クレアチンって筋トレに効果あるの?
クレアチンってカフェインと飲んじゃダメ?
クレアチンでハゲた...
今回はそんな疑問に答えるクレアチンの回です。
- クレアチンは筋トレに効果ある?
- クレアチンは筋肥大に有利?
- クレアチンはダイエットに効果的?
- クレアチンはカフェインと飲んじゃダメ?
- クレアチンの最適な摂取量とタイミングは?
- クレアチンはハゲる?
筋トレの王道サプリと呼ばれる"クレアチン"について紹介していきます
クレアチンのメカニズム
そもそもクレアチンって何?
クレアチンの物質名はメチルグアニジノ酢酸で、体内ではメチオニンとグリシンとアルギニンから作られる。
肝臓と腎臓での合成でクレアチンが作られ、その後筋肉内に運ばれます
実際に体内のクレアチンの90%以上が筋肉に存在します
そして筋肉に存在するクレアチンの2/3がクレアチンリン酸として存在する。[1]
最終的に筋肉内の貯蔵量の約2gが分解され、クレアチニンとして尿から排出される。
1997年にホスホクレアチンが、1934年にクレアチン反応が発見されました [2]
体内で作ることができるクレアチンだが、食事から摂取することもできる。
実際にクレアチンという名前は、肉を表すギリシャ語の”kreas”が名前の由来になっている。
ちなみにリン酸基を移すことができるキナーゼには、筋クレアチンキナーゼと脳クレアチンキナーゼがある。
そして各キナーゼから二量体が作られるので、4種のクレアチンキナーゼアイソザイムが存在します
- キナーゼ:ATPからリン酸基を他の化合物に移動させる酵素
- アイソザイム:ほぼ同じ活性を持ちながら、たんぱく質分子として異なるアミノ酸配列を持つ酵素
クレアチンはATPを再生することができる
クレアチンの主な働きは、ATPの再生です[1]
ATPというのはアデノシン三リン酸のことで、生体内でエネルギー通貨として使われている物質。
ATPのリン酸基は高エネルギー結合なので、リン酸を切り離してADPになるときにエネルギーが放出される。
このエネルギーを使って、ヒトは体を作ったり筋肉を収縮させたりします
実際に1993年の研究ではATPを再生する様子も調べられている。[3]
この図は奥行きが時間軸で、休息→運動→休息となっている。
運動が始まるとクレアチンリン酸(PCr)が減少し.Piが生成されていることがわかる。
クレアチンリン酸からのリン酸基供給によって、ATP量は運動中も一定になっています
そして運動が終わると即座にクレアチンリン酸が復元され、再びの運動に備えている。
ちなみにクレアチンリン酸の回復は、酸性度(疲労の重症度)などによって5分〜15分超えまで異なる。[4]
ATPとエネルギー代謝
じゃあそもそもATPを初めから蓄えておけばいいのでは?
そう思うのも分かりますが、クレアチンの方が小さく負電荷も帯びにくいので貯蔵物質として優れています[2]
- 筋肉に存在するATP量は約8-10mmol。[4]
- 筋肉に存在するクレアチン量は筋肉1kgあたり26mmol
このATP量は、短距離走では2秒ももたない計算。[5]
しかし実際には2秒しか全力疾走ができない人はいません
高強度運動では安静時の1000倍もの需要があるが、実はATPは1-2mmolしか減らない[4]
これは主に3つのシステムがエネルギーを供給しているからです
- リン酸基によるシステム(The Phosphagen System)
- 解糖系によるシステム(The Glycolytic System)
- ミトコンドリアによるシステム(Mitochondrial Respiration)
運動の強度によって、どのシステムが優位になるかは変わります。
- 30秒のスプリント
- ホスホゲン系23%、解糖系49%、ミトコンドリア呼吸28%
- 10秒間の全力疾走
- ホスホゲン系53%、解糖系44%、ミトコンドリア呼吸3%
実際にATPを作る量が多いのは、ミトコンドリア系→解糖系→ホスホゲン系の順番。
しかしエネルギーの供給速度となると順番が逆で、ホスホゲン系は素早くATPを供給することができる。
運動時間が短い高強度運動...すなわち筋トレで大事なのがクレアチンによるATPの再生になります
コラム「ホスホゲンシステムはクレアチン以外も含む」
実際にはホスホゲン系というのは、クレアチンによるATP再生以外も含みます[4]
- クレアチンキナーゼ反応
- クレアチンキナーゼ反応によるH+の減少はアルカリ化に繋がり、その代謝性アルカローシスの発生がAMPデアミノナーゼを活性化させる
- アデニル酸キナーゼ反応
- 重要なのはAMPの生成で、AMPは解糖系を開始させるシグナルになる
- AMPデアミナーゼ反応
- IMPの生成によって、ATP加水分解の自由エネルギーを大きく保ちATPがADPに乖離しやすくする
クレアチンキナーゼ反応とアデニル酸キナーゼ反応はどちらもATPを再生するが、クレアチンキナーゼ反応の方がはるかに高いATP再生能力を持っている。
ちなみに実際にAMPデアミナーゼ欠損症の人は、ATPが乖離しづらく早期の疲労や痙攣に苦しむ可能性が高いことがわかっています
クレアチンの補給で筋トレのパフォーマンスは向上するのか?
ここからは実際にクレアチンの補給でパフォーマンスが向上するのかを見ていきましょう