カロテノイドの肌への効果とは?魅力的な顔にみえると論文で判明

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「肌にいい食べ物を知りたい!」

と考えている人は多いだろう。

肌にいい栄養素はたくさんあるが、今回は”カロテノイド”に焦点を当ててみよう。

カロテノイドは、ニンジンのベータカロテンやトマトのリコピンなどの成分で、黄色やオレンジの野菜や果物によく含まれている。

実は顔のカロテノイド量が多いと、天然の日焼け止めにもなるだけでなく、それ自体が魅力的な顔の条件であることが判明しているのだ。

目次

カロテノイドとはそもそも何?

そもそも、カロテノイドとは何なのだろうか?

カロテノイドは野菜や果物に含まれる色素で、オレンジ色や黄色のもととなっている成分。

現時点でも600種類以上は存在すると言われている。(R

その中でも、特に有名なのはニンジンに含まれるベータカロテンやトマトに含まれるリコピン、サケに含まれるゼアキサンチンなどだろう。

これらの食品に含まれるカロテノイドは、食事によって摂取されると、体内で抗酸化作用を発揮したり、ビタミンAに変換されたりする。(R

抗酸化作用は、日焼け止めと並んで美肌に欠かせない超重要な要素のひとつ

理論的には、カロテノイドをたくさんとることで、健康的で綺麗な肌が手に入る可能性がある。

しかも、カロテノイドは体内では合成することができない。(R

カロテノイドは食事から摂取する必要があり、肌にいい食事には欠かせない成分なのだ。

ベータカロテンで紫外線によるダメージが減少した

肌にいい効果が期待できるカロテノイド。

そんなカロテノイドの中でも、肌に特に多く含まれているのがリコピンとベータカロテンである。(R

なので、リコピンやベータカロテンを多く含む食事を摂取することで、肌に蓄積されて抗酸化作用を発揮する可能性が高い。

つまり、ベータカロテンやリコピンを多く摂取すると、美肌が手に入るという理論が成り立つ。

とはいえ、理論的には正しくても、実際にヒトで確かめたら効果がない、なんて場合もざらにある。

それでは、実際にヒトを対象にした研究ではどのような結果になっているのだろうか?

結論を行ってしまえば、ベータカロテンを日常的に摂取すると、紫外線によるダメージを軽減することができる可能性が高い。

例えば、2003年の研究では36人の被験者を3グループに分けた実験が行われている。(R

  • 1日24mgのベータカロテンを摂取したグループ
  • 1日24mgのカロテノイド(ベータカロテン8mg、リコピン8mg、ゼアキサンチン8mg)を摂取したグループ
  • コントロールグループ

被験者には12週間にわたってカロテノイドを摂取してもらい、実験終了後に血液や肌のベータカロテン濃度、肌の紫外線に対する反応を測定した。

結果として、まず血液中のベータカロテン濃度が、ベータカロテンを摂取したグループで3~4倍、カロテノイド全般を摂取したグループで1~3倍増加したことが報告された。

次に肌のベータカロテン量についてだが、ベータカロテンを摂取したグループもカロテノイドを摂取したグループもコントロールグループに比べて、同じだけカロテノイド量が増えたことが報告された。

そして、実際に紫外線を照射してダメージを測定してみたところ、紫外線に当たってから24時間後の肌の赤身が減少したことが報告されている。

他にも、2000年の25mg/日のベータカロテンを12週間にわたって摂取させた研究や、30mgのベータカロテンを24週間にわたって摂取させた研究でも、同様に紫外線によるダメージが軽減されたことが報告されている。(R,R

ちなみにベータカロテン25mgというのは、にんじんでいうと約3本分に匹敵する値。

これくらいの量のベータカロテンを日常的に摂取することで、顔にカロテノイドが蓄積し、実際に紫外線によるダメージを軽減されるのである。

ベータカロテンは一度に大量摂取しても意味がない

それではベータカロテンは取りまくればいいか、というとそういうわけでもない。

実は、ベータカロテンによる光保護効果には、摂取量だけでなく期間も重要になる。(R

例えば1988年の研究では、150mgという大量のベータカロテンを摂取させたが、UVAやUVBに対する光保護効果は確認できなかった。(R

この研究では期間が4週間と短かったために、ベータカロテンによる光保護効果が確認できなかったのだろう。

ベータカロテンは一度に大量摂取するのではなく、長期にわたって摂取し続けなければならない。

美肌のためには、普段から摂取を心がける必要があるのだ。

リコピンにも光保護効果がある

ベータカロテンには光保護効果があると紹介したが、リコピンの摂取でも同じように紫外線によるダメージを軽減できる可能性がある。

なぜ”可能性がある”という微妙な言い方をしているかというと、単純にベータカロテンほど研究が多くないので、効果がいまいちわからないから。

とはいえ、リコピンに光保護効果があるとした研究がないわけではない。

例えば2006年の研究では、リコピンが豊富なトマトペーストやサプリを摂取させたところ、血液のリコピン量が増え、実際に肌で光保護効果を示したことが報告されている。(R

リコピンもベータカロテンと同様、紫外線による肌のダメージを減らしてくれる可能性がある。

それどころか、実はベータカロテンよりもリコピンのほうが重要なのでは?という説さえある。

というのも、1995年の研究で、ヒトに紫外線を照射するとベータカロテンよりもリコピンのほうが大量に破壊されたと報告した研究がある。(R

リコピンはベータカロテンよりも消費されるということは、リコピンが主な抗酸化作用を担っている可能性がある。

研究こそ少ないが、リコピンも美肌効果が期待される成分であるのは間違いないのだ。

ベータカロテンが多く含まれる肌は魅力的

食事でベータカロテンを摂取すると肌に蓄積すると言ったが、実はこれによって肌が黄色くなることが知られている。

というのも、冒頭で説明した通りベータカロテンは黄色の色素として働くので、顔に蓄積することで顔の黄色みが増すのだ。

例えば50mgのカロテノイドを6週間にわたって摂取させた研究では、肌の黄色成分が増えたことが報告されている。(それに伴ってUVによる赤みが減ったことも報告されている)(R

このようなことを言うと、「肌が黄色くなるなんて嫌だ」と思う人もいるだろう。

しかし、肌のカロテノイド量が増えて黄色みが増すことは、それ自体が魅力的な顔に繋がると言ったらどうだろうか。

実は、カロテノイドが多く含まれている顔というのは、動物界において”健康の証”。

すなわち魅力的な個体のシグナルとして働く。

例えばグッピーのメスは、最もカロテノイド色素が濃いオスを選ぶことが知られている。(

他にも、ハウスフィンチのメスは、カロテノイドを多く摂取している色味が強いオスを選ぶ。(R

つまり、カロテノイドを摂取していることによる黄色い肌は、健康の印なのだ。

健康な個体というのは、動物界において魅力的な個体とイコール。

なので、カロテノイド含有量の多い顔は、様々な動物で魅力的な顔として認識される傾向がある。

このことは、ヒトであっても例外ではない。

例えば2015年のヒトを対象にした研究では、高カロテノイドの顔は低カロテノイドの顔に比べて魅力的と評価されることが報告されている。(R

ちなみに、カロテノイドで顔が魅力的に見える効果は、女性の顔でより顕著だったことが報告されている。

というのも、男性にはメラニンという色素が多く、カロテノイドの色素による影響を女性より受けづらいから。

多くの動物と同じ様に、私たちヒトでも顔のカロテノイド量は健康、すなわち魅力的な個体のシグナルとして働いている。

食事からカロテノイドを十分に摂取すると顔のカロテノイド量が増え、それ自体が魅力的と認識されるのだ。

運動でもカロテノイドが増える

冒頭で説明した通り、カロテノイドは体内で合成することができない。

なので、食事でカロテノイドを摂取することは、魅力的な肌を作るために重要なこと。

しかし、顔のカロテノイド量を増やす方法は食事だけではない。

実は、運動やダイエットでも顔のカロテノイド量が増えるのだ。

このことを示したのが2020年の研究。(R

この研究は男女134人を対象にしたもので、被験者たちの以下の要素を測定した。

  • 皮膚の明るさ
  • 皮膚の赤み
  • 皮膚の黄色み
  • 体脂肪率
  • 食事からのカロテノイド摂取量
  • 病気
  • ストレス
  • 睡眠
  • VO2max(心肺機能)

皮膚の黄色みや食事から摂取しているカロテノイド量、体脂肪率や体力を測定したのだ。

そしてこれらの数値がどのように関係しているかを調べたところ、結果は以下のようになった。

  • 皮膚の黄色味は、VO2maxと弱い正の相関(r=0.17)、体脂肪率と弱い負の相関(r=-0.19)を示した!
  • 体脂肪率とVO2maxは、食事のカロテノイド量とは独立して肌の黄色みと関連していた!

まず運動だが、体力のある人ほどカロテノイド量が多いという結果になった。

つまり、運動習慣のある人のほうが、顔のカロテノイド量が高い傾向があったのだ。

おそらくこれは、運動によって体内の抗酸化能力が高まり、結果として抗酸化物質であるカロテノイドがあまり消費されないことが原因だろう。

実際に、2009年の研究では、運動によって体内の抗酸化能力が高まることが報告されている。(R

運動によって抗酸化能力が高く酸化ストレスを受けづらいので、運動しない人よりカロテノイドを消費する必要がないのだ。

そして次に、体脂肪が多い人もカロテノイド量が少ない傾向があったと報告されている。

こちらでもキーとなるのは酸化ストレスだろう。

肥満というのは、体に慢性的な酸化ストレスをもたらす。(R

なので、肥満の人は高い酸化ストレスに対処するために、抗酸化作用のあるカロテノイドを大量に消費してしまう。

つまり抗酸化能力が低い運動をしない人や肥満の人は、カロテノイドを大量消費してしまい顔のカロテノイド含有量が少なくなってしまうのだ。

肌のカロテノイド量を増やすために

肌のカロテノイド量が増えると、紫外線によるダメージが軽減されるだけでなく、それ自体が健康的で魅力的にうつる。

カロテノイドを増やすためには、まずは食事で十分にカロテノイドを摂取するのが重要。

具体的にはベータカロテンを25mg、ニンジン3本分相当を食べるのがいいだろう。

食事で摂るのが面倒な人は、サプリを使うのも手。

例えばこのサプリならば、1日2粒で研究と同じだけの摂取量になる。

そして食事に加えて、酸化ストレスを減らすことも大事。

そのためには、以下のようなことが気をつけるのがいいだろう。

  • 運動習慣をつける
  • 体脂肪率を落とす
  • 睡眠を十分にとる

運動やダイエットもさることながら、睡眠も酸化ストレスをためないための重要な要素。

体脂肪を落とすことにも繋がるので、睡眠にも気をつかうべきだろう。

これらに気をつけて酸化ストレスを下げることで、カロテノイドの消費が抑えられ、健康的で魅力的な顔立ちになるだろう。参考までにどうぞ!

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