ダイエットがうまくいかない。
もしかしたらそれは、ダイエットの頑張りすぎが原因かもしれない。
今回は「ボディビルダーの勝敗を分けるのは何なのか?」を調べた研究をご紹介。
究極のダイエットに挑んでいる人々であるボディビルダーを調べたところ、勝てない選手ほどダイエットを頑張り過ぎていることが判明したのである。
ダイエット中でもカロリーをちゃんと取れ!糖質を減らすな!
今回紹介するのは2018年の研究。(R)
研究の対象となったのは男女51人のイギリス人ボディビルダーで、トップ5に入賞する選手とそうでない選手は何が違うのか、を調べたもの。
選手たちのダイエットの実態を調査したところ、勝てるボディビルダーと勝てないボディビルダーの食事内容は次のようになっていた。(数値は体重あたり)
トップビルダー | 勝てないビルダー | |
---|---|---|
カロリー | 38.2 kcal | 32.6 kcal |
プロテイン | 3.0 g | 2.7 g |
脂質 | 0.8 g | 0.9 g |
糖質 | 5.1 g | 3.7 g |
勝てるボディビルダーのほうがストイックなダイエットをしているのかと思いきや、実態は真逆。
筋肉を落とさず脂肪を落とす、そんな究極なダイエットを成功させる人ほどカロリーと糖質をきちんと摂取していることが判明したのである。
カロリーはトップビルダーのほうが1日あたり420kcal多い
まずはカロリーだが、体重あたりの数値では分かりづらいので体重75kgの人で具体的に考えてみよう。
この例を先ほどの結果にあてはめると、トップビルダーのほうが1日あたりの摂取カロリー量は420kcalも多い。
これは減量ペースとしてはおよそ”週あたり-0.46%/体重”。
逆に、勝てないボディビルダーはこれ以上にカロリーを削減してしているのだが、これこそがダイエット失敗の原因だろうと研究者は推測している。
”週あたり0.46%の減量”というゆっくりの減量ペースが、トップビルダーが入賞できない選手より筋肉を多く維持できた理由だと考えられる。
つまるところ、勝てないボディビルダーはカロリーを削減しすぎてしまっており、それによって筋肉が分解しまう。
なので、結果としてダイエットも失敗に終わってしまうのである。
糖質はトップビルダーのほうが1日あたり105g多い
そして、3大栄養素の中で特に差が出たのは糖質である。
75kgのヒトで考えると、糖質はトップビルダーのほうが1日あたり105g多い計算になります。
たったこれだけの量なんか誤差でしょ、と侮ることなかれ。
糖質は筋トレをするときの主な栄養源なので、この少しの量が大きな違いにつながるのである。
実際に研究者は以下のように言っている。
この糖質の違いは、決して”取るに足らない量”ではない。中程度のトレーニングでさえ、筋肉のグリコーゲンを24%から84%も消費する。さらには、たった15gの糖質でも筋トレのパフォーマンスを上げる可能性があるのである。
そこまでキツくないトレーニングですら筋肉にあるグリコーゲンは大量消費される。
糖質を削減しすぎることはトレーニングから回復できず、結果として筋肉が分解されてダイエットが失敗することにつながるのである。
カロリーを減らし過ぎ、糖質を減らし過ぎに御用心
ダイエットが失敗する理由は、頑張っていないからではない。多くの人が無駄に頑張りすぎなのである。
週に体重の0.46%しか脂肪が減らないというのは、ヒトによっては少なすぎると思うかもしれない。
しかし、早く痩せたいと思ってカロリーを削減しても、体から減るのは脂肪ではなく筋肉である。
ダイエットにいつも失敗してしまうという人は、一度カロリーを見直してみてはいかがだろうか。参考までにどうぞ。