「肩幅のあるスーツが似合う男になりたい!」と誰もが思っている(はず)。
ということで、今回は論文から肩トレ種目は何がベストなのか?をガッツリご紹介。
肩前部・中部・後部に効くエクササイズは何なのか?
一応確認しておくと、肩は前部・中部・後部の3つからできている。

実は、この前部・中部・後部にそれぞれ電極をブッ刺し、エクササイズさせることで筋肉の活動量である”EMG"を測ることができる。
EMGが高い種目はそれだけ筋肉が使われているということ。
EMGが高い種目さえやれば筋肥大にはokというわけではないが、たいへん参考になるのは事実。
ということで今回は肩トレに役立つEMG研究を4つピックアップ。
それでは肩前部からいってみよう!
肩前部
2013年のBottonによる論文では、以下の筋トレ8種目による肩のEMGが調べられた。(R)
・ショルダープレス
・ベンチプレス
・ペックデック
・ダンベルラテラルレイズ
・ケーブルラテラルレイズ
・リバースペックデック
・シーテッドロー
・ラットプルダウン
早速結果を見てみよう。

一番効果的なのはショルダープレスとなっている。あとはやっぱりベンチプレスなどプレス系は結構肩前部を使っている。
これは2014年の筋トレ種目10種を比較したSweeneyによる結果も同様。(R)

やはりショルダープレスがトップで、次にフロントレイズ。
肩前部はプレス系エクササイズで酷使されていることを考えるとショルダープレスを取り入ればひとまず十分と言えそう。
ちなみに2013年の研究にショルダープレスのバリエーション4種類を調べた研究がある。(R)
・スタンディングバーベルプレス
・スタンディングダンベルプレス
・シーテッドダンベルプレス
・シーテッドダンベルプレス
結果を要約すると、安定しない姿勢ほど肩の筋肉は多く使われた。具体的には、”ダンベル>バーベル”であり”スタンディング>シーテッド”だった。
例えば、座ってやる場合を考えると「ダンベル→バーベル」ではEMGが11%下がる。
そして、ダンベル同士で比べたときは「立ち→座り」ではEMGが8%下がる。しかも、スタンディングでは扱える重量が減ったのにも関わらずであ流。
つまり、肩前部の種目としてはスタンディングダンベルプレスが最強。
ダンベルスタンディングプレスが最強なのだが、この種目は構えるのが激ムズ。
なので、バリエーションはそんなに気にしなくていいかもしれない。
とにかく肩前部はショルダープレスでガンガン鍛えればok!という結論になりそう。
肩中部
次は男の肩幅を決める肩中部。男性ならちゃんと鍛えたいところ。
まずはBottonの論文から。

当たり前の結果だが、ダンベル/ケーブルラテラルレイズがトップ。
また、ルバースペックデックなどの運動でも同じくらい使われている。
Sweeneyの研究もおおむね同様で、ダンベル/ケーブルラテラルレイズが上位になっている。
そこに45°インクラインローが入っている。

45°インクラインローは、インクラインベンチに胸をつけて肘を引く感覚でダンベルを上げるもの。
試してみればわかるが、動きとしては前に傾斜し(過ぎ)たダンベルラテラルレイズに近い。
立って行うラテラルレイズと差はない。しかし、解剖学的に考えてもラテラルレイズのとき姿勢を気持ち前傾にするのは賢い選択肢と言える。
肩中部は、2020年の筋トレ4種目を比べたCamposの論文も一見の価値あり。結果は以下の通り。(R)

なんと、ショルダープレスはラテラルレイズと同レベルの刺激という結果になっている。
ショルダープレスは肩前部・中部を効率刺激できる素晴らしく有能な種目らしい。
肩中部に関しては、ショルダープレスをガッツリやってあとはラテラルレイズをやれば刺激は十分と言えそう。
肩後部
最後は肩の後ろ側。まずはBottonの論文から。

やはりローイング系の種目が上位に食い込んでいるが、圧倒的王者はリバースペックデック。
2014年のコンパウンド種目とアイソレーション種目を比べた研究でも全く同じ結論。(R)

シーテッドローやラットプルダウンでも肩後部は使われているが、やはりリバースペックデックが圧倒的。
Sweeneyの研究もリバースペックデックがないだけであとは一緒。

ダンベルリアラテラルレイズと45°インクラインローが上位になっている。
肩後部に関しては、リバースペックデックマシンがあるならそれを使っておけばOK。
まとめ
肩前部・中部・後部の優秀なエクササイズは以下のようになる。
肩前部:ショルダープレス
肩中部:ショルダープレス、ラテラルレイズ
肩後部:リバースペックデック
肩前部はプレス系でもかなり使われるし、肩後部もローイングでけっこう使われる。
オーバーワークになることを考えると、肩はこの3種目を集中してやれば十分と言えそうだ。