「ダイエット中は少しでも空腹感を抑えたい」と思うのは当然のこと。
今回は、シドニー大学による「満腹感を得られる食材ランキング」をご紹介。
合計38種類の食材について満腹感を調べたという、ダイエッター必見のナイスな研究になっている。
満腹感が得られる食べ物ベスト3
ということで、紹介するのは1995年のシドニー大学による研究。(R)
この研究では、被験者に38種類の食材を240kcal分食べてもらい、彼らの満腹度を測定した。
そして、満腹度の高い食材をランキング付けしたというもの。
まず、満腹感が高いベスト3の食材を紹介しよう。
ベスト3として、最も満腹感が高かった食材は以下の3つ。
ちなみに、食材の数値は食パンの満足感を100としたときの、各食材の満腹度を表している。
- じゃがいも :323
- 魚 :225
- オートミール:209
ダントツの1位に輝いたのはじゃがいもで、その満腹度は食パンの3.2倍。
じゃがいもはカロリー密度が結構低く、ご飯1杯分のカロリーを摂るには、じゃがいもを400gも食べなければいけない。
これが高い満腹度の原因となっているのだろう。
2位は意外なことに魚。
食パンの2.3倍もの満腹感が得られことがわかる。
あまり満腹度が得られるイメージがないが、魚は脂が多いことが原因だろう。
脂質は三大栄養素の中でも最も消化に時間がかかり、腹持ちも良い。
満腹度が高めたい人は、タンパク質源を肉から魚に変えてみるのがオススメ。
3位はダイエットしている人にお馴染みのオートミール。
満腹度は食パンの2.09倍であり、こちらもなかなかの満腹度。
オートミールはスイーツの作り方などのレシピ本も豊富なので、甘いものを食べたい人はオートミールのお菓子作りなんかに挑戦してみてもいいだろう。
満腹感が得られない食べ物ワースト3
一方で、最も満腹感が低い食材はどんなものがあるのだろうか。
満腹感が得られないワースト3の食材は以下の3つ。
- クロワッサン:47
- ケーキ :65
- ドーナツ :68
どれもパン・スイーツに属する部類で、どれも食パンの半分ほどのエネルギーしか得られないことがわかる。
そして、最も満腹度の高いじゃがいもと比較すると、じゃがいもはクロワッサンの6.8倍もの満腹感が得られる。
というのも、240kcal分というのはケーキに換算すると1ピースにも満たない。
一方で、じゃがいもであれば大きいサイズを2つも食べなければならない。
この2つで満腹度が全然違うのは、容易に想像できるだろう。
パンやスイーツは味も美味しく、食べ過ぎになりがち。
満腹度が得られないのも納得の結果だろう。
食材別!満腹感ランキング
ここからは、ジャンル別で食材の詳しい満腹感を列挙しよう。食材選びの参考にどうぞ。
パン類
- クラッカー :127
- クッキー :120
- 食パン :100
- ドーナツ :68
- ケーキ :65
- クロワッサン:47
スナック類
- ポップコーン :154
- ゼリービーンズ :118
- アイスクリーム :96
- チップス :91
- ヨーグルト :88
- ピーナッツ :84
- チョコレートバー:70
シリアル類(牛乳入り)
- オートミール :209
- オールブラン :151
- コーンフレーク:118
タンパク質
- 魚 :225
- ビーフステーキ :218
- 豆 :168
- 卵 :150
- チーズ :146
糖質
- じゃがいも :323
- 全粒パスタ :188
- 全粒パン :157
- 穀物パン :154
- 白米 :138
- 玄米 :132
- パスタ :119
- フライドポテト:116
フルーツ
- オレンジ :202
- リンゴ :197
- グレープ :162
- バナナ :118
ダイエット法による食事選び法まとめ
最後に、ダイエット法別におすすめの食材や選び方を紹介しよう。
以前の記事でも書いたが、ダイエット法は続けさえすればどんなダイエットでも成功する。
この世のダイエットは、だいたい糖質制限・脂質制限・バランス食の3つのダイエットパターンに分けられるので、今回もそのように分類しつつ、食材選びのコツを紹介しよう。
糖質制限系
まずは糖質制限系のダイエット。
満腹度の高いじゃがいもやフルーツなどは糖質量が多く食べられないことが多いので、タンパク質の取り方で工夫しよう。
上記で紹介したような食材の中でも、魚(満腹度225)やビーフステーキ(満腹度218)はかなり上位に食い込んでいる。
特に注目すべきが魚である。
糖質制限をしている人でステーキを食べている人は多いかもしれないが、魚は意識的にとらないとなかなか摂取しない。
タンパク質源として、外食時に魚を選べるときは積極的に魚を選んでみると満腹度が得やすい。
青魚に含まれるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸はダイエットにもいいので、積極的に青魚を食べるのがいいだろう。
脂質制限系
次に紹介するのは、脂質制限系のダイエット。
脂質制限系のダイエットでおすすめなのが、主食をじゃがいもに変えることである。
じゃがいもは一時期箱買いして主食にしていたのだが、白米やオートミール、さつまいもなどに比べても満腹度が桁違いに高いのでオススメ。
ただし、一つ注意点がある。
それはじゃがいもにソラニンが含まれていること。
ソラニンはじゃがいもに含まれている毒性物質で、特に皮の部分に多い。
調理をしていても皮付きじゃがいもを食べすぎると、下痢や吐き気に悩まされるので注意。
食材選びのコツとしては、外食時にはあまりパンやスイーツを食べすぎない方がいいだろう。
どうしてもこれらを食べたい人は、オートミールを減量にしておやつなどを自分で作ってみるのがいいだろう。
バランス食系
最後にバランス食系のダイエットだが、これらは上記2つのダイエットを組み合わせるのがいいだろう。
主食をじゃがいもに置き換えて、タンパク源では積極的に青魚を食べるのがおすすめ。
あとはパンやスイーツ類はオートミールで作ってみたり、満足度の高いステーキやフルーツを取り入れるといいだろう。
満腹感を得られる食事のコツはタンパク質
記事の最後に、食材選びの前にするべき、満腹感を得られるコツとなる方法を紹介しよう。
結論をズバリ言って仕舞えば、タンパク質の量がそもそも少ない人は、タンパク質の量を増やすのが満腹感を増やすには一番手っ取り早い。
というのも、タンパク質は炭水化物や脂質よりも満腹感が得られることが知られているから。(R)
しかも、その効果は急性なものにとどまらない。
つまり、腹持ちがいいのである。
また、2003年の研究では、タンパク質は糖質や脂質に比べて、食事によって誘発される熱生産が大きいことが報告されている。(R)
つまるところ、食事によって増えるカロリー消費量が多いのである。
満腹度以外にも、十分なタンパク質を確保することにはメリットが多い。
一つの目安として、”徐脂肪体重×2.3g"のタンパク質を摂取するのがいいだろう。
(もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。)
まとめ
今回は食材別の満足感ランキングを紹介した。
パンやスイーツ類は満腹度が低いので、今更ながらあまり摂りすぎないほうがいいだろう。
糖質を摂れる食材ではじゃがいも、脂質を摂れる食材では魚類がトップになる。
これらの食材を取りつつ、タンパク質の量も見直すと今よりずっと満腹感が得られるだろう。ぜひお試しあれ!