「懸垂ができるようになりたけど、全然回数ができない」
もしかしたら、あなたはこんな風に悩んでいるかもしれない。
というのも、懸垂はある程度筋トレに熟練していないとできない。
とはいえ、ラットプルダウンを筋トレとして取り入れているが、懸垂は全然できるようになる気がしない、という人もいるかもしれない。
今回は、論文から「チンニングを伸ばすためのラットプルダウンのやり方」をご紹介。
実は、普通のラットプルダウンを一工夫するだけで、チンニングで使う筋肉を鍛え、懸垂ができるようになるのである。
普通のラットプルダウンではチンニングは伸びない
普段ラットプルダウンをしているのに、チンニングになると途端にできなくなる。
こういった現象に悩まされている人もいるかもしれないが、これは何も不思議なことではない。
というのも、チンニングとラットプルダウンは使う筋肉が絶妙に違うのである。
このことを示したのが、2018年のアメリカ士官学校による研究。(R)
この研究は41人の男女を対象にしたもので、被験者らに4種目の背筋トレーニングを行ってもらった。
- チンニング
- (座って行う)ラットプルダウン
- 膝をついて行うラットプルダウン
- マシン(補助付き)チンニング
そして、その際に”腹部・上腕二頭筋・僧帽筋・広背筋”の筋活動を測定した。
これは「どのエクササイズが最もチンニングの代用になるか?」を調べるためなのだが、結果は以下のようになった。(青=腹部、赤=上腕二頭筋、灰色=広背筋、黄色=僧帽筋)
まず、一番左側がラットプルダウン(PU)なのだが、一番右の補助がついたチンニング(aPU)になると、筋肉の使い方が全然異なっており、腹部は全然使われていない。
そして、左から2番目の座って行うラットプルダウン(s-LP)も、チンニングと筋肉の使い方が異なっている。
最後に左から3番目が膝をついて行うラットプルダウン(k-LP)なのだが、この方法が一番チンニングに近い筋刺激になっており、その筋活動のパターンはほとんど同じである。
実際に被験者が行ったラットプルダウンの写真は以下のようになる。
言われてみれば、チンニングの状態は胴体が垂直になっており、座って行うラットプルダウンよりこの膝付きラットプルダウンのほうがチンニングの状態に近い。
研究者も以下のように言っている。
体重の80%の重量で行う膝付きラットプルダウンは、最もチンニングに近いエクササイズである。
膝付きラットプルダウンこそが、最もチンニングと同じ筋肉の使い方をすることが判明したのである。
まとめ
一般的に行われている座って行うラットプルダウンでは、筋肉の使い方がチンニングとはまるで違う。
もし「チンニングをできるようになりたい」と思うなら、膝付きラットプルダウンでチンニングの練習をしてみてはいかがだろうか。