「なんだか最近足がつる!」
と悩んでいないだろうか。
今回は、『足がつる原因と対処法』についてご紹介。
ダイエットをしている人や健康オタクは、かえって食事や運動が極端になるため、意外とこのような”足がつる”というようなことに悩むことも多い。
足がつる原因から対処法まで、論文をもとに紹介していこう。
足が攣る原因
足がつることは、一般的に”こむら返り”ゆあ”筋痙攣”と言われる。
ここでは筋痙攣と呼ぶことにするが、原因は主に3つある。
原因その①:運動のしすぎ
まず疑うべきは、”運動のしすぎ”。
健康やダイエットに熱中するあまり、運動しすぎている可能性がある。
というのも、つりやすい部位である”足”というのは、どんなエクササイズでも使われていると言っても過言ではない。
- 脚トレ
- HIIT
- サイクリング
- ウォーキング
これに加えて、もちろん普段の移動においても足はよく使われる。
運動習慣がある人で『自分は足を酷使しているかもしれない』と少しでも思い当たる節があるなら、運動の頻度を下げてみるべし。
筋肉を使いすぎると足をつることが多く、意外と運動量を減らすだけで”足がつる”が改善されたりする。
原因その②:脱水
運動の次に疑うべきなのは”脱水”。
もしあなたが糖質制限をしているなら、むしろ脱水によって足がつっている可能性が高い
これの解決法は単純で、もちろん糖質を摂るようにするしかない。
特につりやすい足だけでなく、腕などもつるというなら、運動のしすぎというよりは脱水を疑うべきだろう。
原因その③:ミネラルバランスの乱れ
そして最後が”ミネラルバランスの乱れ”。
筋肉の収縮にはミネラルが関わっているのだが、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムのバランスが乱れると足がつることにつながる。
特に、食事に気を遣う人がハマりがちなのが『ナトリウム不足&カリウム過剰』。
具体的には”塩分の控え過ぎ”と”野菜や果物の食べ過ぎ”の組み合わせによって引き起こされる。
健康を意識している人は、ときに極端に減塩をするので、普通の人に比べてナトリウムが不足することがある。
それに加えて”野菜や果物”をたくさん食べてしまうと、カリウム過剰にもなる。
というのも、カリウムが多く含まれているのは、健康好きが大好きな”野菜や果物”だからである。
こうなると、ナトリウムが不足しているときに、ナトリウムを排泄するカリウムを過剰摂取している状態が完成するのである。
このミネラルバランスの乱れによって足がつることがあるのである。
心当たりがある人は
- 減塩しすぎてないか
- カリウムが特に多いバナナ、ブロッコリー、芋類などを食べすぎていないか
を確認しよう。
原因④:カフェインの取りすぎ
実は、カフェインというのも摂取しすぎると筋痙攣が起こりやすくなる。(詳しくは以下の記事参照)
例えば2007年の研究では、54歳の男性にカフェインの摂取を控えてもらったところ、ふくらはぎがつらなくなったことが報告されている。
可能性としてはあまり高くないかもしれないが、可能性がゼロなわけではない。
以上の原因のどれも絶対に当てはまらない、という人は、カフェインの摂取量を見直してみるのがいいだろう。
筋痙攣に悩んだら
足がつってしまう原因を色々と列挙したが、実は未だにはっきりとした原因は不明。
なので、対処法や治療法も確立されていないのが現状。
とはいえ、足がつることに悩んでいる人の治療法や予防法が全く提唱されていないわけではない。
今回は2019年の論文から、足がつることの治療や予防に聞く方法を紹介しよう。(R)
対処法①塩分を摂取する
まず一つ目の方法は、単純に塩分を摂取することである。
足がつってしまうとき、先ほども話した通り体の電解質バランスが崩れている可能性がある。
特に汗をかく時期などは塩分が体から失われてしまうので、塩分を補うのがいいだろう。
実際に、1920年代と1930年代に行われた建設労働者などを対象にした研究がある。(R)
この研究では、塩分が含まれた水や塩タブレットを被験者に投与したところ、筋痙攣の発生率が大幅に減ったことが報告されている。
発汗による電解質の乱れは、足がつる原因の一部としてよく挙げられる要素。
夏場に汗をよくかく人などは塩分が含まれたスポーツや塩分チャージのタブレットを飲むのがいいだろう。
対処法②サウナに行きすぎない
もう一つの対処法、それはサウナに行くことを止めること。
というのも、発汗による脱水は足がつる原因になる。
そして、脱水状況を作る要因の一つが、サウナである。
実際に2004年の20名の被験者を対象にした研究では、サウナによって3%の脱水が起こると、筋痙攣が起きやすくなったことが報告されている。(R)
現在話題沸騰中のサウナだが、もし足がつることに悩んでいるなら行くのは控えたほうがいいかもしれない。
対処法③運動量を下げる
筋痙攣の原因の一つとして挙げられているのが、筋肉の疲労。
ランニングが趣味だったりして足を酷使している場合、足を使うような激しい運動の量を少し落とすと、筋痙攣は改善する。
例えば1996年のマラソンランナーを対象にした研究では、2つの場合に筋痙攣が起こりやすいことが報告されている。(R)
- マラソンランナーはレースの後半で筋痙攣を起こしやすい
- 普段の練習でのペースより速いペースで走ったランナーは筋痙攣を起こしやすい
まず、筋痙攣は足に疲労が蓄積するレース後半で起こりやすい。
そして、いつも以上の負荷をかけたランナーが、筋痙攣を起こしやすかった。
ランニングが好きな人は、往々にして運動量が多すぎる。
心当たりがある人は、まずは運動量を減らすことを考えたほうがいい。
そして、運動量が多くなくても「ランニングをしている」「これからはじめる」という人は、急激に距離を増やしたり、ペースをあげたりすることはやめるのが無難。
筋肉にいつも以上の負荷を急激にかけてしまうと、筋痙攣が起きやすくなる。
トレーニング量を増やすときは、徐々に増やすのがいいだろう。
対処法④ストレッチをする
実は先ほどの1996年の研究では、筋痙攣のリスク因子として「1日のストレッチ時間が短いこと」と「ストレッチ習慣が不規則なこと」も挙げられている。
つまり、ストレッチをする人のほうが筋痙攣を引き起こさない。
実際に筋痙攣を起こした場合の対処法として、ストレッチが一番有効であるとする研究者も複数いる。(R,R)
ストレッチで筋痙攣を改善できるかどうかは議論の余地もあるが、お金も時間もかからない方法なので、筋痙攣に悩んでいる人にとって一度試してみる価値はあるだろう。
筋痙攣に悩んでいるなら、全部試してみる
上にあげたような筋痙攣の治療法や予防法は、どれも簡単でお金もかからないものばかり。
筋痙攣に悩んでいる場合は、心当たりがあるものは全て試してみるのがおすすめ。
それでも治らない場合は、カフェインの摂取を控えるようにしてみるのがいいだろう。
まとめ
今回は『足がつる原因と対処法』についてまとめた。最後にもう一度、原因と対処法を確認しておこう。
- 原因①:足の使いすぎ
- 原因②:脱水
- 原因③ミネラルバランスの乱れ
- 対処法①:塩分を摂取する
- 対処法②:サウナを控える
- 対処法③:運動量を減らす
- 対処法④:ストレッチをする
- 対処法⑤:カフェインの摂取を減らす
足がつって困っている方は、一度これらの対処法を試してみてはいかがだろうか。
それでも改善されない場合は、一人で悩まず病院に行くのがいいだろう。ぜひお試しあれ!