「飲酒をしたら筋トレの効果は台無しになる」
そんな風に聞いて、もしかしたら断酒すべきかどうか悩んでいるかもしれない。筋肉はつけたいけれど、お酒も好き...
今回は、そんなあなたのために「飲酒は筋トレに悪いのか?」を論文から検証。
j昔は筋トレ好きは飲酒NGとされていたが、実はビール中瓶3本もの飲酒をしても筋トレの効果はしっかり得られることが研究で判明している。
アルコールが筋肉に悪いと言われる理由は”ホルモン”
まず、そもそもお酒はなぜ筋肉に悪いと言われるのだろうか?
この話の発端は、アルコールを飲むとホルモンバランスが変わることにある。
例えば、2019年のパレルモ大学による研究では、アルコールによって以下のようなホルモン変化が起きることが報告されている。(R)
- 飲酒をしたグループは、ストレスホルモンであるコルチゾールが上昇した!
- 飲酒をしたグループは、テストステロンの値が減っていた!
筋トレ好きにはお馴染みのコルチゾールとテストステロンだが、コルチゾールは筋肉を分解し、テストステロンは筋肉の合成作用がある。
つまり、飲酒をするとコルチゾールが増えてテストステロンが減るということが判明すると、当然のように「飲酒をすると筋肉が分解される」のようなイメージを抱くようになる。
その結果、「飲酒=筋肉に悪い」と言うイメージが定着し、酒を飲むなと言われるようになったのである。
実際はお酒はたいして悪影響じゃない
理論的には筋肉に悪い可能性があるとはいえ、ヒトの体で試さないことには本当に飲酒が筋肉を分解するのかは分からない。
そして、飲酒が筋肉に悪いホルモンを増やすとはいえ、どうやら実際には悪影響はほとんどないことが確かめられている。
ヒトを対象にした研究をいくつかみてみよう。
- 2014年の研究:"体重×0.5g未満”の飲酒は、アスリートのトレーニング回復に悪影響がなかった!(R)
- 2020年の研究:男性2杯&女性1杯の飲酒をしたグループと飲酒をしなかったグループに分け10週間のトレーニングをしてもらったところ、どちらも同じくらい筋肥大した!(R)
実際にヒトで検証をしてみたところ、少なくとも1日2杯程度なら、習慣的に飲酒をしても筋トレの効果に差は見られなかったのである。
実は、先程のパレルモ大学による研究でも同じ結果が出ていることを白状しなければならない。
と言うのも、先の研究ではホルモンバランスと同時に、筋トレの効果も確かめられている。
その結果、上述のようにホルモンバランスは筋肉に不利だったが、実際の筋トレ効果はどちらも同じだったのである。
しかも、この研究では大体ビール中瓶3本程度と、結構な量のアルコール摂取である。
要するに、これだけの量の飲酒をするとホルモンバランスは確かに崩れるが、実際の筋トレ効果は変わらない。
筋トレによってしっかりと筋肥大するのである。
まとめ
アルコールは確かに筋肉に悪いようにホルモンバランスを変化させるが、実際の筋肥大への悪影響は全くない。
お酒と筋トレ、どちらを取ろうかと悩んでいた人は、あまり気にせずに飲み会を楽しむことができそうだ。