脂質を減らすローファットダイエットと糖質を減らすローカーボダイエット。
私たちが減らしたいのは脂質なので直感的にはローファットのほうが効果的に見えるかもしれない。一方で、糖質制限も今ではすっかり有名になった。
それでは糖質と脂質のどちらを減らした方が効果的なのだろうか?
今回は、論文から「糖質と脂質のダイエットスピード」に関する話。
実は、大規模な研究により脂質を減らそうが糖質を減らそうのダイエット効果には違いがないことが判明しているのである。
低糖質も低脂質もダイエット効果は変わらない
結論を先に行ってしまうと、実はローカーボだろうとローファットだろうとダイエット効果は変わらない。
というのも、どちらもカロリーを減らした分だけ脂肪が燃えるということには変わりないからである。
このことを示したのが2018年に行われた研究。(R)
被験者となった609人の肥満成人を2つのグループに分けた。
- 低脂質グループ:タンパク質21%、糖質48%、脂質29%
- 低糖質グループ:タンパク質23%、糖質30%、脂質45%
どちらも摂取カロリーを普段より400kcal~500kcalほど削減し、タンパク質量もきっちり揃えられている。
この状態で12ヶ月にわたりダイエットをしてもらったところ、以下のような結果に。
低脂質グループは-5.3kg、低糖質グループは-6.0kgであり、どちらも同じくらい体重が減っていた!
要するに、脂質を減らそうが糖質を減らそうが、不足しているカロリーが同じなら同じくらい体重が減るのである。
一つ注意するとすれば、今回は肥満者を対象にした研究だということだろう。
ボディビルダーのような痩せ型の人が最後の一絞りをするような場合は違った結果になるかもしれない。
実際に『糖質制限がしつこい脂肪を燃えやすくする』という研究もあるくらいである。
ちなみに、ここで「こんなの糖質制限じゃない!糖質をもっと減らせばダイエット効果も違うはず!」と思う人もいるかもしれない。
そんな人は以下の記事をどうぞ。極端な糖質制限であるケトジェニックであってもバランス食とダイエット効果が変わらないことがわかる。
まとめ
今回の研究では、低糖質も低脂質も減量効果は変わらないことが示された。
実際に、研究者は以下のように結論づけている。
12ヶ月の減量において、ローファットとローファットの体重変化には差がなかった。また、食事に関する遺伝型やインスリン分泌も減量効果に影響がなかった。
ローカーボとローファットでお悩みの方は、とりあえず自分が続けられそうなほうを選んでみてはいかがだろうか。