「カロリー計算がめんどくさい!」
「カロリー制限なしでダイエットしたい!」
カロリー制限は効率良く痩せられるとはいえ、めんどくさいのも事実。
毎日のようにカロリー計算をしているからこそ、面倒な気持ちがよくわかる。
ということで、今回は論文から「カロリー制限なしで自然と痩せる方法」をご紹介。
カロリー計算をしなくても、自然と食べる量が減る方法を紹介していこう。
「満腹まで食べない」より「空腹のときだけ食べる」が最強
「空腹を感じてから食べる」だけで体重が減った
カロリー計算なしで痩せる方法のヒントは、実はダイエット界隈でよく言われるアドバイスに隠されている。
- 食べる量は腹八分目にすること
- 本当にお腹が空いたときだけ食べること
残念ながら「腹八分目で抑えよう」と誓うことにはダイエット効果はない。
しかし、実は「本当にお腹が空いたときだけ食べる」戦略はダイエットに効果的なことがわかっている。
このことは2013年の研究によって示された。(R)
この論文は「空腹を正しく認識するだけで痩せるのでは?」といった内容のもの。
現代人の多くは空腹感ではなく「ランチの時間だから」といったような外的刺激によって食事をしている。
空腹でもないのに食べるのをやめるだけで食べる量は自然と減るのではないか、と研究者は仮説を立てたのだ。
実際に空腹を認識するために使われたアプローチは2つ。
- 満腹まで食べない
- 本当にお腹が空いたときだけ食べる
結果としては、満腹まで食べないというアプローチは体重の減少には繋がらなかった。
一方で空腹感を感じてから食べるようにトレーニングされた被験者は、3カ月でBMIが28.7から26.5に減少した。
このとき、被験者はカロリー計算をしていないどころかダイエットすらしていない。
つまり、被験者たちはカロリー計算もなしで体重が落ちたのだ。
空腹を感じてから食べる意識をすると満腹まで食べなくなる
それではなぜ満腹まで食べないは体重が減らず、空腹を感じてから食べるは体重が減るのだろうか。
この研究では、「空腹になってから食べる」ようにすると、被験者が自発的に食事量を腹八分目に抑えたことが報告されている。
研究者曰く、「次の食事でちゃんとお腹が空くように食べる量を調整した」ということらしい。
つまり「満腹まで食べるな」では達成できなかった腹八分目が、「空腹を感じてから食べる」では実践できたのだ。
このような事態になった理由は、回避目標と接近目標というアプローチの違いにある。
- 回避目標:〇〇しない
- 接近目標:〇〇する
実は目標達成の世界では、回避目標よりも接近目標のほうが効果的なことがわかっている。
例えば2020年の新年の抱負を調べた研究では、接近目標を立てたヒトの58.9%が目標を達成した。
一方で、回避目標を立てた人は47.1%しか目標を達成できなかった。
ヒトは〇〇するなと言われると、途端にしたくなるもの。
「満腹まで食べない」という回避目標では痩せないが、「空腹まで食べる」という接近目標を設定することで痩せられるのだ。
カロリー計算なしでも接近目標で痩せる
「お菓子を食べない」ではなく「野菜を食べる」
回避目標ではなく接近目標を立てる。
実は、この考え方はカロリー計算なしのダイエットでは特に重要になってくる。
カロリー計算しないで痩せようと思ったとき、「とりあえずお菓子をやめよう」「ラーメンを食べないようにしよう」と考える人がいる。
しかし、こういった回避目標はやはり効果がないことがわかっている。
例えば2017年の研究では、被験者に「高カロリー食品を減らすように」という指示したところ、6ヶ月後も体重が減っていなかったことが報告されている。(R)
一方で、被験者に「低カロリー食品を増やすように」と指示したところ、今度は自然と食べる量が減って体重も減ったことが報告されている。
この研究でも回避目標にはダイエット効果が見られず、体重減少につながったのは接近目標だった。
カロリー計算なしで痩せたいなら、「お菓子を食べない」よりも「野菜をたくさん食べる」という目標を立てるべきなのだ。
食欲は闘うのではなく受け入れること
- 空腹を感じてから食べる
- 野菜をたくさん食べる
これらの接近目標は論文でも効果が実証されている。
実践すれば自然と食べる量が減り、カロリー計算なしでも体重が落ちる可能性が高いだろう。
ここでもう一つ、カロリー計算なしでダイエットするときに使える戦略を紹介しておこう。
それがつい「お菓子を食べたい!」と思ったときの対処法である。
大前提として「〇〇しない」という回避目標はうまくいかないことが散々わかっているので、お菓子を食べるなと言っているわけでない。
実際に当サイトでは食品を制限しないフレキシブルダイエットを推奨している。
しかし「なんだかお菓子が食べたいな」と思ったとき、「今日は我慢しよう」と食べないで済むならそれに越したことはない。
このようなときの間違った対処法は、「お菓子のことなんて考えないようにしよう」とすることである。
実はこれは逆効果で、禁止しようとするほど逆に消費量が増えてしまうことが知られている。
これはリバウンドと呼ばれるもので、例えば2008年の研究では「チョコレートを食べることを考えないように」と指示したところ、何も言わない場合よりも被験者のチョコレート消費量が増えたことが報告されている。(R)
それでは「お菓子を食べたい」という気持にどのように対処するのが正解なのだろうか。
答えは「ジャンクフードを食べたい」という気持ちを素直に受け入れること。
”食欲”は戦えば戦うほどリバウンド効果の餌食になる。
本当に必要なのは食欲を受け入れることなのだ。
「何をバカなことを」と思うかもしれないが、実際に2016年の研究では食欲を受け入れるように指示したところ被験者はより体重を落としたことが報告されている。(R)
直感的には「お菓子のことは考えないようにしよう」と意識したほうが痩せそうに思えるかもしれない。
しかし実際は逆で、「お菓子のことを考えないようにしよう」と考えれば考えるほど、リバウンド効果でお菓子の消費量が増えるだけ。
食欲に負けてつい食べ過ぎてしまった...こんな経験を減らしたければ食欲は闘うのではなく受け入れるのが最善なのだ。
まとめ
今回は「カロリー制限なしのダイエット法」についてまとめた。
- 空腹を感じてから食べる
- 野菜の量を増やす
- 食欲は戦わず受け入れる
食欲を受け入れることで爆食いを防ぎつつ、「空腹を感じてから食べる」「野菜をたくさん食べる」という接近目標を立てるのがいいだろう。
これで自然と食べる量が減って、カロリー計算なしでも痩せる可能性は高い。
今回はカロリー制限なしのダイエットを紹介したが、「最短で結果を出したい!」と言う人にはやはりカロリー計算がおすすめ。
以下の記事では「簡単に効果的なカロリー計算ができるツール」も紹介しているので、「効果のでるダイエットがしたい!」という人は、こちらも検討してみてほしい。