就活なんて所詮嘘つき大会!少しでも自分をよく見せるために嘘は付くべき!
実は就活で嘘をつくのはデメリットが大きいことがわかっています
たしかに就活で100%本音を話す人はいないが、自分をよく見せるために過度に嘘をつく必要もない。
今回は論文を交えながら「就活の面接で嘘をつくべきなのか?」について解説していこう。
- そもそも”相手に合わせる”ということが不可能に近い
- 相手に合わせるよりも自分に正直に話す方が魅力的だと評価される
- 嘘がバレる確率は54%もあるのでハイリスクノーリターン
誰もが他人に気に入られようと大なり小なり嘘をついたりする。
しかし実際は相手に合わせずありのままの自分で挑んだ方が、相手にとって魅力的に移ることがわかっている。
巷でよく言われる「企業が求める人物象に合わせる」という幻想
就活をするとき、もちろん最終目的は相手の企業から”内定”をもらうことになる。
それでは内定をもらえる人とはどんな人なのだろうか?
多くの人が「企業が求める資質を持った人」と答えるだろう。
実際にいくつかの就活サイトを見てみると「企業の求める人物像に合わせて自分をアピールしよう」などと書かれているのが分かります
例えばサービス業であれば、”一人で黙々と作業をこなせる能力”より”コミュニケーション能力”をアピールしようといわれる。
就活に限らず、気に入られるために相手に合わせるというのは誰もが一度は使ったことがあるはず
相手に気に入られたいがために、面接という場で嘘すら吐こうと思うかもしれない。
いやいや、さすがに面接で嘘なんかつかないよ!
そう思うかもしれないが、志望理由でやや綺麗事すぎる台詞を並べたり、自己PRで話を少しばかり盛ってしまったことがない人などいるだろうか。
この”相手に合わせる戦略”だが、実は相手に好かれるどころか嫌われる確率の方が高い。
その理由は大きく分けて2つ。
- そもそも相手の好みを知るのが不可能に近い
- 相手に合わようとすると雑念が湧いてきて、本来のパフォーマンスが発揮できなくなる
そもそも相手に合わせるのが無理難題な上に、仮に相手に合わせられたとしても魅力的でないと判断されてしまうのだ。
相手に合わせなくていい理由①そもそも相手の好みを知るのが無理難題
まず第一の理由として、そもそも相手の”好み”を知るのが不可能に近いという問題がある。
ヒトの好みなんて十人十色、その場でたまたま会った面接官の好みを知るなんて不可能に近いのだ。
俺は残業をよくする頑張り屋の子が好きだ!
私は短い時間で高い成果を残す人が好みです
確かに「好まれがちなパーソナリティ」はあるかもしれませんが、万人に好かれるのは不可能です
恋愛でもK-POPアイドルのような顔が好きな人もいれば、阿部寛のような男らしい顔がタイプの人もいる。
それと同様に面接官にも多種多様な好みが存在するが、その好みを初対面で知るのは不可能に近い。
相手に合わせたくても、そもそも相手の好みがわからないのでは話にならない。
それでもコンサル業界なら理論的な人、みたいに好みが分かりやすい場合もあるのでは?
仮に相手の好みが分かったとしても、「相手に合わせよう」とする努力そのものが逆効果になる可能性があります
相手に合わせなくていい理由②自分に正直なほうが魅力的に映る
俺は相手に合わせてうまくいったぞ!
相手に合わせる戦略は、本人は効果的だと思い込んでいますが実際には逆効果なことが研究でわかっています
そもそも、世間では勘違いされているが、嘘など付かず自分に正直になるほうが面接官の好感度は上がる。
というのも、2020年のハーバードビジネススクールの研究で「面接官や企業の求める人物像に合わせる被験者は魅力度が下がる」ことが示されている。
就職面接の模擬試験を行なったもので、被験者を2つのグループに分けた。
- ケータリンググループ:相手の好みに合わせようとしたグループ
- オーセンティックグループ:自分に正直に話したグループ
片方のグループは相手の好みに合わせるような戦略をとり、もう一方のグループは自分に正直に話してもらった。
この2つの戦略で模擬面接をしてもらい、被験者のパフォーマンスを評価したところ結果は以下のようになった。
- 相手に合わせようとしたグループのほうが、不安度が高く面接官にも魅力的でないと評価された!
- 自分に正直に話したグループのほうが、面接でのパフォーマンスが高く実際に採用率も高かった!
- 相手に合わせようとしたグループは、効果がないにも関わらずこの戦略が有効だと信じていた!
つまるところ、被験者は面接官が求める人物像に合わせようとすればするほど、不安感が高く面接での評価も悪かったのである。
この研究では、世間では思われているのとは全く逆の結果になったのである。
相手に合わせる戦略がいいと思ってるのは本人だけでした
なぜこのようなことになったのかと言うと、被験者が常に不安に駆られていたからである。
面接官にいい印象を与えられているかな?
今の質問に対して、この答えでちゃんと正解だったかな..
相手に好かれようとしたケータリング戦略をとった被験者は、何を話しても「相手に好かれているかな?」という不安から萎縮してしまい、思ったように自分をアピールできなかった。
一方で自分に正直に話したグループは、相手に好かれているかどうかを不安に思うことはなく堂々と自分の意見を言えました
結果として相手に合わせようとすると面接官に魅力的でない人物だというふうに評価され、実際に採用される確率も低かったのだ。
ちなみにここで注意点となるのが、ケータリング戦略を使ったグループが「この戦略が有効だった」と報告したことである。
相手に合わせるのが一番だよ!
こういった意見はほどほどに受け止めましょう。本人がそう思い込んでいるだけの可能性が高いです
相手に合わせようとすると”好かれているかどうか”ばかり気になって面接に集中できないし、なにより萎縮してみえてしまう。
結果として面接官に魅力的でない人物と判断され落とされる確率が上がってしまうだろう。
就職は「企業像に合っているか」ではなく面接官の好みで決まる...?
それでも俺は嘘をつかないと優秀さをアピールできないから嘘をつくんだ!
それならそれで構いませんが、そもそも優秀さは採用に関係しない可能性が高いと思いますよ
心理学者のリチャードワイズマンは著書で、多くの就職面接の研究からあることを発見したと書いている。(R)
アメリカと日本で違いはあるかもしれないが、採用を決めるのは資格や職歴ではなくその人の好感度なのである。
面接官も所詮は人間。単純に一緒に働きたいと思える人を選んでいます
そして先ほどの研究で紹介したように、ヒトは相手に合わせようとするより自分自身に正直に話す人のほうが魅力的に映ると分かっている。
そのうえ嘘が半分以上の確率でバレることを考えると、いかにハイリスクローリターンな戦略なのかがわかるだろう。
2006年の2万4千人を対象にした大規模研究で、嘘がバレる確率は54%だと判明した。
相手に合わせようと嘘をつくのは、愚策中の愚策です
もし嘘がバレたら信用を失うのはもちろんのこと、嘘がバレなくても相手に合わせようとしている時点でマイナスなので百害あって一理なしだろう。
まとめ
就活の面接で嘘をついてもメリットにならないどころか、むしろ”自分に正直に話す”ほうが魅力的に映る。
- 面接官の好みを知るなんてそもそも不可能
- 自分自身に正直に話すほうが魅力的な人物に見えて採用率が上がる
ちなみに余談だが、私はフラフラしていたせいで”27歳新卒”として就活したことがある。
他の受験者より年齢が高かったので不安はあったが、この論文を知っていたおけげで堂々と就活をした。
今思い返すと「経歴のキズを気にしているのなんて自分だけだった」と心から思います
あなたに「相手に合わせることが大事。そうすることで自分は内定をもらえた」という人がいるかもしれないが、それは本人の勘違い。
自分が正直に思っていることを伝えれば、内定をもらえるわ入社後のミスマッチもなくなるわで良いことしかない。
相手に合わせているのに面接がうまくいかない人は、自分自身に正直な就活をしてみてはいかがだろうか。