科学的スキンケアで美肌を作ろう!論文から日焼け止めを徹底解説

  • URLをコピーしました!

「可愛いは作れる」というが、これは科学的に考えても正しい。

しかも、可愛いだけでなくカッコいいも作れる。

さて、科学的に考えると魅力的な顔にはいくつかの要素がある。(R,R)

・顔の形が対称である
・顔にシワが少ない
・顔の色が均一である

1つ目は顔の対称性。顔が対象的なほど魅力的!というのは聞いたことがある人も多いはず。

しかし、他2つは肌の状態でいわゆる”美肌”かどうかが大事。

美肌は男女ともに健康や若さのシグナルとして働く。

ヒトは美肌を魅力的な顔として認識するように本能に刻み込まれているのだ。(R,R)

ということで、美肌作りこそ美男美女への近道。

今回のシリーズはスキンケアを科学的に考えよう!というコンセプトになる。

目次

スキンケアは保護が9割

スキンケアはおおまかに言って2つに分けられる。

1.肌をダメージから保護する
2.肌の活性化を促す

このうち重要なのはなんと言っても肌の保護。

というのも、いくら肌の活性化を頑張っても、肌がダメージを受け破壊され続けていたら意味がないから。

そんな肌のダメージの原因となるのがストレスによって生まれる活性酸素。

肌は体の一番外側にあるので、絶えず紫外線や汚染された大気などのストレスにさらされている。

こうしたストレスが活性酸素を生み出すのだが、この活性酸素は攻撃性が高い。

よって肌の細胞やコラーゲンを傷つけシミやシワなどのトラブルを引き起こす、というのが現代科学での結論。(R)

肌が受けている多くのストレスの中でも、一番強烈なのが太陽からの光。

光を浴びると専門用語で「光老化」と呼ばれる現象が起こる。

年齢による老化とは別に、光を浴びれば浴びるほど老化が進んでしまう。

まずは光老化を引き起こす太陽光を食い止めるのが美肌作りの基本。

地表に降り注いでいる太陽光は「紫外線(UV)、可視光、赤外線(IR)」の3つからなる。(R)

太陽から降り注ぐ光の種類
太陽から降り注ぐ光の種類

この中でも一番肌に悪いのが、ご存じ紫外線であるUV。

波長の長いUVAと波長の短いUVBに分けることができる。

中でもエネルギーが高く危険視されているのがUVB。

夏場に最も多くなり、日焼けや色素沈着、がんなどの原因になる。(R)

一方で、UVAは急な変化こそ起こさないが、波長が長いため肌の奥深くまで浸透するうえに窓なんかも貫通する曲者。

こちらも長期的に浴び続けると肌にダメージを与えるが、そのダメージは表皮だけでなく肌の奥にある真皮にも届く。(R)

ともかく、紫外線はUVBだろうとUVAだろうと肌にダメージを与える。

まずはこの厄介な紫外線を防がないと美肌もクソもない。

とはいえ、日焼け止めと言っても種類がたくさんある。

なので「どの日焼け止めを選べば効果的に紫外線を防げるのか研究から考えよう!」というのが今日のメイントピック。

科学的日焼け止めガイド

日焼け止めの基本は、当たり前だが膜を作り紫外線を肌に到達しないよう遮断すること。

紫外線を止める方法としては2種類ある。(R)

1.化学的方法:日焼け止めに含まれる有機物に紫外線を吸収させる(例:ベンゾフェノン、ケイ皮酸など)

2.物理的方法:日焼け止めに含まれる無機物で紫外線を反射させる(例:酸化亜鉛、二酸化チタンなど)

どちらも紫外線を遮断してくれることには違いない。

しかし、日焼け止めとしておすすめなのは物理的方法。

具体的にいえば、二酸化チタンや酸化亜鉛などの無機物が含まれている商品になる。

というのも物理的方法は化学的方法にないメリットがある。

まず何よりのメリットは、遮断できる波長の幅広さである。

UVAとUVBはもちろんのこと、可視光(ブルーライトも含む)すら反射するので肌に塗ると白くなってしまうほど。

実は、最近の研究で「可視光も肌に良くないのでは?」という報告がされ始めている。

特に黄色人種などの色の濃い人に悪影響が強く、日本人に多い肌タイプ(スキンタイプⅢ,Ⅳ)の人に可視光を照射したところ、色素沈着が3ヶ月持続したという研究もある。(R)

一方で、有機物は吸収する光の波長が限られている。

そのため、UVBを吸収する物質がメインに使われ、あとはUVAを吸収する物質くらいしか含まれていない。

可視光を遮断しないので透明で使い勝手が良いが、肌の保護という意味では最適とは言えない。

もちろん一番問題なのは紫外線で、可視光がどれだけ有害なのかは謎。

しかし、今後、可視光も光老化を引き起こすメインの原因にリストアップされる可能性は十分にある。

というのも、UVAも昔はわりと有害性が認知されておらず、1930年代に日焼け止めが開発された始めたとき、UVBだけが光老化の原因とされ日焼け止めで遮断するべきと謳われていた。(R)

しかし、UVBに遅れてあとからUVAも光老化を引き起こすことがわかった。

そして、現在では日焼け止め商品でUVAも遮断することが当たり前となっているのは知っての通り。

可視光もUVAと同じ道をたどり、もっと研究が進むことで有害性が判明する可能性がある。遮断できるなら遮断しておいて損はない。

また、無機物質は安定性が高く、二酸化チタンや酸化亜鉛は他の日焼け止めに比べて安全性が高いのもグッドポイント。(R)

また、水に溶けづらいのも無機系日焼け止めの利点になる。

汗をかいたりしても皮膚に成分が残るので、運動時なんかも効果が期待できる。

無機系日焼け止めのデメリットは使いづらいこと。

逆に言えば、今挙げた特徴は”白く残りやすい”ということ。そのため敬遠している人も多いかもしれない。

しかし、その特徴こそが無機系日焼け止めが強大な防御力を誇っている証拠。

使いやすさは劣るが肌の保護という意味では無機系がベストになる。

ベストなSPFはどれくらいなのか?

原料の他に、もう一つ日焼け止めを選ぶときに大事な指標がある。それが日焼け止めの防御力を表すSPF(=sun protection factorの略)。

どれだけUVBをカットできるか?を表しており、研究でも使われるようなちゃんとした指標。

一応計算式を載せておく。(R)

SPF = 保護された肌のMED / 保護されていない肌のMED

MEDとは"minimal erythemal dose"の意味。簡単にいうと肌を赤く火傷させるのに最低限必要な紫外線の量。

例えばSPF30のものを肌に塗れば、無防備な肌が火傷するのに必要なUVB量の30倍のUVBを浴びせないと肌は火傷しない。

細かいことはさておき、実際にどれくらいのSPFが必要かについては2012年の有名な研究ある。(R)

SPFレベルとUVBの吸収量を調べたもので、結果は以下の通りである。

SPFに対するUVBの吸収率
SPFに対するUVBの吸収率

SPF10くらいまでは効果はうなぎ上りになっているが、SPF15あたりから効果は急激に緩やかになる。

SPF15で93.3%ものUVBを防ぐことができる。

肌を保護したいなら最低限SPF15は必要。

FDA(アメリカ食品医薬品局)なんかもSPF15以上の日焼け止めを使おう!と呼びかけている。

とはいえSPF30以上は必要!という研究もわりとある。(R)

そのうえ、実際使用するとなると塗る量が足りなかったりしてSPFが低下しがち。

なので結論としてはSPF30がオススメ。

ちなみに、日焼け止めにはPAという指標もある。

UVAをどれだけ防げるかを表した指標で、"Protection Grade of UVA"の略語。

PAに関しては無機系日焼け止めなら気にしなくてもOK。

というのも、無機系日焼け止めはSPFとPAは比例するから。

これは無機系日焼け止めは1つの物質が全波長の光を遮断していることが理由。

例えば酸化亜鉛が使われている日焼け止めなら、UVAだろうとUVBだろうと可視光だろうと光を遮断するのは酸化亜鉛だけ。

SPFが高くなるほど酸化亜鉛の含有量も増えるので、当然UVA(と可視光)の遮断能力も高くなる。

そしてSPF30(かそれ以上)を発揮する日焼け止めならUVBもUVAも十分に防ぐことができるとされている。(R)

一方で、化学系日焼け止めはUVAの吸収とUVBの吸収を別の物質が担当していることも多い。

なので、SPFとPAは必ずしも比例しない。

  • 高SPF=UVBを吸収する物質が多く含まれている
  • 高PA  =UVAを吸収する物質が多く含まれている

PAに関しては、どれだけが必要かとなると正直なところ不明。

というのも、PAはSPFのように世界共通で研究で使われていたりするものではなく日本独自の指標。

そもそもUVAの国際的な指標がなくSPFほど研究もされていないので判断できない。

何はともあれ、日焼け止め選びの結論は「SPF30以上の無機系日焼け止めを使っておけば幅広い波長の光を十分に遮断できる」となる。

ちなみに、白くなりにくい無機系日焼け止めとしてナノ粒子化された酸化チタンや酸化亜鉛があるがオススメしない。

理由としては、ナノ粒子は可視光を遮断しないということが一つ。

あとはいまだに安全性に関するデータが不十分で、「フリーラジカルを生成するのでは?」といった話や「バリア機能が弱まっている皮膚を貫通するのでは?」といった話があるから。(R)

必要以上に怖がることもないと思うが、ナノ化された日焼け止めを選ぶ理由が特にあるわけでもない。

日焼け止めを使うときに大事なポイント

日焼け止めにおいて、製品選びに加えてもう一つ重要なポイントがある。それは塗り方。

まず1つ目のポイントとして、こまめに塗り直すことが重要。というのも日焼け止めは時間と共にSPFが低下するから。

例えばある研究では、有機系と無機系日焼け止めは、それぞれ4時間後に38%と41%、8時間後には55%と58%のSPFの低下が見られたことが報告されている。(R)

「日焼け止めはこまめに塗り直そう!」というのはよく言われることだが、これは本当に超重要。

肌をちゃんと保護したいなら、面倒だが2時間おきに塗るのがベスト。あとは運動後に汗をかいた場合なんかも塗り直すほうがいい。

また、2つ目のポイントとして外出する15-20分前には日焼け止めを塗ろう。なぜなら、日焼け止めが皮膚の角質層に広がるのに15-20分かかるから。(R)

当たり前だが日焼け止めの層が出来ていなければ肌は保護されない。

よって、15分前に塗って紫外線を浴びるときにはバッチリ保護膜を作っておこう。

そして、その後もこまめに塗り直すし保護膜を維持することが必要になる。

日焼け止めは美肌作りにおける基本中の基本

最後に日焼け止め3か条として簡単にまとめておく。

・日焼け止めはナノ化していない無機系を使う(二酸化チタンや酸化亜鉛)
・日焼け止めはSPF30のものを選ぶ
・日焼け止めは外出の15-20分前に塗り、2時間ごとに塗り直す

まずは日焼け止めで肌の紫外線を防ぐことがスキンケアにおける基本中の基本。

まずは上の3か条を守って日焼け止めを使い、肌を保護してみてはいかがだろう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次