筋トレに逆効果?効果的なストレッチの順番とやり方が論文で判明

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「運動前にはストレッチをして怪我を予防しよう!」

という考えが、世間では一般的である。

しかし、こんなにも常識になっているにも関わらず「運動前のストレッチに怪我予防効果がある」というエビデンスはほとんど無い。(R

そして、スポーツ界を少し離れてボディメイク界に目を向けると、むしろここ20年くらいで「筋トレ前にストレッチをするとパフォーマンスが下がる!」ということが常識になりつつある。

しかし、ストレッチも”良い/悪い”の二極化思考で考えるべきではない。

というのも、ストレッチにはメリットもデメリットもある。

そして、ストレッチのやり方にも”良い/悪い”があるのである。

ということで、今回の記事は”ストレッチ”に関する話。

そして、毎度のことだがこの記事はトレーニーを対象にしたもの。

つまり、ストレッチが筋トレに与える影響に関する記事。それでは早速みていこう。

目次

筋トレ前に静的ストレッチをするとパフォーマンスが下がる!

一口にストレッチと言うが、その種類は大きく分けて2つある。

  • 静的ストレッチ(Static Strech) :筋肉をゆっくり伸ばすストレッチ
  • 動的ストレッチ(Dynamic Strech) :体を動かすストレッチ

静的ストレッチとは、いわば多くの人が想像するであろうストレッチである。筋肉を数十秒間伸ばしっぱなしにするもの。

一方で、動的ストレッチとは体を動かすストレッチ。

エビデンスベースの筋トレ界隈では、超軽い重量or自重で10レップ1セットを5~7種目くらいサーキットで行い全身を温めるパターンが多い。

そして、筋トレのパフォーマンスを下げるとして悪名高いのは静的ストレッチのほうである。

実際に「筋トレ前に静的ストレッチをするとパフォーマンスが下がる」を示した研究として有名なのが2000年の論文。(R

被験者となったのは男女10人で、100秒間のストレッチ後1時間におよぶ筋力を測定したもの。その測定結果は以下の通り。

ストレッチによる筋力の変化(ストレッチ直後〜1時間後)
ストレッチによる筋力の変化(ストレッチ直後〜1時間後)

当たり前だが、ストレッチをしていない条件である白バーは1時間にわたり筋力が変化していない。

注目すべきはストレッチをした条件である黒バーである。

ストレッチ直後(POST)に筋力が下がり、その後少しずつ回復してはいるが、60分後も筋力は低下したままである。

つまるところ、筋トレ直前にストレッチをすると筋力が減る=パフォーマンスが低下することが示されたのである。

そして、ストレッチの弊害は筋力にとどまらない。

なんと、レップ数とボリュームに関してもマイナス効果があることが他の研究で確かめられている。

  • 2012年の研究では、ストレッチによってレップ数とボリュームがおよそ20%ほど低下した!(R
  • 2005年の研究では、ストレッチによってレップ数が28%低下した!(R

ストレッチにより筋トレで行えるレップ数が減るので、当然ボリュームが減る。

そして、言わずもがなボリュームは筋肥大に一番重要な指標なので、筋肥大にも不利であることは容易に想像できる。

筋トレ前にストレッチをすると、発揮できる筋力や筋トレのボリュームが下がる。

さらには、スプリントや垂直跳びでもパフォーマンスを下げることが判明している。(R

こういった理由から、ここ数十年で「筋トレ前のストレッチ=悪」というイメージがボディメイク界隈では定着した。

では、なぜ筋トレ前にストレッチをするとパフォーマンスが下がるのだろうか?

ストレッチが筋トレのパフォーマンスを下げる理由あれこれ

筋トレ前にストレッチをするとパフォーマンスが下がるメカニズムは、ぶっちゃけハッキリとは解明されていない。

しかし、それなりに納得のいく説明はいくつかある。

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