燃え尽きって何?
どうすればバーンアウトせずに仕事に熱中できるの?
今回はそんな人のためにバーンアウトと、仕事に集中している状態であるワークエンゲージメントについて紹介します
バーンアウトとワークエンゲージメントの概念
日本ではバーンアウトが有名ですが、バーンアウトの対となる重要な概念がワークエンゲージメントです
バーンアウトとは
バーンアウトは1970年に研究者が徐々にやる気を失っていくボランティアを見て作り出した言葉。
職業人生において精神的にも身体的にも疲弊した状態を指します
同時期の1981年、マスラックとジョンソンはバーンアウトの構成要素を以下のように定義した。
- 感情的疲弊(emotional exhaustion)
- 他人との交流で精神的に消耗する
- 脱人格化(depersonalization)
- 自身のサービスの受け手にネガティブな感情を抱く
- 個人的達成感の欠如(lack of personal accomplishment)
- 仕事での達成感の低下
1996年、研究者は脱人格化の対象を人だけでなく仕事全体に拡張した。(cynicismへの発展)
また個人的達成感の欠如を職業的効力感の低下に置き換えた。
- 感情的に疲労している
- 仕事に対して無気力
- 仕事上での自己効力感の欠如
その後、バーンアウトはさまざまな職種で見られることが発見されました
バーンアウトがもたらすもの
慢性的に疲れており仕事に対してシニカルな人は、心理的・身体的な不調を報告しています
- 2007年のフィンランド人3000人を対象にした研究では、バーンアウトがうつ病・不安障害・アルコール依存の蔓延と関連していた
- 2000年の研修医を対象にした研究では、患者に対する疲れが1年間の気分障害を予測した
- 2012年の研究では、燃え尽きの増加が次の時点でのうつ病の増加に関連していた
- このうつ病の増加は、身体活動が低い人で最も顕著で、身体活動が高い人では最も少なかった
このようにバーンアウトは心身ともに悪影響を及ぼすことがわかっています
エンゲージメントとは
バーンアウトが提唱されてから少し後の1990年、Kahnという人物がエンゲージメントという概念を導入しました
組織のメンバーが自分の役目を果たすために尽力している状態。
Kahn
エンゲージメントはバーンアウトの対比で使われる表現。
エンゲージメントの高い人はエネルギーに満ちており、仕事をストレスフルなものではなくチャレンジングなものだと捉えています
エンゲージメントは燃え尽き症候群とは別個の概念ではあるが、燃え尽きとは正反対の性質を持っている。
- 疲れている(exhaution)⇔エネルギーに満ちている(energetic)
- 無気力(cynicysm)⇔精力的(involvement)
- 低い自己効力感(low efficacy)⇔高い自己効力感(high efficacy)
燃え尽き症候群の人は人生に空虚感を感じますが、エンゲージメントが高い人は人生に充足感を感じます
現代ではエンゲージメントは3つの要素からなるとされている。
- エネルギーレベルが高い
- レジリエンスが高い
- 努力をいとわない
- 困難にめげない
- 仕事に熱中する
- 仕事を重要で、熱意ある、チャレンジングなものだと感じる
- 仕事に完全に集中しており、楽しく夢中になっているとあっという間に時間が過ぎている
エンゲージメントがもたらすもの
エンゲージメントが高い従業員は、そうでない従業員よりもポジティブでアクティブなことが判明しています
- 2006年の研究では、エンゲージメントが高いマネージャーはよりインスピレーションを与え、エネルギーに満ちており、明るく、情熱があると報告された
- 2014年の研究では、従業員が高いエンゲージメントを経験した日は、その従業員と配偶者は幸せを感じた
- エンゲージメントの高い従業員はそうでない従業員よりも新しい経験への開放性が高い。その結果、彼らは環境を探索しよりクリエイティブになる傾向があった
- 2001年の研究では、ワークエンゲージメントが高い女性の校長は従業員から創造性が高いと評価される傾向があった
エンゲージメントが高い従業員は余暇にスポーツやエクササイズ、社会活動など心理的離脱ができる活動を好むことも判明しています
またエンゲージメントの高い従業員は、斬新な行動や思考を見つけることに敏感。
その結果、能動的な学習や積極的な行動を取る。
- 2012年の研究では、誠実性の高い従業員のエンゲージメントと能動学習には正の相関があった
- エンゲージメントの高い従業員は、整理整頓ができ注意深く勤勉で、新しいことを学ぶことに最も意欲的。
- 仕事に熱心な従業員は、上記の状況をキープ・改善するために積極的に行動する(2003年)
- 日常的な仕事へのエンゲージメントが、日々の自発性・学習意欲の予測因子だった(2003年)
- さらに一歩進んで、長期的な研究でもワークエンゲージメントと自発性の間には正の関係があった
- エンゲージメントの活力の要素は、認知機能を拡大して、job craftingなどの積極的な行動を促進する
エンゲージメントが高いヒトは、絵に描いたような優秀な人といったイメージです
職務要求と職務資源でJD-R理論
仕事人生を左右するワークエンゲージメントと燃え尽き。
仕事をしていて燃え尽きるかエンゲージメントが高まるかは、環境的要因と性格で決まります
そして環境的要因で大事なのが職務要求と職務資源の2つになる。
燃え尽き症候群に関連する職務要求
まず燃え尽きに関連しているのが職務要求と呼ばれるもの。
これはいわゆるストレスで、仕事上で必要とされるあらゆる認知的・身体的負荷を表す。
具体的には仕事上での役割が曖昧(または矛盾している)だったり、プレッシャーが高い状態が長く続いたりしている場合は職務要求のレベルが高くなります
エンゲージメントを高める職務資源
仕事上のストレスを職務要求と呼ぶなら、そのストレスを緩和するのが職務資源。
仕事の目標達成を助けるあらゆる資源を指し、例えば2011年のメタ分析では以下の要素がエンゲージメントに関連していたと報告されている。
- task variety仕事の多様性
- task significance:仕事のやりがい
- autonomy:自律性
- feedback:フィードバック
- social support from colleagues:同僚からのソーシャルサポート
- a high-quality relationship with the supervisor:上司とのいい関係性
- transformational leadership:変革的リーダーシップ
このエンゲージメントの値が高いとさまざまな恩恵があることがわかっている。
- 2006年の研究では、エンゲージメントが高いマネージャーはよりインスピレーションを与え、エネルギーに満ちており、明るく、情熱があると報告された
- 2014年の研究では、従業員が高いエンゲージメントを経験した日は、その従業員と配偶者は幸せを感じた
- エンゲージメントの高い従業員はそうでない従業員よりも新しい経験への開放性が高い。その結果、彼らは環境を探索しよりクリエイティブになる傾向があった
- 2001年の研究では、ワークエンゲージメントが高い女性の校長は従業員から創造性が高いと評価される傾向があった
エンゲージメントの高い従業員のパートナーさえ幸福度が上がるという結果になっています
職務要求と職務資源の引き合いで決まるJD-R理論
この職務資源と職務要求によるエンゲージメントを概念化したものがJD-R理論(job demands resources theory)。
この理論においてワークエンゲージメントは職務要求と職務資源で決まる。
職務要求と職務資源は独立したプロセスで健康とモチベーションに影響を与えます
- 職務要求:身体的欲求が高く疲労や身体的痛みをもたらす
- 職務資源:心理的欲求を満たし、仕事の楽しみやモチベーション、エンゲージメントに繋がる
職務要求が高い職場でも職務資源が多ければ燃え尽きにならない。
一方で職務資源がないと高い職務要求に耐えられず燃え尽きてしまう。
元のJD-Rに個人的資質を入れたものが拡張版です
個人的資質(Personal resources)はレジリエンスとリンクしている肯定的な自己評価のことで、環境を自分でコントロールできるという個人の感覚を指す。
個人の性格による要因もあるよ
そして職務要求には個人の性格も絡んできます
例えば情緒的安定性が高い人は難易度の高い仕事をチャレンジだと感じるのに対して、情緒的安定性が低い人は難易度の高い仕事を不安に感じるかもしれない。
これは職務要求に対する例だが、職務資源に関しても同様。
例えば外向性の高い人は個人的な交流の頻度が高いので、同僚や上司からサポートを得やすい。
とはいえ性格はそう簡単に変えられるものでもないので、環境的要因について考えてみましょう。
ワークエンゲージメントを高める方法
ワークエンゲージメントを高める方法には、組織が実践できるトップダウンと個人ができるボトムアップがあります
組織全体がやれること
①人事戦略
エンゲージメントに影響を与える重要な人事戦略は下記。
- パフォーマンス目標の設定
- フィードバック機会の提供
- 従業員の成長マネジメント
- 評価の実施
- 信頼ある風土
フィードバックの機会がなかったり、人が蹴落としあうような職場は当たり前に燃え尽きやすくなります
②変革的リーダーシップ
変革型リーダーシップは、従業員の基準や価値観を変革し、彼らがゴール達成をし続けられるようなリーダー行動を指す。
- individual consideration:個人の配慮
- inspirational motivation:鼓舞的動機
- intellectual stimulation:知的刺激
変革的リーダーシップは下記のようにたくさんの動機づけアウトカムと関連している
- empowerment:エンパワーメント
- autonomous motivation:自律的動機づけ
- self efficacy:自己効力感
- self concordance:セルフ・コンコーダンス
変革的リーダーシップを持つリーダーはフォロワーを鼓舞し、一人ひとりに配慮する。
このようなリーダーは、信頼を築き、前向きなチーム風土を生み出します
組織ができる実践的アプローチ
まずは採用段階から
- 外交性・主体性・情緒安定性・良心性のスコアが高いエンゲージメントが高そうな従業員を選ぶ
- 個人と組織の役割をフィットさせ、程々の職務要求と十分な職務資源を与える
従業員の職務資源と職務要求を調べるのも重要です
- 仕事上のプレッシャー、感情的要求、認知的要求のレベルを聞く
- 部署ごとのインタビュー
また企業は新人の教育にも力を入れる必要があります
- 新人のエキサイティングでポジティブな力を育み、新しい仕事や組織にエンゲージしやすくする
- 新人の才能と強みを活かす
- 毎月パフォーマンス目標と学習目標を定め、タブレットなどを使って即座にフィードバックする
- 教育や学習の機会を提供する
- トップマネジメントはワークエンゲージメントの重要性を全層に示すことで、信頼と励まし合いの文化を作ることが推奨される
従業員のワークエンゲージメントにはリーダーも重要な役割を果たします
- 変革的リーダーは自身の熱意を従業員に伝えてモチベーションを高めるために個人的配慮・鼓舞的動機づけ・知的推論を使う
- サーバントリーダーは純粋にフォロワーに貢献することを考え、十分な職務資源とチャレンジを部下に与える
- 人事部とマネジメント層は共感性を示し目標志向のリーダーを選ぶ
- 人事部門は組織内のさまざまな階層からリーダーを集め、職務上の要求やリソースを評価し、従業員が仕事に従事するために必要なリソースを提供する方法を学ぶ
- これらを実現するために必要なのはトレーニングを実践に移すこと(例:パーソナルリーダーシッププラン、スマホアプリ、パーソナルコーチ)
個人でやれること
私たちもただ受動的に組織が変わるのを待つだけではダメです
自ら能動的にジョブクラフティングをしたり、自分の強みを仕事で使ったりできる。
フィードバック・サポート・スキルの多様性などの職務資源や、自己効力感・楽観性などの個人的資質も高い職務要求に対処する有効な手段です
従業員のワークエンゲージを高めるボトムアップアプローチで提唱されているのは主に4つ。
- セルフマネジメント(self management)
- ジョブクラフティング(job crafting)
- 強みの活用(strengths use)
- 自我リソースの活用(mobilizing ego resources)
これに加えて、仕事以外での時間の過ごし方も重要だとされています
①セルフマネジメント
35年前、チャーリーとヘンリーは上司がいないときに従業員はモチベーションとパフォーマンスを向上させるためにセルフマネジメントが使えると提唱した。
- 自分でゴールを設定する
- パフォーマンスを向上させるために、チャレンジだが達成可能な具体的な目標を立てる
- 自分できっかけを設定する
- 達成が必要なことをリマインドする
- 自分で報酬と罰を与える
- 報酬と罰で行動を強化すること
- いつどんな理由で行動をするのかを認知する
- 従業員の行動効率化につながる
産婦人科のナースを対象にした研究では、セルフマネジメントを使った日は職務資源を多く動員でき、ワークエンゲージメントが向上したことが報告されている。
また他の研究では、週あたりのセルフマネジメントが上司からのパフォーマンス評価の予測因子だった。
職務要求が低いときは、セルフリーダーシップがエンゲージメントを通した上司のパフォーマンス評価につながった。
ちなみに職務要求が高いときは、セルフリーダーシップではなく変革的リーダーシップがエンゲージメントとパフォーマンスに重要な影響を与えたことが報告されています
②ジョブクラフティング
同じ仕事でも個人によって仕事内容は異なるため、どんな仕事でも仕事内容や環境をカスタマイズすることができます
ジョブクラフティングはタスクや人間関係に対して行う物理的・認知的変化を引き起こすことを指す。
- 物理的な変化は「タスクの量や質を調整する」
- 認知的な変化は「どう仕事を捉えるかを調整する」
ジョブクラフティングによって、職務資源・チャレンジの感覚が増加し、障害となる職務要求が減ることが報告されている。
最近になってジョブクラフティングは学ぶことができ、従業員の職務資源を増やしエンゲージメントを高め、ハイパフォーマンスに繋がることがわかってきた。
ジョブクラフティングは従業員と個人の間にあるギャップを埋め、仕事の意義を増加させます
③強みの活用
強みとは価値ある目標を追求するのに役立つ思考・行動・感情における生まれつきの特性。
- 創造性
- 勇気
- 共感
- 感謝
性格上の強みは課題に対処できるだけでなく、強みの活用は個人の幸福度や人生の満足感を予測する因子になる。
従業員が仕事に強みを発揮するようになると、彼らがオーセンティックになり目標を達成できる可能性があります
イングランドのコミュニティで行われた研究では、強みの活用が3,6ヶ月後の自尊心、ポジティブな感情、活力の増加と知覚されるストレスの減少と関連していた。
ニュージーランドで行われた5000人以上の従業員を対象にした研究では、強みをよく活用していると答えた従業員は強みを活用する機会が少ないと答えた従業員よりも18倍も充実していた。
研究者は強みの活用を進める介入策も開発しています
ある介入実験では、若者が自分の主要な強みを特定し、ベストな状態を視覚的に記述すること、強みを活用する新しい方法を探すことが求められた。
実験グループは対称群と比較して仕事の中で強みを活用できたと報告し、情熱と幸福が増加した。
他の研究では、強みに基づく職業カウンセリングはコントロール群より就職率が高かったことも報告されています
エンジニアを対象にした追跡調査では、週1回の強みの活用が、自己効力感・ワークエンゲージメント・主体性の促進に寄与した。
強みの活用は仕事において推奨されるべき行為であり、人々は自分が本来得意とすることをやっているときに仕事で成長します
④自我資源の活用
シャロンパーカー曰く積極性とは、状況や自分自身を改善することを目的とした自分主導の行動を指します
ヒトは自分自身を改善するためにエネルギー・感情・認知的資源(エゴリソース)を使う。
自我資源は変動しやすいため、さまざまな行動戦略によって補充することができる。
- 美術館に行く
- 早く寝る
- 熱心な同僚と話す
- 瞑想する
- 公園を散歩する
このような自己主体的な行動は消費された自我リソースを回復させることもあるし、新しい知識やスキルを習得することによる、新しい自我資源の獲得にもつながる。
さまざまなバックグラウンドを持つ従業員を5週間追跡したところ、自我資源を活用した週はワークエンゲージメントと創造性のパフォーマンスが高かったことが報告されている。
- 従業員が学習目標を思考している場合は、自我資源の活用がワークエンゲージメントと創造性パフォーマンスの高さと関連していた
- 従業員が無能と判断されないよう失敗回避を志向している場合、自我資源の活用はワークエンゲージと創造性パフォーマンスと関連していなかった
自我資源は短期的なワークエンゲージメントとパフォーマンスに燃料を与えます
⑤心理的離脱(Time for detachment)
ワークエンゲージメントは個人にとっても組織にとってもいい結果をもたらすが、従業員は物理的にも心理的にも一時的に仕事から離れることも重要です
- 夕方の回復は翌日のパフォーマンスとワークエンゲージメントを高める
- 休日の夕方の回復は翌日のワークエンゲージメント・主体的行動・パフォーマンスと正の相関がある
研究では次の朝に活力を感じるような、イブニングの仕事外の過ごし方を調査した。
- 社交的・低労力・肉体的な活動は心理的離脱とリラックスを通して翌朝の活力を上げる
- 義務感の強い活動(いわゆる家事や仕事)は、心理的離脱とリラックスを損なうために翌朝の活力を減らす
仕事外の活動は、心理的離脱ができてリラックスできることならokです
ドイツの生産・管理・銀行・保険の従業員を対象にした研究では、下記のことがわかっている。
- 朝のリカバリーレベルは日中のワークエンゲージメントにポジティブな影響を与えた
- 日中のワークエンゲージメントは終業時におけるリカバリーの必要性減少を予測した
簡単に言えば、自宅では仕事から心理的に離れていることが重要です
実践的アドバイス
ボトムアップアプローチに関する4つのアプローチを議論してきた
- セルフマネジメント
- ジョブクラフティング
- 強みの活用
- 自我資源の活用
組織はこれらの主体的行動をいくつかの方法で促すこともできる。
1.これらのアプローチは教えることができる
例えば、ジョブクラフティングトレーニングプログラムは従業員に自身の要求と仕事を適合させる方法を知らせることによって、従業員は仕事中により多くのエンゲージメントと意味を感じるようになる。
ジョブクラフティングプロセスは現在の仕事環境とそれらを自由に調整することができると認知することから始まります
従業員はどのような職務要求や職務資源を調整・創造する必要があるのかを学ぶ。
具体的には、ジョブクラフティングトレーニングは2つの異なるルートをとおして参加者のワークエンゲージメントを上げる。
- 1.自己主体的な行動の促進
- 2.個人資源の強化
研修は「ジョブクラフティングとは何か」「ジョブクラフティングで従業員に何が起こるか」の組み合わせで行われる。
従業員は数週間にわたり自ら設定したジョブクラフティングの目標達成に挑戦し、ジョブクラフティング行動終了後にその経験を振り返る。
- ソーシャル・サポートネットワークを増やす
- 新しいチャレンジングなプロジェクトを始める
- フィードバックを求める
このようにして従業員は小さなジョブクラフティングを実行することを学ぶことで、日々の仕事にジョブクラフティングを取り入れるようになる。
同様にしてセルフマネジメント・強みの活用・自我資源の動員も教育することができます
2.組織は様々なボトムアップアプローチが促進されるような組織風土を作ることができる
組織は従業員に職務上の自律性を与え、従業員が自分の職務を誰とどのように行うのかについて決定権を持てるようにすることができる。
自律性は仕事の幅を広げたり、特定の仕事に特化したりするなどのセルフマネジメント行動やジョブクラフティング行動を促進します
また自律性は自我資源の動員も促進する可能性がある。
- 細かく休憩を取る
- 仕事中に瞑想に取り組む
- 勤務時間中にスポーツや運動に参加する
- 同僚と散歩しながら仕事について話し合う
人々が自分で時間と方法をコントロールできればこれ以上に有益なことはありません
組織がビジョンや日々の実戦をとおして心理的安全性とワークエンゲージメントの組織風土があることを伝えると、従業員は自身で目標を設定し、失敗をしてもいいこと、目標に到達するには多くの方法があることを(セルフマネジメントをとおして)学ぶ。
エンゲージメントの風土がある組織は、従業員はエンゲージメントを高めチャレンジングなプロジェクトに取り組むために必要な十分なリソースがあることを知ることができる。
またエンゲージメントのある組織では、従業員は強みを活用することが許され、リーダーはフォロワーがそうすることを支援する。
このように組織は従業員が自分の仕事をカスタマイズし、自分の強みや自我資源を活用してエンゲージメントを向上・維持できるようにボトムアップのアプローチを促進することができます
まとめ
今回はバーンアウトとワークエンゲージメントについてまとめた。
- バーンアウトするかエンゲージメントが高まるかは職務要求と職務資源で決まる
- エンゲージメントを高める戦略は主に4つ
- セルフマネジメント
- ジョブクラフティング
- 強みの活用
- 自我資源の活用
- 仕事の時間外に、仕事から心理的に距離をとることも重要
ワークエンゲージメントを高めるためには弱点の克服よりも強みの活用が重要。
自分の強みが活かせるかどうかで仕事を決めるのもいいかと思います
参考文献
1. Bakker AB, Demerouti E, Sanz-Vergel AI. Burnout and Work Engagement: The JD–R Approach. Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior. 2014;1: 389–411.
2. Strategic and proactive approaches to work engagement. Organ Dyn. 2017;46: 67–75.