論文短編集『平均顔の魅力、イケメンほど美肌、日焼け止めの抗酸化成分』

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論文を読んでいると、いわゆる小ネタ的な研究もたくさん出てくる。

今回はそういった小ネタ的研究をまとめてご紹介。どうぞ軽い気持ちでお楽しみあれ。

目次

イケメンほど美肌な可能性が高い!?

顔が対称的なほど美男美女、というのはもはや常識。

これは顔の対称性が健康を維する遺伝的能力を持っていることを表しているからとされている。

そんな中、2004年の研究では「顔の対称性は肌の健康度を表しているのでは?」という論文が登場。(R

この研究は、113人の男性の顔を撮影し22人の女性に”対称性・肌の健康度・イケメン度”を7段階で評価してもらうという単純明快なもの。

すると以下のような結果になった。

  • 肌の健康状態とイケメン度には強い相関があった!(R=0.70)
  • 顔の対称性は肌の健康状態・イケメン度と弱い相関があった!(R=0.23、R=0.21)

まず朗報なのは、イケメンには顔の対称性より美肌が重要だということ。

次に、顔が対称なほどイケメンと評価された。

それはいいとして、面白いことに顔が対称なほど美肌であるという関係があることも発覚。(弱い相関ではあるけれど)

つまるところ、左右対称の顔は健康的で魅力的な肌を持っていることの指標になっているのでは?と言う話になる。

実は、顔が対称的な男性は非対称な男性に比べて魅力的な声や体臭を持っているという研究もある。(R,R)

研究者は”顔の対称性は多くの魅力的な要素を持っている指標として働いているのでは?”と仰っている。

顔が対称なイケメンは美肌だけでなく魅力的な声と体臭も兼ね備えているかもしれない。

平均顔は魅力的、だけど美男美女ではない。

『いろんな人の顔を合成すると美人になる』というのは聞いたことがある人も多いはず。

そんな中、1994年に日本人を対象にして「美人=平均顔なのか?」という研究が行われた。(R

まず、研究者は女子高生342人の顔を合成して”JKの平均顔”を作成。

平均顔のJK
平均顔のJK

次に、12人の日本人男女を集めて、女子高生342人の顔をそれぞれ7段階で採点させた。(地味にひどい話である。)

そして、見事上位16位に入賞した女子高生たちで”かわいいJKの平均顔”を作成。

かわいいJKで作った平均顔

(1990年代でも目がぱっちりした顔が好かれていた模様。)

そして最後に、”JKの平均顔”と”かわいいJKの平均顔”の違いを50%強調した顔を作成。つまり、”かわいいJKの平均顔”の魅力を50%マシマシにした”かわいいJKの平均顔(可愛さ50%マシマシver.)”を作成。

かわいいJKの平均顔を可愛くした顔
かわいいJKの平均顔を可愛くした顔

この3つの画像を別の日本人男女26人に採点してもらったところ、以下のような結果に。

  • 26人中21人が”JKの平均顔”より”かわいいJKの平均顔”を好んだ。
  • 26人中19人が”かわいいJKの平均顔”より”かわいいJKの平均顔(可愛さ50%マシマシver.)”を好んだ。

つまり、人々が好んだ顔は

かわいいJKの平均顔(可愛さ50%マシマシver.)>かわいいJKの平均顔>JKの平均顔

だった。もし”平均性”が顔の魅力に大きく寄与するなら逆になるはずなので、”平均性”は魅力度をそこまで大きくは左右しない模様。

平均的な顔は確かに魅力的。

だけどそれが美男美女かと言われるとそれは別問題といえそう。

日焼け止めの抗酸化成分、意味あるのか問題

日焼け止めには”抗酸化成分配合!”みたいな売り文句で販売されているものがある。

以下の記事でも書いたように、肌の老化を引き起こすのは活性酸素による酸化

日焼け止めを用いると紫外線による活性酸素の生成を阻止できる。しかし、それでも活性酸素を100%除去できるわけではない。

防げなかった活性酸素を抗酸化成分で除去しよう!というのは筋が通った話。

しかし本当に抗酸化能力はどれくらいあるのかは不明。

そこで「実際に日焼け止めの抗酸化成分は意味があるのかを調べてみた」という商業主義に真っ向から挑戦する研究が出ている。

紹介するのは2011年に行われた研究で『抗酸化成分としてビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンE(トコフェロール)が配合されている12個の日焼け止め(SPF15~55)を購入し、紫外線遮断能力と抗酸化能力を実際に調べた』というもの。(R)

早速結果を見てみると以下のようなことが判明。

  • 紫外線遮断能力はきちんと発揮されていた!
  • 12個の製品のうち、10個は全く抗酸化能力が無く(AP=0)、残り2つも超低い抗酸化能力(AP=12,16)しかなかった!

どうやら現在の技術では、日焼け止めに”高い抗酸化力のある成分”を”安定した状態で十分な量”混ぜ込むのは難しいらしい。

日焼け止め製品に抗酸化物質を入れるのは理にかなっている。そして実際に成分表をみるとアスコルビン酸やトコフェロールという文字があるかもしれない。

しかし、その抗酸化成分が実際に効果的か?は別問題だし、現段階では効果は期待できなさそう。

とりあえずは「日焼け止めに抗酸化成分が含まれているか?」は気にせず、UVが遮断できる物質が入っているかどうかだけ気にすればok。

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