筋肥大にいい?ドロップセット法とレストポーズ法の効果を論文で解説

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筋トレをしていると一度は聞いたことがあるだろう”ドロップセット”と”レストポーズ法”。

筋トレでさらなる高みに登るための、いわゆる応用テクニック的な立ち位置にされている。

しかし、実際に効果があるのだろうか?あるいは、どんなときに使えるのだろうか?と疑問に思っている人も多いのではないか。

ということで、今回は論文から”ドロップセット法”と”レストポーズ法”に関する話。

実は、レストポーズ法はさらなる筋肥大をもたらすテクニックではなく、優秀な時短テクというのが今のところの科学界の結論になっているのである。

目次

レストポーズ法とドロップセット法、コンセプトは一緒

そもそも、レストポーズ法とドロップセット法とは何なのだろうか?

実は、この2つはコンセプトは同じ。どちらも筋肉を限界まで追い込んでから、さらに回数を重ねることで筋肉にさらなる刺激を与えよう!というもの。

その具体的な方法が少し異なるだけである。

順を追って説明していこう。

まず、レストポーズ法の具体的な方法は、読んで字の如く”一旦止まって休憩”をとるというもの。

例えば、10レップスできるギリギリの重さでベンチプレスをしているとしよう。
10レップスのベンチプレスをすると、当然疲労でそれ以上回数が重ねられなくなる。

なので、ここで20秒ほど休んで少しだけ回復させるのである。

するともうちょっとだけレップ数を重ねられるようになるので、再度限界までベンチプレスをする。

それによって、筋肉にはさらなる刺激が加えられるのである。

一方で、ドロップセットは、10レップスの重さでベンチプレスをした後、重量を少し落として、すぐに次のセットを始めるというもの。

要するに、どちらも限界まで追い込んだ後に、すぐにレップ数を重ねるテクニックになる。

やっている本人の主観的には、明らかに筋肉が疲労して追い込まれている感じがするものだが、実際に効果があるのだろうか?

レストポーズとドロップセットについて調べた論文8本

ということで、実際に従来の筋トレとレストポーズ法&ドロップセット法の筋トレ効果を比較した研究を見てみよう。

まずは、レストポーズ法とドロップセット法について、筋肥大効果を調べた研究を表にまとめた。(

レストポーズ法とドロップセットの筋肥大効果
レストポーズ法とドロップセットの筋肥大効果

結論を言ってしまうなら、どの研究を見ても従来の筋トレとドロップセット法&レストポーズ法の筋肥大効果は同じくらい。

最後にまとめた各研究の平均を見ても、従来の筋トレ4.5%に対してドロップセット&レストポーズは5.5%と、どちらのグループも同様に筋肥大していることがわかる。

話としては面白くないが、筋肥大に関してはレストポーズやドロップセットは良くも悪くもない、というのが現代科学の結論。

次に筋力を見てみよう。

これまた従来の筋トレとレストポーズ&ドロップセットを比較した研究を表にまとめた。(

レストポーズ法とドロップセットの筋力向上効果
レストポーズ法とドロップセットの筋力向上効果

筋力に関しても同様で、ほとんどの研究で、従来の筋トレとドロップセット&レストポーズを比較すると、ドロップセットやレストポーズは劣ってもいないし優れてもいない、という結果になっている。

各研究の平均も、従来の筋トレ17.4%と比較してドロップセット&レストポーズは14.9%。可もなく不可もなく、といった結果である。

要するに、従来の筋トレをしようが、ドロップセットやレストポーズを使おうが、どちらも同じように筋肥大するし筋力は向上するのである。

レストポーズやドロップセットの筋トレ効果は、従来の方法と変わらない。

しかし、一つ大きく変わるものがある。それが、筋トレにかかる”時間”である。

レストポーズとドロップセットの実践方

具体的な方法としては、レストポーズ法なら従来の筋トレ法と同じレップ数をこなし、ドロップセット法なら従来の筋トレ法と同じセット数を使うのがオーソドックスな方法。

例えば、従来の筋トレが8回3セットの2分休憩だとしたら、レストポーズでは「限界近くまで追い込んで20秒休む」というのを24レップスこなせるまで続ける。

ドロップセットはもっとわかりやすくて、限界近くまで追い込んだら、単にレップスが8回こなせるくらいの重量に落として、次のセット数に移る...というのを3セット続ける。

これらの方法は、実践してみればわかるが、従来の筋トレ法より大幅に休憩時間が削れるので、時間の節約効果がめちゃくちゃ高いのである。

実際に、2021年の「時間がない人向けトレーニング法」では、時短テクとしてレストポーズ法やドロップセット、スーパーセットが挙げられている。(R

(ちなみにスーパーセットやクラスターセットは、今後まとめる予定なのでしばしお待ちを。)

つまるところ、レストポーズ法やドロップセット法はさらなる筋肥大を目指す高等テクニックとしては使えないが、時短テクとしては非常に優秀な方法なのである。

まとめ:実践的アドバイス

最後にレストポーズとドロップセットについてまとめよう。

  • レストポーズとドロップセットは筋肥大テクではなく、優秀な時短テク
  • レストポーズ法は、従来の筋トレと同じレップ数をこなせるまで、20秒ほど休んで筋トレ、を続ける
  • ドロップセット法は、従来の筋トレと同じレップ数ができるくらいまで重量を落とし、セット数を同じだけ行う

私たちは筋トレを常に最優先にできるわけではない。生きていれば当然、どうしても筋トレする時間がない場面にぶち当たる。

そんなとき、筋トレを諦めるのではなく、ドロップセットやレストポーズで休憩時間を削りまくるのがオススメ。

実際試してみればわかるが、従来の筋トレに比べて爆速で筋トレを終わらせることができる。

あるいは、あまりに疲れてどうしても筋トレに気が乗らないときなんかも、レストポーズやドロップセットで時短するという手札を持っていると、「すぐ終わるしとりあえず行くか」と重い腰を持ち上げることができる。

レストポーズとドロップセットを使えば、10分台という爆速で筋トレを終えることも可能にも関わらず、従来の筋トレと同じ筋トレ効果が期待できる。

時間がない時の必殺技として持っておくほうがいい。是非お試しあれ!

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