サイクルケトジェニックは効果的?論文を用いて解説!

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最近何かと流行りのケトジェニックダイエット。

そんなケトジェニックダイエットの派生版として、土日は糖質を入れるサイクルケトジェニックダイエットがある。

わりと古くからある方法で、1900年代に活躍したボディビルダー”ダン”の著書である「body opus」でも紹介されている。

なぜ土日だけ身体に糖質を入れるのか?その期待できる効果としては2つある。

これらの効果により、ケトジェニックダイエットの欠点を克服しようとしたのが、いわゆる”サイクルケト”。

では、サイクルケトは実際に効果があるのだろうか?

目次

サイクルケトジェニックはダイエットに効果があるが...

ということで、今回紹介するのは2020年の「サイクルケトジェニックダイエットは効果があるのか?」を調べた研究。(R)

被験者となったのは1年以上の筋トレ歴を持つ男性25人で、サイクルケトと従来のダイエットの2グループに分けた。

2020年の実験におけるカロリー摂取量と3大栄養素
2020年の実験におけるカロリー摂取量と3大栄養素

どちらも同じ一日500kcalのカロリー不足にして、サイクルケトは土日だけ炭水化物の比率を70%まで上げるように設定。

ちなみに、この研究ではサプリも実験期間の1週間前から禁止されている。

運動に関しては、各グループ週3ずつの有酸素運動と筋トレを実施。

筋トレは”胸・背中・脚”の3分割で1日60分、有酸素運動は中強度の運動を1日30分行っている。

この条件で8週間のダイエットをして、実験終了後に脂肪量と筋肉量を測定したところ、以下のような結果に。

  • どちらのグループも体重が減った!(ケト:-4.6kg vs ノーマル:4.5kg)
  • 従来のダイエットのほうが脂肪が減った!(ケト:-1.9kg vs ノーマル:-4.0kg)
  • 従来のダイエットのほうが筋肉を維持した!(ケト:-1.8kg vs -0.4kg)

まず、どちらも同じくらい体重が減っている。

ケトのほうが筋肉が大きく減っているように見えるが、これはたぶんケトによって水分が抜けた影響じゃないかと。

(この研究ではバイオインピーダンス法が使われている。これは家庭用体組成計で、水分の影響を特に受けやすいのは皆さんもご存知の通り。)

脂肪も従来のダイエットのほうが落ちており、サイクルケトは体組成に良い結果は残せなかった。

次に、サイクルケトが筋トレのパフォーマンスに及ぼす影響も調べられている。

  • 従来のダイエットのみがラットプルダウンとレッグプレスの重量が増加した!
  • (ラットプルダウン:70.4kg → 75.2kg、レッグプレス:127.8kg→140kg)

土日だけ糖質を入れたとしても、糖質不足による筋トレへの悪影響は回避できない模様。

ケトは脂質をエネルギーとして使う有酸素運動のパフォーマンスは上げることはあっても、糖質を主なエネルギーにしている筋トレでは有害な可能性が高い、という今までの研究と同じ結果に。

そして、もう一つ注目に値するのが、この研究ではそもそもサイクルケトグループもいわゆる”ケトーシス”に入っていないことである。

ケトグループのケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)濃度はケトグループで0.38nmol/L。

ケト開始時の0.2nmol/Lからは増加しているが、一般的にケトーシスとされる0.5nmol/Lには到達していないのである。(R)

つまるところ、土日に糖質を摂ってしまうと、いくら平日に糖質を抜いてもケトジェニックダイエットとしても機能しないのである。

サイクルケトは中途半端に終わるかもしれない

要するに、サイクルケトは糖質を抜いている分筋トレのパフォーマンスが下がる上に、脂肪も対して減らないのである。

さらにはケトーシスに入ることすらできないので、どっちつかずの中途半端な結果に終わる可能性がある。

もしケトジェニックダイエットをするなら、サイクルケトなんか使わず、ずっと糖質制限を貫いたほうが良い。お試しあれ!

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