「立ち仕事の消費カロリーはどれくらいなのだろう?」
「立ち仕事とオフィスワークでは消費カロリーはどれくらい違うのだろうか?」
正社員ならいざしらず、バイトであればダイエットのためにも立ち仕事を選ぶ人もいるだろう。
今回では、論文から「仕事別のカロリー消費量」をご紹介。
実は立ち仕事は、意識的にジムなどで運動するよりもずっと多くのカロリーを消費できることが判明している。
運動によるカロリー消費は全体の5%にも満たない
結論を先に言うと、実は仕事内容によって1日の消費カロリーが桁違いになる。
というのも、実はヒトの消費カロリーのうち、ジムなどで行われるいわゆる”運動”が占める割合は微々たるものでしかない。
ほとんどのカロリー消費は基礎代謝(BMR)、またはNEATと呼ばれる運動以外の活動によるものだからだ。(R)
一番多くを占めるのは横になっているだけでも消費するカロリーである基礎代謝(BMR)で、その値は1日の消費カロリー(TDEE)の70%にもわたる。
次に割合が大きいのがNEAT。
これは”Non Exercise Activity Thermogenesis”のことで、直訳するならば「運動以外の活動による熱生産」になる。
普段学校や会社に通ったり、家事をしたりするときに消費されるカロリーで、こちらは全体の15%ほどを占める。
そして3番目が"TEF(Thermic effect of food)”で、こちらは食べ物を消化するのに使うカロリーのこと。
こちらは1日あたりに使うカロリーの10%ほどを占めている。
そして最後が筋トレやランニングなどの運動による消費カロリーである”EAT(Exercise Activity Thermogenesis)”で、全体に占める割合はたったの5%。
運動によるカロリーが1日の消費カロリーに占める割合はとても小さく、ほとんどは基礎代謝やNEATによって占められている。
運動を頑張るよりもNEATを大きく左右する日常生活を変えるほうが、1日の消費カロリーに大きな影響を与えるのだ。
ショップ店員とオフィスワーカーは、1日の消費カロリーが"700kcal”も違う
そしてNEATに大きな影響を与えるのが”仕事内容”である。
当たり前ながら座りっぱなしのオフィスワーカーよりも立って接客するショップ店員のほうが消費カロリーが大きい。
そして立って店内を動き回るだけのショップ店員よりも、重労働の農業などはさらにカロリー消費が大きい。
それでは実際に「仕事内容によってNEATはどれくらい変わるのか?」を調べた研究が2018年に行われている。(R)
この研究は、身体活動料によって仕事内容を5つに分類している。
- 重労働の仕事(例:農業)
- 立ち仕事(例:主婦、ショップ店員)
- たまに動く座り仕事(例:営業職など)
- ほとんど動かない座り仕事(例:事務職など)
- 椅子に縛り付けられている状態
そしてそれぞれの仕事におけるNEATがどれくらいなのかを調べたところ、以下のような結果に。
まず基本的に座っていることが多い職種では、NEATは1日あたり700kcal。
それが立ち仕事になると、NEATは途端に1400kcalまで跳ね上がる。
そして農業などの重労働となるとその値は2000kcal以上まで跳ね上がる。
オフィスワーカーを基準とすると、ショップ店員なら1日+700kcal、農業や引越しなどの仕事なら1日+1300kcalにもなる。
ちなみに700kcalを実際に運動で消費しようと思ったら、ウォーキングであれば3時間は行わなければいけない。
仕事内容を立ち仕事に変えるだけで、莫大なカロリー消費になるのである。
立ち仕事はカロリー消費が大きい
今回は「立ち仕事の消費カロリー」についてまとめた。
事務仕事ならNEATが700kcal程度なのに対して、ショップ店員などの総仕事量なら1日1400kcal、農業などの重労働であれば2000kcalを越える。
仕事内容が違うだけでも、1日の消費カロリーは大きく違う。
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