに効果があるんだろうか」と疑問に思っているかもしれない。
今回は、論文から「ベータアラニンは筋トレに必須のサプリなのか?」を検証。
実は、ベータアラニンは科学の世界でも未だに効果がはっきりしないサプリなのである。
ベータアラニンは、運動のパフォーマンスを上げる
そもそもベータアラニンとは何なのか?
実はベータアラニンはアミノ酸の1種で、効果としては運動のパフォーマンスを上げることが期待されている。
というのも、ベータアラニンを摂取することで、筋肉内において乳酸を除去する役目があるカルノシンの濃度が上昇することがわかっている。(R)
なので、理論的にはベータアラニンは筋トレなどの高強度運動にメリットがあるとされている。
実際に、2012年の「ベータアラニンは運動のパフォーマンスに関係するのか?」を調べたメタ分析では、以下のようにヒトでもちゃんと効果があることが報告されている。(R)
ベータアラニンは、60秒から240秒の高強度運動において効果を発揮した!
乳酸がたくさん作られるような高強度運動のとき、ベータアラニンはトレーニングのパフォーマンスを上げるらしいのだ。
しかし、筋トレに効果があるのかは未だにわからない
短時間・高強度の運動にベータアラニンが有効だと判明したにも関わらず、実は筋トレに効果があるのかは未だに分かっていない。
というのも、極端に短時間の無酸素運動では、どうやら乳酸は疲労にはあまり関係無いらしいと報告されている。(R)
実は先ほどのメタ分析には続きがあり、「60秒未満のエクササイズではベータアラニンは効果がなかった」という報告がされている。
60秒という時間は、多くの筋トレ種目にとって越えるかどうかのギリギリライン。
ベータアラニンの研究が最近始まったこともあって、ベータアラニンの筋トレへの効果は未だにはっきりしていないのである。
可能性を追求したいなら、試してみる価値はある
じゃあどんな人にベータアラニンが向いているのか?
それは(お金に余裕もあるし)少しでも可能性を追求したい!という人だろう。そういった人はベータアラニンを試してみる価値がある。
というのも、実際に筋トレに効果があると報告した研究もあるから。
例えば2019年の研究では、20人の男性を対象に「4.8g/日のベータアラニン vs プラセボ」で8週間の筋トレをしてもらったところ以下のような結果になった。(R)
- ベータアラニンを摂取したグループのほうが、レッグプレスの1RMが向上した!(+15.2kg vs +14.7kg)
- ベータアラニンを摂取したグループのほうが、ベンチプレスの1RMが向上した!(+8.1kg vs +7kg)
ベータアラニンを摂取することで、ベンチプレスとレッグプレスでの筋力が向上したのである。
ただし、いくら結果が出たとはいえ、その上昇率は1kgほど。
よほど可能性を追求したい人以外は、そのためにお金を使うのはもったいないと感じる人がほとんどだろう。
なのでベータアラニンを推奨するつもりはないが、もしベータアラニンを試す場合は、研究で最もよく使われる「6.4g/日を4-8回に分けて摂取」という条件で摂取することをオススメする。
まとめ
ベータアラニンは、2006年に研究が始まった新参者。そのせいもあって、筋トレに効果があるかは未だにはっきりしていない。
とはいえ、効果が全否定されているわけでも無い。少しでも可能性を追求したい方は一度試してみてはいかがだろうか。
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