「摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、何を食べようと太る」
これは、ある程度常識的なダイエットコミュニティでは半ば常識になっている。
高校なんかで習う”熱力学第一法則”にも則った、ある意味宇宙の真理でもある。
そんな中、ノヴァサウスイースタン大学によって「タンパク質なら食べすぎても太らないぞ!」という衝撃的な研究が登場。
なんと、タンパク質なら8週間毎日食べすぎても脂肪が増えなかったのである。
”800kcalのオーバーカロリー”を8週間続けても太らなかった
今回紹介するのは、2014年のノヴァサウスイースタン大学による研究。(R)
被験者となったのはトレーニー男女40人で、これらの人々を2つのグループに分けた。
- 維持カロリーを摂取(タンパク質は1日あたり”1.9g/kg”)
- 800kcalのオーバーカロリー(タンパク質は1日あたり”4.4g/kg”)
まず、一つ目のグループは維持カロリーを摂取。このとき、タンパク質は1日あたり”1.9g/kg”と十分な量を摂取している。
もう一方のグループには、一つ目のグループよりタンパク質を爆増させ、1日あたり800kcalのオーバーカロリーになるように設定。
こうして「タンパク質は食べすぎても太らないのか?」を調べたところ、8週間後には以下のような結果に。
- どちらも筋肉量は変わらなかった!(+1.3kg vs +1.9kg)
- どちらも脂肪量は変わらなかった!(+0.3kg vs -0.2kg)
なんと、タンパク質を8週間にわたり食べ過ぎたとしても、脂肪は全く増えなかったのである。
それどころか、タンパク質を食べ過ぎていたグループのほうが筋肉が増え脂肪が減っているようにすら見える始末。
この研究では、タンパク質を2ヶ月間食べ続けても体脂肪は増えない、という衝撃の結果になったのである。
高タンパク質なら、食べ過ぎても太らない?
研究者は以下のように言っている。
これは、トレーニング者ならタンパク質を食べ過ぎても太らないことを示した初めての研究である。今までの研究とは対照的な結果であるが、これはトレーニングの有無やタンパク質不足によるものだろう。
ちなみに、確かにこの研究は「タンパク質を食べすぎても太らないことを示した初めての研究」だが、実は今の時点でも「タンパク質なら食べすぎても太らない」ことを示した唯一の研究である。
つまるところ、タンパク質なら食べすぎても太らない、という話は確立されたものではない。
個人的には「タンパク質を食べすぎても太らない」かどうかは怪しいと思っている。参考までにどうぞ。