筋トレ前に糖質は取るべき?糖質を取ることより重要なのは気持ちだった

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「筋トレ前には糖質を取ろう!」

これは筋トレ界ではよく言われること。

というのも筋トレでは主に糖質がエネルギー源として使われる。

筋トレ前に糖質を取ることは理にかなった話なのである。

今回は、論文から『筋トレ前の糖質』について検証してみよう。

実は、トレーニング前に大事なのは糖質そのものではなく「糖質を摂ったからパフォーマンスが上がるはず」と思える気持ちが重要であることが判明したのである。

目次

筋トレ前に糖質を摂ることは無駄

筋トレに糖質が重要なのは間違いないが、筋トレ直前に糖質を摂るべきかどうかというと話が変わってくる。

というのも、筋肉に貯蔵されているグリコーゲンというのは、前日の食事で十分回復しきっている可能性が高いのである。

実際に、以前の記事でも紹介したが「3.2g/体重の糖質を摂ると、筋グリコーゲンは24時間以内に完全回復する」ということが報告されている。(R)

つまり、前回の筋トレから1日空いているならば、筋肉には十分な量のグリコーゲンが蓄えられており、筋トレ前に追加で摂取しても無意味な可能性が高いのである。

要するに、理論的に考えた場合でも「筋トレ前の糖質が重要!」とはなかなか言い切れないのである。

とはいえ、科学でも結局は”論より証拠”。実際にヒトを対象にした研究ではどうなっているのだろうか?

例えば2019年の研究では、筋トレ2時間前に糖質(というか普通の食事)を摂取したほうが、何も摂取しなかった場合と比べてベンチプレスもスクワットも成績が良かったことが報告されている。(R

ということは、やっぱり筋トレ前に糖質は摂ったほうがいい...と結論を出すのはまだ早い。

実は、この研究で違いが出た理由は”糖質を摂ったかどうか”より”糖質を摂ったことを認知したかどうか”にある可能性があるのだ。

筋トレのパフォーマンスは、マインド作りが重要

先ほどの研究で違いが出た理由は”マインド”にある可能性が高い。

『糖質を摂っていないからパフォーマンスが下がるはず...』『糖質を摂ったから重量が上がるはず!』

このような気持ちがパフォーマンスを左右したのである。

実際に、先ほどの研究では何も摂取していないグループは強い空腹感を訴えていたことが報告されている。

「何がマインドだよ、非科学的な話をしやがって」と思う人がいるかもしれないが、この話は非科学的でもなんでもない。

実際に”糖質を摂取した”という思い込みがパフォーマンスを上げることは何度も報告されている。

  • 2017年の研究;どちらかを伝えずに筋トレ前後に”56gのプロテインを摂取するグループ”と”筋トレ前後に糖質を摂取するグループ”を比較したところ、どちらもパフォーマンスが向上した。(R)
  • 2020年の研究:”糖質”と”プラセボ”を摂取したグループは、どちらも同じくらい筋トレのパフォーマンスが向上した。(R)

どちらの研究においても、糖質もプラセボも同じくらいパフォーマンスを向上させるという結果になっている。

つまり、「糖質を摂取したからパフォーマンスが上がるはず」という思い込みの力でパフォーマンスが向上したのである。

糖質そのものは筋トレに影響せず、パフォーマンスに影響するのは筋トレ前の食事によるマインドなのである。

まとめ

2020年の論文でも、筋トレ前の糖質に関しては以下のようにアドバイスされている。(R)

トレーニング前、中、後の糖質が筋トレのパフォーマンスや筋肉の合成を高める証拠はない。用心深い人は、”筋トレ開始2時間以内に糖質を含む軽食を摂ること”が賢いかもしれない。

糖質そのものが筋トレのパフォーマンスを左右することはないので、トレーニング前にとるかどうかはどっちでもいいんだとか。

現実的な問題として筋トレ直前に糖質を摂ることが難しい人も多いだろう。

そんなときは「前回の筋トレ後の食事でグリコーゲンは完全に回復している」という事実を思い出せばいい。

そうすることで、筋トレで「糖質を摂っていないからパフォーマンスが下がる」という思い込みに囚われて実際にパフォーマンスが低下することもないだろう。ぜひお試しあれ!

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