いま話題のマインドマッスルコネクションとは?コツは内部キュー集中にあった

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筋トレ中級者ならば一度は聞いたことがあるだろう”マインドマッスルコネクション”。

これはわかりやすく言えば「筋トレのときに筋肉の動きを意識する」というもの。

しかし、「本当に効果があるの」と疑っていたり、「やり方がよく分からない」と思っている人もいるかもしれない。

今回は、そんなマインドマッスルコネクションに関する話。

筋肥大に有効なマインドマッスルコネクションのやり方を紹介しよう。

目次

マインドマッスルコネクションとは?

そもそもマインドマッスルコネクションとは何なのだろうか?

これは筋トレのときに筋肉の収縮を意識してエクササイズを行うというもの。

  • ベンチプレスの挙上時には胸の収縮、降下時には胸の伸びを意識する
  • チンニングの挙上時には広背筋の収縮、降下時には広背筋の伸びを意識する
  • バーベルカールの挙上時には上腕二頭筋の収縮、降下時には上腕二頭筋の伸びを意識する

このように、エクササイズをするときに筋肉の収縮や伸びを意識するのがマインドマッスルコネクションである。

このように単純なマインドマッスルコネクションだが、研究で筋トレの成果を上げることが判明している。

例えば、2016年の研究にトレーニング経験のある男性18人を対象にしたものがある。(R )

この研究では被験者にベンチプレスをしてもらったのだが、大胸筋のマインドマッスルコネクションを意識したときには大胸筋、上腕三頭筋のマインドマッスルコネクションを意識したときには上腕三頭筋の筋活動が向上したことが報告されている。

他の例としては2017年の研究がある。(R

被験者となったのは筋トレ歴のある男性18人で、彼らには腕立て伏せをしてもらった。

すると、大胸筋のマインドマッスルコネクションを意識したときには大胸筋の筋活動が増加したが、上腕三頭筋ではマインドマッスルコネクションを意識しても筋活動は増加しなかったことが報告されている。

このようにマインドマッスルコネクションを意識しても必ず筋活動が上昇するとは言えない。

とはいえ、マインドマッスルコネクションは筋トレ時に筋肉の働きを意識するだけで、特別な努力はいらない。

他のことを考えるより筋活動が上がるというなら、試さない理由はないのである。

マインドマッスルコネクションで筋肉の活動量が増えた

そして、実際にマインドマッスルコネクションは筋トレ中に他のことに意識を向けるより、筋活動を増大させ筋力すら向上させることがわかっている。

ということで次に紹介するのは、2017年にエッジヒル大学が行った『アテンショナルフォーカスは脚のパフォーマンス増加につながるか?』という研究。(R)

アテンショナルフォーカスというあまり聞き馴染みのない言葉が出てきたが、要は「トレーニング中に何に意識を向けるか?」という話。

アテンショナルフォーカスには、”内部キュー集中”と”外部キュー集中”という2パターンがある。

この中でも、一般的にいうマインドマッスルコネクションにあたるのは”内部キュー集中”のほうである。

一方で外部キューというのは、筋トレをしていることに意識を向けはするのだが、その意識が体の外にある。

とはいえ、この説明だけではよく分からないので、具体例としてベンチプレスで考えてみよう。

ベンチプレスのとき、上腕三頭筋の筋肉が収集している感じを意識するのが内部キュー集中である。

一方で、バーを天井に向かって上げることに意識を向けるのが外部キュー集中になる。

この意識を内部に向けるか、外部に向けるのかをアテンショナルフォーカスという。

そして今回、研究者は「動作そのものに注目する内部キューと、動作の結果に注目する外部キューで、レッグエクステンションのパフォーマンスが変わるのでは?」という仮説を立てて実験したのだ。

被験者となったのは20人の男女で、10回のレッグエクステンションを2度行わせるというもの。

その際、被験者には内部キューと外部キューを試してもらい、レッグエクステンション時の筋力と筋肉の活動量であるEMGを測定。

アテンショナルフォーカスの方法として、内部キュー集中では、(太ももにある外側広筋の役割を説明した後)、筋トレ時には外側広筋が最大限収縮することに意識を向けてもらった。

一方で、外部キュー集中のとき、被験者はパッドを押すことに意識を向けた。

どちらも最大限の努力でレッグエクステンションをしてもらったところ、結果は以下の通り。

  • 発揮したパワーは、最大値も平均値も同じだった!
    • 最大トルク:『内部キュー集中=152.73 Nm 』vs『外部キュー集中=153.39 Nm』
    • 平均トルク:『内部集中=114.68 Nm・s』vs 『外部集中=113.66 Nm・s』
  • 筋肉の活動量(EMG)は内部キュー集中のほうが高かった!

同じパワーを発揮したにも関わらず、内部キューに集中した方がEMGが大きかったのである。

実際に太ももを構成する「大腿直筋・外側広筋・内側広筋」のEMGはこちら。

大腿直筋(左)・外側広筋(中央)・内側広筋(右)の筋活動

意識を向けた外側広筋(Vastus Lateralis)だけでなく、大腿直筋(Rectus Femoris)と内側広筋(Vastus Medialis)の筋活動も上昇し、脚全体のEMG量が上がっていることがわかる。

この研究で示されたように、一般的にはアテンショナルフォーカスと筋力には以下のような関係がある。(R)

  • 外部キューに集中すると筋肉の力を発揮する効率が上がる
  • 内部キューに集中すると筋肉の力を発揮する効率が落ちる

筋肉の力を発揮する効率が落ちるというと悪いことのように聞こえるが、筋トレにおいてはその逆である。

内部キュー集中で筋肉の力を発揮する効率が落ちるということは、同じパワーを出すのに多くの筋肉が使われるということ。

なので、内部キュー集中のほうが筋活動量が高くなり、筋トレには有利だと考えられる。

一方で、マラソンなどのスポーツ時は、外部キュー集中のほうがいい。

筋肉が効率的に力を発揮できるので、長時間にわたって運動が続く持久系運動では、パフォーマンスが上がり好成績が狙えるのである。

このようにアテンショナルフォーカスによって筋肉の効率は変わる。

エクササイズ中に筋活動を上げたいなら、内部キュー集中にあたるマインドマッスルコネクションが有利なのである。

まとめ

マインドマッスルコネクションで内部キュー集中にすると、筋肉が力を発揮する効率が落ちるので、筋肉の活動量が増える。

このマインドマッスルコネクションを実践するためには、上述した通り「筋肉がどこについているのか?」といった解剖学的な知識が必須。

なので、もし解剖学が全然分からない人は、下記のような簡単な筋トレと解剖学の本は一冊持っておくのがおすすめ。ぜひお試しあれ!

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