筋トレは1セットで十分?論文から1回何セットが効果的なのか検証

  • URLをコピーしました!

筋トレを1セットやるだけで効果あるわけなくね?

ようじゅ

そんなことはありません。むしろ数十年前までは筋トレ=1セットが常識でした

今でこそ筋トレは1回3セットが常識となっているが、実は「筋トレは1セットが常識。3セットやるとかアスリートでも目指してんの?」という時期があった。

ところが2010年に「1回3セットのほうが1セットよりも筋肥大する」ということが判明して今では1回3セットが主流になっているのだ。

じゃあやっぱり筋トレは1セットじゃ意味ないんだね

ようじゅ

たった1セットでも意味がなくはありません。それどころか多くの人が思っているより筋肥大効果は高いと思います

今回の記事では論文から「筋トレは1セットで十分なのか?」について検証していこう。

筋トレは1セットでも効果がある?
  • 筋トレは1セットでも十分筋肥大する
  • ただし1セットよりは3セット、3セットよりは5セットのほうが筋肥大する
  • 筋トレを何セットすべきは個人の価値観に依存する
ようじゅ

筋トレは1セットでも十分筋肥大するので、何セットやるかは時間との兼ね合いになります

筋トレは週何セットやるべきかについては「筋トレは週何セットやるべき?を論文33本から徹底的に考える」をご覧ください。

目次

「1セットより複数セットが筋肥大するのか?」を調べた2010年のメタ分析

今でこそ筋トレは1回3セットとなっているが、実は昔からこのやり方が推奨されてきたわけではない。

令和の時代に生きる私たちには意外なことに、一昔前までは筋トレは一般的に1セットやれば十分とされていたのだ。

1990年代の筋トレ事情

1993年のアメリカスポーツ医学界のガイドラインでは「筋トレは週2,3回、1回につき8-10種目を1セット」が推奨されていた。(R

ようじゅ

もちろん1回に2,3セット行っている人もいたが、それはアスリート向けといった立ち位置でした

こんな状況だったので研究者の中には「1回に2,3セット筋トレをしても1セットより効果的じゃない!」と主張する人もいたくらい。(RR

筋トレは1セットで終わらせるのがいわば常識で、2セット以上やる意味があるかは疑問視されていた時代だったのだ。

ようじゅ

ちなみにボディビルの世界ではこの頃から1回3セットが主流でした。経験的に3セットのほうが筋肥大すると知っていたのでしょう

一方で研究の世界では1セットの筋肥大を調べるのが主流で、たまに3セットなどの複数セットの筋肥大効果も徐々に調べられ始めていたと言ったかんじ。

1セットよりも3セットのほうが筋肥大するんだ!

いやいや、3セットなんて無意味!1セットよりも筋肥大はしないんだ!

あー、もうどっちが本当かわからん!メタ分析で決着つけたろ!

ということで2010年に行われたのが「複数セットは1セットよりも効果があるのか」を調べたメタ分析。(R

このメタ分析は研究者の間で議論が交わされていた「筋トレは1セットでいいのか?2,3セットやるべきなのか?」に決着をつけるべき行われたもので、抜き出された研究は全部で8件。(RRRRRRRR

どの研究も1セットと3セットの筋肥大効果を調べたものだ。

スクロールできます
研究被験者トレーニング1回あたりのセット数頻度実験期間
Galvao and Taaffe (2005)老人男女28人未経験1 vs 3週220週間
Marzolini et al. (2008)老人男女37人未経験1 vs 3週324週間
McBride et al. (2003)若者男女28人未経験1 vs 6週212週間
Munn et al. (2005)若者男女115人未経験1 vs 3週36週間
Ostrowski et al. (1997)若者男子35人経験あり1 vs 2 vs 4(3 vs 6 vs 12)週110週間
Rhea et al. (2002)若者男性18 人経験あり1 vs 3週312週間
Ronnestad et al. (2007)若者男性21人未経験1 vs 3週311週間
Strarkey et al. (1996)男女48人未経験1 vs 3週314週間
2010年のメタ分析に使われた研究8件 ※()内は筋群あたりのセット数
ようじゅ

1回あたりのセット数は”各筋群あたり”の数字です。例えば1回1セットグループであれば脚トレはスクワット1セットしかしてません

現在のように1エクササイズ3セットではなく、1筋群1セットというかなり少ないセット数であることには要注意。

ただし1997年の研究だけは1筋群あたり3つのエクササイズをしています。
※()内に各筋群あたりのセット数を記載してあります

これらの「1セットvs3セット」を比較した研究を抜き出し、セット数と筋力・筋肥大との関係性を調べたところ、結果は以下のようになった。

セット数と筋肥大(左)・筋力(右)
セット数と筋肥大(左)・筋力(右)
ようじゅ

どちらのグラフも基本的にはセット数が増えるほど効果が上がっていることがわかりますね

2010年に行われたメタ分析の結果
  • 筋肥大に関しては1回あたり1セットよりも2-3セット、2-3セットよりも4-6セットのほうが効果が高かった
  • 筋力向上に関しては1回あたり1セットよりも2-3セットのほうが効果が高かったが、2-3セットと4-6セットでは効果が同じだった

どちらの研究でもセット数が多くなるにつれて効果が上がる傾向にあったが、筋力に関しては3セットでその効果が打ち止めになった。

ようじゅ

実は筋力をつけるためには”セット数”よりも”高重量”が大事で、セット数を増やしてもあまり効果はありません

一方で筋肥大は1セットよりも2-3セット、2-3セットよりも4-6セットと量を増やすほど効果が上がった。

この研究はあくまで6セットまではセット数を増やすほど筋肥大すると示したもの。例えば10セットが6セットより筋肥大するかは不明です。現にセット数を増やしすぎて筋肥大に逆効果になった例もあります

ようじゅ

もっと言うとこのメタ分析は筋トレ未経験者を対象にした研究ばかり含まれているので、筋トレ経験者でも同じ結果になるとは限りません

筋トレは1セットで十分なのか?

2010年のメタ分析で「筋トレは1セットよりも2-3セット、2-3セットよりも4-6セットのほうが筋肥大する」とわかった。

やっぱり筋トレは3セットやらないと意味がないんだ!

ようじゅ

そう結論づけるのは早計。1セットでも効果は劣るとは言え、きちんと筋肥大します

このメタ分析の結果を今一度みてみよう。

ボリュームに対する筋肥大(左)と筋力(右)の関係
ボリュームに対する筋肥大(左)と筋力(右)の関係

1セットしか筋トレしないときの筋肥大は効果量0.24で、決して0ではない。つまり1回1セットでもいいから筋トレをすれば筋肥大はするのだ。

ようじゅ

たしかに4-6セット筋トレをしたときの効果量0.44よりは効果が少ないですが、1セットでも筋肥大します

つまり「筋トレの効果が出始めるのが1回何セットからなのか?」と問われれば、その答えは間違いなく1セットである。

今の常識で考えると、たった1つのエクササイズを1セット×週2で行っても筋肥大なんかしないように思えるかもしれない

しかし実際はそんなことはない。例えば背中のエクササイズとしてチンニングをたった1セット、週2回やっただけでも背中の筋肉は大きくなる。

ようじゅ

もちろん時間が許すなら1回6セットやったほうが筋肥大しますが、それが面倒で筋トレしないくらいなら1セットでも筋トレしたほうがいいです

まとめ

今回は「筋トレは1セットでも効果があるのか?」について検証した

筋トレは1セットでも効果がある?
  • 筋トレは各筋群あたり1回1セットでも筋肥大する
  • ただし1回1セットよりは2-3セット、2-3セットよりは4-6セットやるほうが筋肥大する
  • 筋トレを2-3セットやるのが面倒で諦めるくらいなら、1セットでもいいからやるべき
ようじゅ

忙しくてどうしても筋トレの時間が取れない!という場合は1セットでもいいから筋トレするのがオススメです

「1回あたり1セットがいいのはわかったけど、筋トレは週あたり何セットやるべきなの?

そんな方はこちらの「筋トレは週何セットやるべき?を論文33本から徹底的に考える」もあわせてチェックしてみてほしい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次