ダイエットのリバウンド防止に効く6つの習慣とは?ストイックさは無意味

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ダイエットで痩せることも簡単ではないが、何より難しいのがその体重をキープすること。

ダイエットで一時的に体重を落としたけど、気づいたらリバウンドしてた...という経験がある人は多いはず。

ということで、今回はリバウンドしないための方法をご紹介。

『どんな人がリバウンドしないのか?』を調べた研究から、リバウンドしないための習慣の作り方を紹介しよう。

目次

リバウンド防止に役立つ習慣とは?

リバウンド防止に役立つ習慣にはどんなものがあるだろうか?

ということでまず紹介するのは、2003年に行われた「リバウンド防止につながる習慣は?」を調べた研究。(R)

この研究では、あるダイエットプログラムに参加した1247人を対象にしたもので、ダイエット後にどんな習慣がリバウンド防止に役立っているのか?を調査したもの。

被験者はリバウンドに関係ありそうな次の8つの習慣に関する質問をされた。

習慣1:硬直的なマインド(Rigid Control)

硬直的なマインドは「0か100か」の思考のこと。

他の呼び方としては白黒思考だったり「全か無か」の思考と言われるものだ。

この思考法の特徴は体重管理や食事に関する考えが両極端なこと。

まず食べ物に関しては、食べ物を「良い\悪い」で分類している。

例えば野菜は”良い”食べ物なのでダイエット中でも食べていいが、ラーメンやスイーツなどは一切食べない。

この硬直的な思考の人は、スイーツは一日100kcalまでと決めたり、ラーメンの大盛りは禁止といったような「量を控えよう」という行動はほとんど取らない。

完全にこれらの食品を禁止するのだ。

そして少しでもジャンクフードを食べようものなら、その日は”チートデイ”となりドカ食いに走ってしまう。

ここでもダイエットする日とダイエットしない日の2択しかないのである。

このように、体重管理に関してもオンとオフがハッキリしているのが硬直的な思考の特徴になる。

これは長期的な目線であっても同じで、ストイックで厳しいダイエットをしている期間があるかと思えば、別の期間には好き放題ジャンクフードを食べていたりする。

この硬直思考は良く言えば”ストイック”で、実際にボディビルダーなどはこのような食事をしている傾向が多い。(詳しくは以下の記事参照)

現在のフィットネス界では”ストイック”と呼ばれてもてはやされるのがこの硬直思考である。

習慣2:柔軟的な思考(Flexible Control)

硬直思考とは逆の思考が柔軟思考である。

この思考はダイエットしている人にもあまり馴染みがないと思うが、最近科学の世界などでは注目されている概念。

柔軟なマインドは「多いか少ないか(more or less)」で考える。

つまり、0か100かの両極端ではなく、間にある30や80を認める考え方である。

この思考法を持った人の何よりの特徴は、体重コントロールを一生続けるものだと考えていることにある。

お菓子を一生食べないというのは無理だと分かっているので、”食べる/食べない”ではなく「1日100kcalだけ食べる」というように量を調整する。

柔軟思考の人はつい接待で飲み会となっても、チートデイだと吹っ切れてドカ食いしたりしない。

カロリーの低いお酒を選んだり、低カロリーなおつまみを中心に食べるなど、節度を持って食事をする。

このように一生続けられる努力をして、日常生活とダイエットを無理なく調和させるのが柔軟思考である。

習慣3:食事リズム(Meal Rhythm)

食事リズムとは、いつも決まったタイミングでご飯を食べるかどうかということ。

それに加えて、間食をしない事もこの項目に含まれる。

要は、規則正しい食生活を送っているかどうかを示している。

習慣4:食事状況(Food Situations)

食事状況というのは、言葉のまま「どのように食事をするか?」を表した指標。

具体的には、食事中にテレビや動画をみたりなどの他の行動をしていないかどうかを表している。

要は「食事に集中しているか(=マインドフルに食事をしているか)」というのがこの食事状況になる。

習慣5:食事の選択(Food Choice)

食事選択は、食事を選ぶときの思考を表している。

脂肪分が多い食事やスイーツを避ける傾向があり、野菜やフルーツを好んで食べる人なんかはこの指標が高くなる。

習慣6:量の制限

この指標は単純で、食べる食事の量を制限するかどうかを表している。

量を制限しているかどうかを質問票で答えたことになる。

習慣7:身体活動(Physical Activity)

日々の身体活動量に加えて、どれくらい運動しているかの指標が身体活動量になる。

立ち仕事に従事していたり、ランニングや筋トレなどの運動が多いほどこの指標が高くなる。

習慣8:ストレスへの対処(Coping with Stress)

最後の指標が、ストレスへの対処である。

この指標は主観的にどれくらいストレスを感じているかに加えて、食べることでストレスを発散する傾向があるかどうかを示している。

リバウンドに役立つ習慣と無駄な習慣

これらの習慣に関する質問を1247人に答えてもらい、どの習慣がリバウンド防止に役立っているかを調べたところ、結果は以下のようになった。

各ダイエット習慣とリバウンドの関係
各ダイエット習慣とリバウンドの関係

オッズ比というのは各習慣がどれだけリバウンド防止効果があるかを示したもので、1.2が弱い相関、2.0だと結構強めの相関となる。

結果としては、上位2つの習慣はリバウンドするかどうかにほとんど関係なく、下位6つの習慣は少なからずリバウンドするかどうかに関係していた。

そして、オッズ比が高い下の項目になるほどリバウンド防止効果が高い。

まず効果がなかったのは「量の制限」と「硬直的な思考」である。

量の制限については、「ヒトは自分が思っている50%も多くカロリーを摂取している」という研究があることから、被験者が量を制限していると回答しても実は実際には食べていた、という事態のせいでリバウンドには関係なかったのではないだろうか。

あるいは単に「ダイエット」には量の制限が必要でも、「リバウンド防止」には量の制限が必要ないのかもしれない。

リバウンドしないためには維持カロリーを食べればいいので、量を制限している感覚はないのだろう。

ストイックさはリバウンド防止に役立たない

そして肝心なマインド面では、ダイエット界隈でもてはやされるストイックさが、実はリバウンドするかどうかには一切関係なかったことがわかった。

実は、その後の研究で硬直思考はリバウンド防止になるどころか、リバウンドしやすいことが報告されている。

というのもこれは考えてみれば当たり前で、硬直思考の人はダイエットが終わった時点でオンからオフに移行してしまう。

なので今まで禁止してきたスイーツやラーメンなどを好き放題食べてしまい、リバウンドしてしまうのである。

逆に、柔軟なマインドの人はリバウンドしにくい傾向があることがわかった。

柔軟志向の人は食品を禁止したりしないので、ダイエットが終わっても好き放題食べたりすることはしない。

今まで培ってきた「程よく食べるスキル」を活かして、リバウンドを防ぐことができるのだ。

他には食事中に動画を見るのをやめたり、ストレス食いをやめたり、運動習慣をつけることもリバウンド防止に役立つことが報告されている。

複数の習慣を持っているほどリバウンドしない

そして、もう一つ、この研究では超重要なことが判明している。

それは、習慣を1つだけ身につけた人よりも、複数の習慣を身につけた人ほどリバウンドしなかったという結果。

左から習慣数・被験者数・ダイエット成功率
左から習慣数・被験者数・ダイエット成功率

習慣を1つしか身に着けていない人はリバウンドしなかった人が21.1%しかいないのに対して、良い習慣を5つ以上身に着けた人は軒並み50以上の人がリバウンドしていない。

これらの結果を見て、研究者は以下のように結論づけている。

長期的な減量を成功させるためには、個人の行動の1つを改善するだけでは不十分である。

生活スタイル全体を変えなければならない。(中略)成功率の低い被験者は、最初の1年間で行動の改善を諦め、元の行動パターンに戻ってしまう。

長期的な体重維持のためには、魔法の習慣が1つあれば良いという訳ではない。

リバウンド防止には、柔軟思考、運動習慣、ストレスへの適切な対処など、複数の良い習慣を持っていることが重要なのである。

リバウンドしたくなければ、ダイエット後1年間が勝負

そしてもう一つ、この研究ではリバウンドした人は、ダイエット終了後1年間のうちに元の食生活に戻ってしまったことが言及されている。

逆に、ダイエット後1年間さえ習慣を維持できれば。3年後もリバウンドしていなかったのである。

つまるところ、ダイエット後1年間がリバウンドするかどうかの分かれ目になる。

実は他にも2014年のリバウンド研究なんかでも同じような結果が出ている。(R

この研究では、最低でも13.6kgの減量を1年間維持した2886人を対象にして「5年後と10年後にどれだけ体重を維持しているか?」を調べたもの。

各被験者に減量した体重を申告してもらったところ、減量した体重は以下のような結果になった。

  • 0 年後   :-31.3kg
  • 5 年後   :-23.8kg
  • 10年後   :-23.1kg

まず、被験者たちは0-5年の間では7.5kgもリバウンドしているのに対して、5-10年の間では0.7kgしかリバウンドしていない。

ダイエット終了から年数が浅いほど体重が戻りやすいことがわかる。

そしてこの研究でもダイエット終了後1年間の重要性が示されている。

というのも、この研究では1年間体重を維持した人の実に87%以上が、5年後と10年後にも体重を維持していたのである。

逆に、ダイエット終了時から1年の間に

  • 運動が減る
  • 食事制限を止める
  • 体重計測の回数が低下する
  • ドカ食いをする

などの問題行動が増加した人が最もリバウンドしていた。

ダイエット終了後1年間がリバウンドするかどうかの勝負。

この1年間で元の食生活に戻ればリバウンドするし、逆にこの1年間さえ耐えれば10年後も体型をキープしている可能性が高いのである。

まとめ

今回はリバウンド防止に役立つ習慣を紹介したが、ダイエットを長期的に成功させるには秘訣は以下の3点に集約される。

  • 硬直思考ではなく柔軟思考を身に着ける
  • いい習慣を複数身に着ける
  • ダイエット終了後1年間だけはどうにか耐える

減量後1年間がリバウンドするかどうかの分かれ道。

ダイエット終了後にドカ食いしたくなる気持も分かるが、それではリバウンドしてしまう確率が高い。

ここさえ耐えれば10年後も体型をキープできる。

今ここで食べてしまいまた辛いダイエットをしたいのか、それとも今後ずっとダイエット無しで体型をキープしたいのか、自分に自問してみるのがいいだろう。

今回紹介した柔軟思考をもとにしたダイエットは、以下の無料記事で詳しく紹介している。

リバウンドしないダイエット法を知りたい人はぜひ一度読んでみることをおすすめしたい。

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