サバなどに含まれるオメガ3は体に良い、ということを知っている人は多いだろう。
実はオメガ3はフィットネスの世界でもわりと効果が実証されている良質な油で、例えばオメガ3がタンパク質合成を刺激する(R)とか、ウエストが細くなる(R)みたいな研究がある。
そして、実は筋トレにも効果があると言うエビデンスもある。
今回はそんなオメガ3がダイエットや筋トレに及ぼす効果を調べた研究を紹介しよう。
そもそもオメガ3とは何なのか
そもそもオメガ3とは何なのか?
これは言わずと知れた脂肪酸の一種。
脂肪酸というのは”飽和脂肪酸”と”不飽和脂肪酸”に含まれるのだが、その中でもオメガ3は”不飽和脂肪酸”に分類される。(R)
飽和脂肪酸というのは上4つの脂肪酸で、分子構造中に二重結合(=)を含まない脂肪酸。
一方で、それ以外の二重結合を含む脂肪酸は”不飽和脂肪酸”と呼ばれ、一番左から何番目に最初の二重結合が出てくるかで「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」という3種類に分類される。
オメガ6のリノール酸はサラダ油に、オメガ9のオレイン酸はオリーブオイルなどに含まれ、オメガ3のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は青魚などの食品によく含まれる脂肪酸。
魚には健康的なイメージがある人も多いと思うが、実際に今までの研究でオメガ3脂肪酸は高血圧や糖尿病、脳神経系など様々な病気にメリットがあるとされている(R)
健康に良い成分としてすっかり定着したDHAやEPAだが、実はダイエットや筋トレにも効果があるかもしれない
オメガ3サプリで体組成が改善し筋力が上がった
ということで、今回紹介するのは2015年に行われた研究。(R)
「オメガ3サプリメントでトレーニーの体組成と筋トレのパフォーマンスが上がるか?」を調べたもので、被験者となったのはトレーニング歴のある男性15人。
年齢23歳前後の健康体型であり、被験者はランダムに2つのグループに分けられた。
- オメガ3サプリ(EPA200mg + DHA150mg)を1日4回摂取
- プラセボ(ベニバナ油)を1日4回摂取
オメガ3グループはカプセルで1日あたりEPA800mgとDHA600mgを摂取。これはサバでいうと1/4切れくらいの量。(R)
一方で、プラセボグループにはベニバナ油のカプセルを摂取してもらった。
もちろん被験者はどちらのグループになったかは知らされていない。プラセボ効果を避けるためである。
筋トレに関しては、参加者には特に指導はしていない。
はっきりしているのは各自週2〜4回のトレーニングをしていたことである。
4週間後に体組成を調べたところ、結果は以下の通り。
まず左側の脂肪量を見てみると、オメガ3グループ(ピンク)は-1.0kgとわずかながらベースラインに比べて体脂肪が減っている。
一方でプラセボグループ(黒色)は-0.6kgと実験前に比べ脂肪は減っていない。
右側の筋肉量を見てみると、オメガ3グループは+2.0kgと増加しているのに対し、プラセボグループは+0.9kgとこちらも変化なし。
次に見るのは筋力の測定結果。グループ毎にスクワットの1RMを測定したところ図のようになった。
オメガ3グループはスクワットで持ち上げられる重量が+14kgと増加したのに対し、プラセボグループは±0.0kgとこれまた全く変化なし。
つまるところ、オメガ3を摂取したグループは脂肪が減り筋肉が増え、筋力も増加すると言う結果になったのである。
まとめ
オメガ3が体型を改善したり筋トレに効果的な理由は、ぶっちゃけ言うとよく分かっていない。
しかし、今回のようにオメガ3の摂取でポジティブな結果が出た研究も多く、少なくとも体型を悪化させたり筋トレの悪影響になることは無い。
ダイエット中は意識してオメガ3を摂取するがおすすめ。ぜひお試しあれ!