「部分痩せは無理説」はウソだった!?論文から部分痩せの実践方法を解説

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ダイエットしている人なら、誰しも痩せたい部分というのは存在するはず。

男性ならお腹周りかもしれないし、女性なら足痩せしたいと思っている人は多いだろう。

ただ、同時に多くの人は「部分痩せなんかできるわけない」とも思っている。

ということで、今回は論文から「部分痩せ」に関する話。

多くの人の予想通り、部分痩せは出来ないとする研究が多い。

しかし、実は『部分痩せができる!』ということを示した研究が一つもないかというと、そういうわけではない。

実は、ある方法を実践することで「部分痩せはできる」ということを示した論文があるので、、そこから理論と実践方法を紹介しよう。

目次

部分痩せはできない・・・?

そもそも”部分痩せ”とはなんなのだろうか?

部分痩せとはもう少し詳しくいうならば、「運動している筋肉の周りの脂肪が減少すること」を指す。

例えば腹筋をすれば腹周りの脂肪がなくなるし、足パカをすれば足周りの脂肪が痩せる、といった具合になる。

このようにエクササイズで使った筋肉の周りの脂肪がなくなることが部分痩せだが、この部分痩せは不可能とする研究が多い。

  • 1971年のテニスプレーヤーを対象にした研究では、利き腕とそうでない腕で脂肪の厚さに差はなかった!(R
  • 1979年の10名の女性を対象にした研究では、鍛えた脚と鍛えてない脚では脂肪量に差がなかった!(R
  • 2013年の研究では、27日間にわたり腹筋をした13人と何もしていない6人を非核したところ、脂肪の量に差はなかった!(R
  • 2007年の104名の男女を対象にした研究では、鍛えた腕と鍛えていない腕で脂肪の厚さに差はなかった!(R
  • 2013年の11名の男女を対象にした研究では、鍛えた脚と鍛えていない脚では脂肪量に差がなかった!(R)
  • 2011年の24名の男女を対象にした研究では、腹筋をしたグループと腹筋をしていないグループで腹周りの脂肪量に差はなかった!(R

どの研究でも、エクササイズをした筋肉とエクササイズをしていない筋肉で、周りの脂肪量変化は変わらないという結果になっている。

これらの研究が示唆しているのは、カロリー収支が同じなら脂肪減少量は同じということ。

運動時などのエネルギーが必要なときに、脂肪細胞からエネルギーが供給されるのは事実。

しかし、エネルギーはあくまで血流を通して全身の脂肪細胞から送られてくる。

決して周りの細胞から供給されているわけではないのである。

それでは部分痩せは絶対に無理なのか・・・というとそういうわけでもない。

というのも、今までの部分痩せ研究はやり方が悪いんじゃないの?という論文が出てきた。

筋トレ後に有酸素運動をしたらその部位が痩せた

ということで紹介する研究は2017年にローマ大学が行ったもの。(R)

この論文は「方法さえちゃんとすれば、部分痩せはできるのでは?」という、なかなかに挑戦的なテーマのもの。

やり方としては、研究者いわく「まずは筋トレでその筋肉周りの脂肪組織の血流を増加させる。

その後、有酸素運動で脂肪を燃やせばいいのでは?」ということらしい。

というのも、筋トレなどで収縮運動をしている筋肉の周りの皮下脂肪は、血流が増加し脂肪の運び出しが増加するという研究があるから。(R)

先程言った通り、脂肪細胞からのエネルギーというのは血流に乗って運ばれてくる。

しかし、筋トレでいくら周りの脂肪組織の血流が増えてそこから脂肪が運び出されたとしても、エネルギーとして使わなければ実は脂肪は戻ってきて再び貯蔵されてしまう。

なので、その後に有酸素運動を取り入れることで運び出された脂肪をしっかり使ってあげよう、というのが今回の研究のコンセプトになる。

  1. 筋トレで血流を上げ、筋肉の周りの脂肪からエネルギーを運び出す
  2. 有酸素運動をして、運び出されたエネルギーを使う

という2段構え。

実際に、先ほど紹介した今までの研究では”筋トレだけ”の部分痩せを調べており、今回のように有酸素運動を組み合わせていない。

ということでこのコンセプトを確かめるべく、研究者は女性16人を集め、それぞれ8人ずつのグループに分けた。

  • 上半身筋トレ→有酸素運動
  • 下半身筋トレ→有酸素運動

先ほどの理論でいけば、上半身の筋トレ後に有酸素運動をしたグループは上半身が痩せ、下半身の筋トレをした後に有酸素運動をしたグループは下半身が痩せるはず。

筋トレの内容として、上半身グループは『チェストプレス・ローイング・アームカール・サイドレイズマシン・プッシュダウンマシン』の5種目。

一方で、下半身グループは『レッグエクステンション・レッグカール・キックバックマシン・アブダクターマシン・アダクターマシン』の5種目。

筋トレ後には上半身グループは上半身周りの、下半身グループは下半身周りの血流量が増えると思われる。

その後、脂肪を燃焼するために両グループとも30分間の有酸素運動(50%VO2)をしてもらった。

被験者はこの”筋トレ→有酸素”の運動を週3で行い、食事などのその他の生活様式は変えないように指示されている。

ちなみに、アンケートを行い、食事や生活様式を変えた被験者は除外された。

そして、12週間後に各グループの上半身と下半身の脂肪量を計測した結果は以下の通り。

左から順に腕・足・腹・全身の脂肪量変化
左から順に腕・足・腹・全身の脂肪量変化

色の濃いほうが上半身グループ、色の薄いほうが下半身グループなのだが、まず一番右の全身の脂肪量(Whole body)はどちらも同じくらい減っている。

そして、ここからが本題。

なんと、各部位の脂肪減少量がグループによって全然違うのである。

上半身グループは腕の脂肪(Arms)が大幅に減り、下半身グループは足の脂肪(Legs)が大幅に減っている。

ちなみに、この研究では筋肉量の変化も測定されている。

左から順に腕・足・腹・全身の筋肉量変化
左から順に腕・足・腹・全身の筋肉量変化

上半身グループは腕(Arms)の筋肉が増え、下半身グループは足(Legs)の筋肉が増えている。

全体(Whole body)としては同じくらい筋肉が増えたよう。

筋肉量に関しては意外性がないが、脂肪量に関しては研究者の仮説通り”筋トレした部分の脂肪が優先的に減った”のである。

腹筋をした後に有酸素運動をすれば腹筋が痩せるし、脚トレをした後に有酸素運動をすれば脚が痩せる。

そんな部分痩せができる、という結果になったのである。

部分痩せの夢は不可能ではないかもしれない

今回の研究は「筋トレ直後に有酸素運動をすると、その部分が優先的に痩せる」というなかなかに衝撃的なもの。

しかも、ちゃんとしたロジックもある。

ちなみに、この研究があってもスポーツ科学の世界でも「本当の部分痩せはできるのか?」と未だに懐疑的。

というのも、冒頭で紹介した通り、今までの研究では部分痩せができないというものが多く、今回の研究がイレギュラーだから。

この方法で必ず部分痩せができるとはもちろん断言できないが、「少しでも部分痩せに望みを掛けたい!」という人は試してみる価値があるかもしれない。

例えば足痩せをしたいとき、どうせ有酸素運動をするのなら、脚の筋トレ直後にするのが賢い選択肢となるだろう。是非お試しあれ!

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