「筋トレって週に何回やればいいの?」
これは筋トレを始めたときに誰もがぶつかる疑問だろう。
ということで、今回はセントラルミズーリ大学などの研究から「同じ筋肉は週に何回鍛えるのがベストなのか?」という話。
実は、筋トレの頻度自体はそこまで筋肥大に影響しないことが判明しているのである。
筋トレの頻度そのものは筋肥大に影響しない
筋トレの頻度については、実はそこまで筋肥大に影響しないということがわかっている。
というのも、筋トレで一番筋肥大に効いてくるのはボリューム。
このボリュームが同じなら、筋肉は同じように育つことがわかっているのである。
このことを示した例に、2016年のセントラルミズーリ大学の研究がある。(R)
被験者となったのは男女19人で、2つのグループに分かれて8週間の筋トレをしてもらった。
- 全身の筋トレを週に3回行うグループ(頻度が週3回)
- 筋トレを3分割法で行うグループ(頻度が週1回)
どちらも、筋トレのこなしたセット数は同じである。
一方のグループは全身トレーニングを週3回行ったのに対して、もう一方のグループは全身を「プッシュ・プル・レッグス」の3分割法で鍛えた。
この条件で「筋トレの頻度は筋肥大に影響を与えるのか?」を調べたところ、8週間の実験終了後には以下のような結果になった。
- どちらも同じくらい筋肥大した!(週3回:+1.9% vs 週1回:+2.0%)
どちらも同じくらい筋力が増えた!(週3回:+21% vs 週1回:+24%)
週1でも週3でも、筋トレのボリュームを揃えたら、高頻度も低頻度も同じくらい筋肥大するという結果に。
2016年のメタ分析でも結果は概ね同じで、ボリュームが同じなら、筋トレの頻度は週2回以上ならば何回であっても筋肥大効果は変わらないという結論になっている。(R)
この研究とは違うところは、週1回だけだとさすがに少ないということである。
現段階では、筋肥大したければ週2回以上は筋トレすればなんでもOKということになる。
現実的には、高頻度のほうが筋肥大する
しかし、ボリュームを揃えたら筋トレの頻度は筋肥大に影響しないというなら、逆に意図的にボリュームを揃えなかったらどうなのだろうか?
実は、現実的には高頻度にするほど筋トレのボリュームが増え、筋肥大もしやすい傾向がある。
実際に先ほどのメタ分析では、以下のような結論も導き出されている。
高頻度のほうが筋トレのボリュームが増える傾向がため、結果的に筋肉がより大きくなる傾向があった!
研究の中では、頻度の影響を調べたいのであえてボリュームを揃えることが多い。
しかし、現実の世界では「いかに楽に筋トレのボリュームを増やすか?」が死活問題。
実際には高頻度にするほど筋トレのボリュームは自然に上がり、筋肥大にも有利という結果になったのである。
高頻度はオーバートレーニングに注意!
しかし、高頻度が常に最良の選択肢か、というとそういうわけでもない。
というのも、筋トレからの回復力が低い人が高頻度にすると、ボリュームが増えすぎてむしろオーバートレーニングになってしまうことがあるから。
このことを示した例が、2019年に行われた研究。(R)
被験者となったのは男性20人で、彼らに片足レッグエクステンションを8週間行ってもらった。
その際、被験者の片足は週2,3回のトレーニング、もう片方の足は週に5回のトレーニングをしてもらった。
つまり、片足だけ高頻度トレーニングをしてもらったのである。
この条件で「筋トレの頻度で筋肥大は異なるか?」を調べたところ、以下のような結果に。
- どの被験者も、高頻度でトレーニングした足のほうがトレーニングのボリュームが大きかった!
- 31.6%の人は高頻度のほうが筋肥大したのに対して、36.8%の人が低頻度のほうが筋肥大した!
- 31.6%の人はどちらも同じくらい筋肥大した!
まず、どの被験者も高頻度でトレーニングした足のほうが筋トレのボリュームが高いという結果に。
これは先ほどのメタ分析にあった「頻度が増えるほどボリュームが増える傾向にあった」という結果とも一致する。
しかし、高頻度のほうがボリュームが増えたので筋肥大もしたかというと、そういうわけではない。
およそ1/3の人は確かに高頻度(=高ボリューム)で筋肥大したが、1/3の人は低頻度(=低ボリューム)のほうが筋肥大したのである。
そして、残り1/3はどちらでも変わらなかった。
つまるところ、高頻度トレーニングでボリュームは確かに増えるが、人によってはそれはオーバートレーニングを意味するのである。
まとめ
今回は「筋肉は週に何回鍛えるべきなのか?」について紹介した。
現段階では週2回以上は鍛えたほうがいいとはいえるが、それ以上のことは断言できない。頻度はボリューム操作の手段として考えるのがいいだろう。
そして、筋トレのボリューム操作は以下の記事に詳しくまとめているので、もっと知りたい人はぜひ下記リンクから読んでほしい。是非お試しあれ!